第34話 震える男
依頼中にも関わらず楽しく水浴びでサッパリして さらに依頼中にも関わらずゴブリン兄妹がもの凄い音量の食事を済まして さらに依頼中にも関わらずゴブリン兄妹は大音量いびきのお休みタイムに突入した そんな危機感0のチームギーラのメンバー ギーラ トラ シルキャド オトギは依頼の村を目指して再び進みだした
「ヨク ネタ トラ イイキブン」
「オトギ ヨク ネタ ガンバル」
前衛で歩くゴブリン兄妹は嬉しそうに話しながら歩いている
「けど 良くモンスターとかに襲われなかったな~ 不思議やね」
「ニャ おかげで私はニャ 寝れなかったニャ ギーラと見張りだったニャ」
「まあまあ 落ち着いて トラとオトギは食べた後はすぐ眠たくなって すぐ寝る確率が驚異的に高いからね まあねしょうがないからね ここはシルキャドここは我慢我慢」
「ニャ まあそうだけどニャ 私も少しは寝たかったニャ」
「そうやね けどトラとオトギが食べたイノシシはシルキャドが狩った獲物やから美味しくて気持ち良くなって寝たと思うからな~」
「ニャ ギーラもやっぱりそう思うかニャ 私も実はニャ そう思ってたニャ やっぱりそうだニャ 私が狩ったイノシシは美味しいからトラとオトギもニャ 眠ってしまったニャ 私の狩りが上手すぎるからニャ~まあしょうがないニャ」
「うん そうに決まってるよ うん そうに決まってるよ」
ギーラはご機嫌斜めのシルキャドを手の平で転がしてからご機嫌にして 最後は少し言葉が棒読みになって同じ事を繰り返したかもしれないが気にせず森の中を進む
「ギーラ シルキャド トマル」
しばらくギーラ達が進んでいるとトラがギーラに言う オトギも止まっている
「んっ トラどうした?」
ギーラとシルキャドはその場に止まりながらギーラはトラに尋ねる
「ウン ダレカ イル ニオウ」
「誰かいるのか? 敵か?」
「ウン ワカラナイ」
「人数は? どれくらい」
「ウン イチ」
ギーラはトラに尋ねるが1人で敵か味方なのかは分からないと答える
「そうか 分かったトラ教えてくれてありがとう それじゃあシルキャド透明化でチョット見てきてくれないか?」
「ニャ 分かったニャ お安い御用ニャ」
「あと シルキャド見るだけね 偵察するだけでお願いね 戦ったりは禁止ね」
「ニャ OKニャ 見るだけにするニャ」
「うん そうしてね 俺達は警戒しながら進むからそれを見たら合流してね じゃシルキャドよろしくね」
「ニャ すべてOKニャ じゃ行ってくるニャ 消える消える消えるニャ」
そしてギーラはシルキャドにトラが発見した正体不明の物体の偵察をお願いすると シルキャドは最後の消えるニャで姿が透明化して見えなくなる それからトラとオトギを見る
「シルキャドに話した通り俺達は警戒しながら進むからね それとシルキャドが戻って情報を聞くまではトラとオトギも戦ったりは禁止ね」
「ウン ワカッタ トラ ギーラハナス マモル」
「ハイ」
そうギーラはトラとオトギに話すと警戒しながらゆっくりと歩き出す
シルキャドはギーラ達の目の前で透明化すると すぐに無音で走り出し目に入った大きな木を発見するとその木を蹴り次の木も蹴り連続でタンッタンッタンッタンッとリズム良く蹴り続け木の上の枝に上がると スピードの勢いを殺さずにそのまま木の枝を選び正体不明の物体に無音で近づいていく
「ニャ どんな奴がいるのかニャ~ 楽しみだニャ」
シルキャドはワクワクしながら無音で木の上の枝を素早く進みながら小さく声を出す そしてしばらく進むと前方に1つの影が見えたのでスピードを緩めながら近づく そこには木の切り株に1人で座り下を向いてブルブル震えている男が目に入る その男の見た目は下を向いているので表情は分からないが 黒髪で上半身は何も着ておらず裸で下半身は裾が破れている半ズボンだけの姿である 体の体型も細身で両腕は素手で武器なども見当たらずただ下を向いてブルブル震えているだけである
