第25話 大蛇 4
2匹の大蛇を倒し川の上流の大蛇の棲みかまで移動するギーラ達 進むにつれて生き物の鳴き声も聞こえなくなりギーラ達も当然異変に気付きながら大蛇達の棲みかを目指す 1時間程歩くと左側に見えていた森の木々も徐々に本数を減らし右側の川も流れが激しくなる 歩いて来た道も大きな岩が目立ち始めそれらを避けながらゆっくり進む そして前方には巨大な岩が複数重なり合った物体が視界に入り歩いている地面にもくるぶしぐらいまで水が上がってくる
「ここだ 大蛇達の棲みかだ」
カンマーイが小さく話す ギーラ達は大きな岩に隠れながら呼吸を落ち着かせている
「なるほど カンマーイが話していた通りだな 大蛇達の棲みかにはもってこいだな」
ギーラも小さな声で答える
「けど 大蛇達の姿が見当たらないな」
ギーラは大きな岩から少し顔を出し覗き込んでいる 薄い水に周りを覆われた巨大な岩の大蛇の寝床の周辺は ひっそりとして生き物の鳴き声も物音も聞こえない静けさである
「トラ どうだ 何か臭うか?」
ギーラは大きな岩から顔を引っ込めてトラに聞く
「ウン ニオイスル ヘビイル」
「どこらへんにいる?」
「ウン イワノスキマ ネドコ イル」
「そうか 何匹ぐらいいる?」
「ウン ゴ イル」
ギーラがトラに質問を終える トラの話しによると大蛇達は5匹寝床にいるらしい
「そうか 分かったトラありがとう 5匹の大蛇達が寝床にいるらしい」
ギーラが小さくトラに礼を言い考える
「あの大蛇が5匹もいるのか・・・・・これは大変だな」
カンマーイも考える
「それでどうする ギーラ 作戦は何かあるか?」
ララベスが緊張した顔で聞いてくる
「そうだな このまま待っていてもラチがあかないしな カンマーイ レアーラキス トラは固まって3人で大蛇をまず迎え撃て ララベスは俺が合図するから寝床に矢を打ち込んで大蛇をおびき寄せろ 俺とシルキャドは戦況を見て動く」
ギーラはそう指示をする
「シルキャド 透明化を今すぐするんだ」
シルキャドは頷き
「ニャ 分かったニャ 消える消える消えるニャ」
最後の消えるニャでシルキャドの姿が一瞬で消える
カンマーイ レアーラキス トラ が大蛇達の岩の隙間の寝床の真ん中当たりまで進む
「じゃ ララベス頼む矢を打ち込んでくれ」
ギーラが カンマーイ レアーラキス トラが戦いの準備が終わるのを確認してからララベスに言う
ララベスが頷いてから大蛇の寝床に向かい弓から矢を放つ 放たれた矢は岩の隙間に入って行く すると矢が入った岩の隙間から5メートルの大蛇が胴体に矢が刺さったまま水面を滑るようにSの字を描きながらカンマーイ達に襲い掛かる
「大蛇が来たぞ まず俺が盾で迎え撃つ」
カンマーイは盾を前方に構え大蛇の攻撃の衝撃に身構える レアーラキスとトラは盾のすぐ後ろで身構える
「おりゃあああああああ」
カンマーイは大蛇の力強い1撃を水飛沫を上げながら数歩下がりながら盾で受けきる 大蛇も盾にぶつかり少しよろける
「今がチャンスですわ」
「ヘビ コロス ハジメル」
カンマーイの盾の後ろからレアーラキスとトラは飛び出してレアーラキスは片手剣を両手に持ち自分の頭まで振り上げ大蛇の首を狙いを定めて真下に振り下ろす 片手剣は大蛇の首を正確に捉えながらの首の途中まで切り裂いて動きを止める トラもレアーラキスと同時に攻撃をしかけていて黒い円錐棒を大蛇の胴体を狙いを定め振り下ろし大蛇の胴体を水しぶきを上げながら粉砕する
