第197話 途中の森8
「キャハハハハハハハハハハ~~~」
レイラャッチはまだ指の間から覗き込むガン見スタイルのお約束で大爆笑が止まらない
「うふふ、私とザザードスドは古い古い友人でアンデルケス様の為だけに仕える為の繋がりですから私達の間には私情はまったくありませんよ、レイラャッチ、うふふ」
ローズメルファはお約束スタイルのパタパタレイラャッチにいつもの笑顔で話す
「キャハハハハハ~、そうなんだねぇ~、不思議だけどぉ~、2人の顔を見てるとそうなんだろうなぁ~、そのアンデルケスっていう人1回会ってみたいかもぉ~、キャハハハハハ」
レイラャッチはお約束スタイルを終了させて真っ黒に塗りたくった顔を全開にして話す
「うふふ、それは嬉しい事を言ってくれますね、レイラャッチ、アンデルケス様は素晴らしいお方ですから機会が有ればお会いになるのも良いと思いますわ、それでザザードスド?、あなたはその大変そうな声はどうされたのですか?」
ローズメルファはレイラャッチの「アンデルケスに会ってみたい」発言に嬉しそうに小さく頷いているザザードスドに聞き取りにくい声の事を質問する
「キャハハ、「あ~あ、これは私も理由が良く分からないのだが・・・・・」って言ったんだけどねぇ~、この話は私も聞いた事が有るし私も知っている話だから変わりに教えてあげるねっ、キャハハハ」
レイラャッチはザザードスドが長い言葉を話をするのが辛いのも分かっているのでザザードスドの言葉を通訳してローズメルファに伝えるとザザードスドの了解の頷きを確認して変わりに話を始める
「キャハハハ、え~とねっ、ザザードスドは150年ぐらい隔離された空間で眠ってたんだけどねぇ~、その隔離された空間は誰も入れない筈だったんだけどぉ~、ザザードスドが何故だか分からないけど違和感を感じて目を覚ますとぉ~、その隔離された空間が荒らされていてぇ~、喉に呪術の紋章が刻み込まれていたんだよぉ~」
レイラャッチはザザードスドからしてみたらかなり重い出来事だがレイラャッチの説明は彼女の性格&話し方でマイルドに変換されて伝わる
「なるほど、隔離された空間で長時間眠りに入るのは私も同じなので分かりますし荒らされていたのも何者かが進入してきたと考えれば私も以前ギーラ達が入って来たので理解出来ますが・・・・・喉の呪術の原因はその侵入してきた何者かの仕業なのでしょうかね?」
ローズメルファは200年の眠りから覚めた時にギーラ達が白い部屋に居て申し訳無さそうな顔のギーラと出会った事を思い出し、少し考えてから何故ザザードスドの喉に呪術が刻み込まれているのかを考えながらレイラャッチに聞いてみる
「キャハハハ、うんっ、ザザードスドも喉に呪術を刻み込まれてからすっご~く考えたみたいなんだけどっ、何だかねっ、長い時間眠るチョット前にねっ、気に入らない術者を30人程灰にして殺しちゃったみたいでねっ、多分それ関係の呪いかその術者の仲間の反撃っぽいってかな~って言ってたよぉ~~~、キャハハハ」
レイラャッチはあいかわらずザザードスドには重い出来事だがナチュラルに変換して話す、ザザードスドは黙って聞いている
「そうですか、それは大変重要なポイントになりますわね、それでその殺した術者達の仲間は誰か分からないのですよね?」
「キャハハハ、うんっそ~だよ~、ザザードスドは色々調べたみたいだけどねっ、分かんないって言ってたよっ、そのっ、気に入らない術者達を殺した時は普段は冷静なんだけどねっ、珍しく怒っちゃったみたいでねっ、灰にもしちゃったしねぇ~、後先考えなかったから誰が居たとか誰が逃げたとかは忘れちゃったって言ってたもんな~、あっ、後ねっ、その時ザザードスドが怒っちゃった理由は秘密だって教えてくれないんだよぉ~、キャハハハハハ」