「ニャ なんだあれはニャ 半ズボンだけでニャ 震えてるニャ そんなに寒いかニャ 寒ければ服を着ればいいのにニャ おかしな奴だニャ」
シルキャドは完全に動きを止めて高い木の上から震えてる男を観察している しばらく観察していても震えてる男はその場に座ったままで動きを見せない
「ニャ なんだニャ なんだニャ あいつはニャ 震えてるだけでニャ 面白くないニャ せっかく私がニャ 見てるんだからチョットは動くんだニャ 顔ぐらい見せるんだニャ」
シルキャドは何のリアクション無い下を向いて震えてる男に何故か怒りが込み上げてきて小さく声を出す
「ニャ どうするかニャ ギーラは見てくるだけってニャ 言ってたけどニャ もっと近くでもニャ 見てもいいかニャ どんな顔かぐらいは見てもいいかニャ さてどうするかニャ~」
シルキャドは好奇心旺盛な猫族の少女である それで腕を組んで迷いながら考えている 下を向いて震える男を見て観察しているがまったく動きが無い
「ニャ もう無理ニャ 私はもう我慢の限界ニャ いつまでニャ 下を向いて震えてるだけニャ 顔ぐらい私に見せるのが普通だニャ 絶対そうニャ 顔ぐらい見るニャ」
シルキャドは下を向いている男の顔を見る事だけに頭が一杯になる 好奇心旺盛な猫族の少女である そしてフワッと木の枝から飛び降り回転を数回して地面に無音で着地する
「ニャ 私にお前の顔を良く見せるんだニャ~ どんな顔をしてるのかニャ~ 早く見せるんだニャ~」
シルキャドは警戒しながら下を向いて震えてる男に背後から近づく そのまま震えてる男の背後まで辿り着くがまったくリアクションが無い そしてシルキャドは無音でゆっくり前に回りこみ 顔拝見ニャ と思い震える男の下から覗き込む様に顔を見る
「ニャ ニャ ニャ こいつの顔は何だニャ 人間じゃ無いのかニャ 顔だけ凄く毛だらけでモジャモジャだニャ~」
シルキャド下から覗き込んでから素早く1歩下がって考えながら呟く その顔は全部が毛で覆われていて目と口だけの部分だけが毛が生えていない 体の部分はたしかに人間の体なのでシルキャドは少し驚いた
「ニャ 何だニャ こいつはニャ 分からないニャ」
シルキャドは透明化を解いてから両手を腰に当てて首を傾げながら悩んでいる 頭の中は顔だけ毛男に興味津々である しばらく警戒しながら観察していると顔だけ毛男が震えているが素早く顔を上げてシルキャドを見る
「何だお前は早くここから去れ」
顔だけ毛男は低い苦しそうな声でシルキャドの目を見て話し掛ける
「ニャ いきなり声を掛けるニャ ビックリするニャ 心臓がバクバクしているニャ」
シルキャドは驚きさらに1歩下がり話す その男の顔は下から見た時は分からなかったが目の色は全体が金色で赤く血走っている 話す時に口を空けた瞬間に鋭い牙も見える
「そんなんは知らん 早くここから去れ」
「ニャ 何でニャ そんなに怒ってるニャ? それに凄く震えてるしニャ? どうしてこんな所に1人でいるニャ? 後何で顔だけ毛がモジャモジャなんだニャ?」
シルキャドは気になる事を1度に聞く 興味津々天然猫娘少女流石である
「黙れ うるさい 早くここから去れ・・・・・」
顔だけ毛男はまた下を向き呻き声を出しながら最初に見た頃のポーズに戻る そして体を大きく震わせ始める
「ニャ どうしたニャ これはヤバイニャ 逃げるニャ」
シルキャドは身の危険を感じすぐに素早くバックステップを繰り返し距離を稼ぐと走り出し木登りの素早い連続飛び蹴りで目に入った1番太くて大きな木の上の枝に避難する
「ぐおおおおおおおおおおおおおお」
顔だけ毛男は大きく震えながら立ち上がると両手を高々と上げて大きく叫び出すと細身の体が徐々に筋肉が盛り上がり全身に黄色の毛が生え揃って黒色の毛のラインも見えて震えが止まる 目は血走り口には大きな牙があり両手の爪は鋭く鋭利になっていた