「まず 1匹ですわ」
「アト ヨン」
すると残りの4匹の大蛇もカンマーイ達の戦闘の音を聞き寝床から飛び出してくる もの凄いスピードで水面をSの字で滑ってきて カンマーイ レアーラキス トラ ギーラに1匹づつ襲い掛かる
「何? もうこんな所まで来てやがる」
カンマーイは慌てて盾を大蛇の攻撃に合わせようと構えるが 最初の1歩がわずかに遅くなり足を踏ん張りきれず大蛇のもの凄い突進の力の衝撃も加わり体を浮かされて盾を何とか両手から離さずに数メートル水面に吹っ飛ばされる
「これは早いわ 間に合うかしら」
レアーラキスも大蛇のもの凄いスピードに追いつかず片手剣を何とか先ほど倒した大蛇から必死に引き抜き構えるが 襲い掛かる大蛇の攻撃のスピードにこちらからの攻撃は無理と判断して右手の片手剣を何とか大蛇の右目に当てて 一瞬怯んだ隙に大蛇の右側に横っ飛びで回避行動をして ギリギリのタイミングでその場の水面に頭から水しぶきを上げながら1回点して転げ回り1撃目の大蛇の攻撃をギリギリ紙一重でかわしきる
「ヘビ オソイ オソイ」
トラはもの凄いスピードで巨大な口を空けて鋭い牙を見せながら襲い掛かる大蛇に対してどっしりと構え 右手に持つ黒い円錐棒を大蛇の口にフンッと先端から押し出すようにねじ込み 鋭い牙を遠慮無く砕きながら巨大な円錐棒を大蛇の口の奥まで飲み込ませる 大蛇の胴体の半分程まで飲み込ませた所で円錐棒が止まる すると大蛇の動きもピタリと動きが無くなり同時に大蛇は口から大量の血を垂れ流し串刺しの状態で絶命する
「こっちに来たぞ シルキャド援護頼む」
「ニャ 分かったニャ 任せるニャ」
ギーラは透明化のシルキャドの返事を聞いてから準備を開始する 大蛇が寝床から飛び出しギーラ達に襲い掛かって来るのを視界に捉えていて<百発百中>で赤文字を確認してから投げナイフを両手に持ち振り下ろして大蛇の小さな両目に無音で投げナイフを突き刺す 大蛇は両目に投げナイフが突き刺さりいきなり視界が無くなり動きを止めて水しぶきを上げながらパニックになる その瞬間に大蛇の頭部にドスンと音が鳴り頭部の部分に穴が出来て血が噴出す 透明化のシルキャドがギーラの投げナイフが大蛇の両目に刺さると同じタイミングで水しぶきを上げながらジャンプして高く舞い上がり狙いを定めて大蛇の頭部に深々と短剣を突き刺さしていた その攻撃で大蛇がまたもやパニックになり それを見た瞬間にギーラは2本の投げナイフを大蛇の頭部の真ん中に突き刺し大蛇を倒す
「痛てえええええええ 吹っ飛ばされたか」
カンマーイは大蛇に吹っ飛ばされて水しぶきを上げ仰向けになって急いで立ち上がろうとした瞬間に 目の前が大きな影で急に真っ暗になるフッと顔を上に向けたと同時に大蛇が巨大な口を空けてカンマーイに上から強力な1撃で襲い掛かる カンマーイは仰向けのまま急いで盾を上に向けて構えて大蛇の攻撃を盾で防ごうとするが 大蛇の強烈な体重が乗った上からの攻撃に押しつぶされ地面に水しぶきと共に体をめり込ませる
「何とか1撃目は逃げれましたが 次はどうでしょうね」
レアーラキスは水しぶきを上げて頭から転がったそのままの勢いで立ち上がり大蛇と改めて向かい合う その瞬間遠距離から援護の為に攻撃をしていたララベスが放った矢が大蛇の体に刺さる 矢が体に刺さり気がそれた瞬間にレアーラキスは素早く水しぶきを上げながらバックステップで後ろに距離を取る