「そうなのですね、ザザードスドが激高した理由はこの際良いと致しまして、その現場の状況を覚えていないのなら思い出すのは難しいでしょうね、それに我を忘れていたとも考えられますし、う~ん、仮に術者の生き残りがいたとしてもどうやって探し出して借りを返しましょうかしら」
ローズメルファはすでにザザードスドの喉に呪術を刻み込んだ術者を殺す事を頭に浮かべて少しドキドキワクワクしながら考える
「キャハハハハハ、うんっ、そうだよねぇ~見つけ出して1匹残らずぶち殺したいよねぇ~、でもねっ、ザザードスドも最初は術者を探し出す事を考えていたんだけどねぇ~、それよりも喉の呪術の方を何とかしように考えが変わったんだよっ、キャハハハハハ」
「あらあら、それはどういう事なのですか?」
「キャハハ、それはねっ、呪いなら解く方法があると考えてねっ、そっちの方向で調べていたら3箇所ぐらいの候補の場所でねっ、喉の呪術を治せそうな効果がありそうな事に辿り着いたんだよぉ~、えへっ、ザザードスドって凄いでしょうぉ~、私だったらそんな事思いもつかないけどっ、ザザードスドは、なんとっ、思いついちゃうんだからねっ、キャハハハハハ~~」
「そうですわね、その考え方も十分有りですわね、しかし術者を殺す事は少し遅くなって遠回りにはなりますけど・・・・・」
ローズメルファは少し悔しそうな声を出して返事をする
「キャハハハ、ローズメルファ残念そうだねっ、私も最初ザザードスドから話を聞いた時は残念だったから気持ちは分かるんだよねっ、それでねっ、その3箇所の場所が分かって今この森が2箇所目なんだよっ、1箇所目は山の中腹にある祠だったんだけどねぇ~そこじゃ無かったんだよねぇ~、けど、そこの祠も馬鹿な奴がたくさん居てザザードスドと2人でぜん~ぶ殺してやったから楽しかったんだけどねっ、キャハハハハハ」
「うふふ、そうなのですねっ、それでこの森はどうだったのですか?、ザザードスドの喉は治りそうな物はあったのですか?」
ローズメルファは黙って頷いて2人の話を聞いているザザードスドを見てからレイラャッチに尋ねる
「キャハハハ、どうだろうねっ、チョット聞いてみるね、キャハハ」
レイラャッチはそう言うとザザードスドを見るがザザードスドは首を横に数回振って何も無かった事を知らせる
「キャハハハハハ、何も無かったみたいっ、残念だなぁ~、早くみんなと前みたいにしゃべれる様になれば良いのにっ、キャハハハ」
「そうなると、次の場所の3箇所目の期待が大きくなりますね、それはどちらなのですか?」
ローズメルファはザザードスドとレイラャッチを交互に見て聞く
「キャハハハハハ、それはねっ、ローズメルファもさっき言っていたギルドの依頼で今から行く蛇の村だよっ、キャハハハハハ」
「あらあら、それは奇遇ですわね、うふふ」
ローズメルファは先程アンデルケスの近況報告でザザードスドに話をしていた事を思い出しながらいつもの笑顔で答える
「ウン、ミドリノチ、ナクナッタ、オトギ」
「ハイ、ゼンブ、ペロペロ、オワッタ」
トラとオトギはオトギの自分達の唾と涎でテカテカでピカピカの筋肉の塊の太い腕を残念そうに見ながら話す
「ウン、ナンダカ、オナカスイテキタ」
「ハイ、オニイチャン、オトギ、アバレタ、オナカスク」
「ウン、オナカスイタラ、ナニカクウ、ゲンキナクナル、イヤダ」
「ハイ、オニイチャン、アリ、ウマソウダ、クウカ?」
「ウン、ソレイイカンガエ、オトギ、カシコイ」
「ハイ、オトギ、カシコイ、カシコイ、ダカラ、アリ、クウ」
トラとオトギは兄妹会議を満場一致で可決すると大量に転がっている巨大蟻に向かって大きな口から涎を垂らしながら最初に目に付いた巨大蟻の頭にかぶり付いて行く