「ニャ あいつ変身したニャ 全身が黄色の毛になり筋肉がモリモリになったニャ これはギーラ達に報告しなきゃいけないニャ」
シルキャドはそう考え急いでギーラ達の所へ戻ろうと両足に力を込めて踏ん張り次の木の枝に跳ぼうとした瞬間 シルキャドが避難していた木がドーンという音と共に大きく揺れる
「ニャ ニャ ニャ 何だニャ この揺れはニャ」
シルキャドは跳ぼうとした瞬間に大きく体が揺れてタイミングがずれてバランスが崩れる すると2発目の衝撃がまた凄い音と共に連続で来てシルキャドは大きくバランスを崩すが何とか体勢を木の上の枝で保つ 下を見ると全身黄色になった男が木に向かって拳を打ちつけている
「ニャ 嘘だ嘘だニャ 黄色男になってからニャ えらく凶暴になったニャ これだけ木がニャ 揺れるとニャ ジャンプが出来ないニャ」
シルキャドがそう囁いてる間も黄色男は木への拳の打ちつけは止まらない
「ニャ こうなったらニャ 消える消える消えるニャ」
シルキャドは透明化で姿を消して無音で木から飛び降り着地してから黄色男から距離を取りギーラ達の所に行こうと考えたがそれを止めて黄色男が狂ったように叫びながら木に拳を打ち続けるのを観察する
「ニャ 黄色男口は大きく開いて叫んでるのニャ 涎もあんだけ垂らしてニャ 目は血走っているのにニャ けどニャ なんで泣いてるニャ」
シルキャドは少し離れた場所からでも分かるぐらいに黄色男は泣いていた そして打ち続けていた木が拳の威力に負けて大きな音をたてて倒れる 黄色男はシルキャドを捜しているのかキョロキョロ顔を動かしながら大きな奇声を叫びなが倒れた木の回りを動いている しばらく探して見つからないと判断したのか最後に凄い大きな叫びをあげて森の中に入って消えていった
「おいっ シルキャド無事か 凄い音がしたから慌てて来たらこの倒れた木はいったいどういう事だ?」
シルキャドが黄色男が森の中に消えてから透明化を解いて倒れた木を見つめていると ギーラ達が走ってシルキャドの所に駆け寄る シルキャドはここで見た事をギーラ達に全部話す
「なるほど 変身か・・・・・ それは凄いな~ 黄色に黒ラインの怪物か・・・・・ けど良く気が付いて木の上に避難したね いい判断だったよ」
「ウン コノキオル チカラ アル」
「ハイ・・・・・」
ギーラはシルキャドの話しを全部聞いてから褒める
「ニャ そうだニャ あの時は私危険を感じたニャ そうかそうかニャ トラもそう思うかニャ 黄色男拳で木を打ちつける音が凄かったニャ~」
シルキャドは先程を思い出してながらギーラとトラに返事する
「オトギ アガル スグネル」
今まで特に大人しかったオトギがギーラ達にいきなり話し出しテクテク大きな木に歩き出し その木の陰に行って着ていた服を全て脱いで真っ裸になり横になりだす
「ウン オトギ アガル」
トラは大きく頷きオトギを見ている
「あっ たしかトラもこんな事あったな あの時はたしかギルドやったな~ そういう事はトラオトギは体が大きくなるの?」
「ウン オトギ オオキクナル」
ギーラの質問にトラは頷きながら答える
「ニャ なんだニャ それはニャ 上がる? 大きくなる? ギーラトラ 何を言ってるニャ」
シルキャドは先程の襲われたこと事もありオトギの謎発言に猫目を大きくして訳が分からない顔をして2人に聞く
「あ~あ シルキャドはあの時おらんかったもんね え~と 簡単に言うとオトギがトラにみたいな筋肉ムキムキになるよ」
「ニャ そうなのかニャ それがオトギが言ったアガルなんだニャ これはもの凄く大変だニャ 食費が凄い事になるニャ」
シルキャドは謎が解けて納得して真顔になりすぐに食費を考えて呆れ顔になる
「という事で オトギが起き上がるまでこの場所で少し待機するね」
「ウン ワカッタ」
「ニャ OKニャ」
ギーラはトラ シルキャドにそう言うとオトギがパワーアップするまでしばらく待機するのであった