「1人では 勝てませんね どうしましょう」
レアーラキスは周りを見渡す するとトラが近くで戦いを終了していた 相手をしていた大蛇は右手の巨大な円錐棒に串刺し状態で死んでおり レアーラキスは思い切ってトラに向かって水を蹴り上げ走り出す
「トラ 御免なさい 助けて 私の力じゃ無理です勝てないですわ」
レアーラキスはトラに助けを求めて全力で走っている
「ウン マカセロ ヘビ ミナゴロシ」
トラもレアーラキスがこちらに向かって水しぶきを上げ走り出すのに気が付いて答える 大蛇も逃げるレアーラキスを逃がすまいとすかさずSの字を描きながらもの凄いスピードで追いかけてくる
「ヘビ ワザワザ コッチクル ウレシイ トラ コロス」
トラは両足に力を込めてもの水を上げて凄いスピードで走り出しレアーラキスと正面からアッというまにすれ違い 右手の円錐棒に串刺し状態で絶命している大蛇を走りながら右手を上げて振り下ろし レアーラキスを追いかけている大蛇の頭部に強烈に当てる その衝撃で大蛇は止まり投げられた大蛇が頭部に絡まり目が塞がる トラは大蛇の真正面に立ち黒い円錐棒を持つ右腕で横殴りで思いっきり振り切り大蛇の頭部とさっき円錐棒から投げた串刺し大蛇の体も同時に吹き飛ばす
「トラ ありがとうね 命拾いしたわ」
レアーラキスは衝撃音で後ろを振り返りトラを見ながら礼を言う
「ウン キニスルナ」
トラは回りを見渡しながら答える
「ダメだ ペッチャンコだな 何も聞こえないな 背骨もやられてるな・・・・・」
カンマーイは半分体が地面に埋まりながら水を微かに感じて呟く
「もう 力が入らないな 大蛇も強かったな あ~あもう少し生きたかったな・・・・・」
そう言うと口から血を吐き出して咳き込む すると上空から大きな黒い影が迫り大蛇の巨大な口がカンマーイを頭から丸呑みした
ララベスは見ていた カンマーイが大蛇にもの凄いスピードで吹き飛ばされ 仰向けになり必死に立ち上がろうとしていた所 大蛇が上からもの凄い衝撃で攻撃されカンマーイは地面にめり込んだ するとカンマーイが僅かに口が動いた瞬間大蛇に上から飲み込まれた
「カンマーイが飲み込まれた~ 大蛇に飲み込まれた~ カンマーイはやられた・・・・・」
ララベスは全力で叫ぶ 精一杯叫ぶ 全員の耳に届くように半狂乱で叫ぶ その瞬間ララベスは背後から現れた巨大な生物に気が付かなかった 今までの大蛇の2倍はある巨大大蛇に背後から一瞬で飲み込まれる それは赤と緑と黒が混ざり合うマダラ模様で巨大すぎる大蛇だった その巨大大蛇はそのままカンマーイを飲み込んだ大蛇に近づくと大蛇は恐怖で硬直でもしたかのように動かなくなり 巨大大蛇は何事も無く飲み込む
「えっ 嘘っ カンマーイが飲み込まれた?」
それが聞こえたレアーラキスは慌ててララベスを振り返る 振り返った瞬間ララベスは口に手を持っていき半狂乱で カンマーイはやられた と叫び終えた瞬間に巨大大蛇にあっさり飲み込まれた 呆然と巨大大蛇を見つめていると近くにいたカンマーイを飲み込んだと思われる大蛇も一瞬で飲み込む レアーラキスは体から力が抜けて膝から崩れ落ちるここは戦場だという事は分かっているが泣き崩れながら カンマーイ ララベス と声は出ないが叫んでいた
お久しぶりです 1名の方ブックマークありがとうです 嬉しいですね これを励みに書かせてもらいます




