第196話 途中の森7
森の広場は巨大蟻の頭部が無い死骸、真っ二つに引き裂かれてる死骸、額の真ん中に穴を開けている死骸、真っ黒に焦げてまだ小さな炎が燻っている出来立てホヤホヤの死骸が大量に残っている
「ウン、ゼンブ、コロシタ、タノシカッタ」
「ハイ、イッパイ、イッパイ、コロシタ、ヨカッタ、ヨカッタ」
トラは握りつぶしてトドメを刺した巨大蟻をチラッと見て適当に放り投げると嬉しそうに話す、オトギは巨大蟻の腹に肘までめり込んでいた右腕を抜くと腕に付いた緑の血をペロペロ舐めながら話す
「ウン、オトギ、ウマイカ?」
トラはオトギのペロペロを見て聞く
「ハイ、オニイチャン、ペロペロスルカ?」
オトギは緑の血が付いた右腕を差し出しながら聞く
「ウン、ペロペロスル」
トラはそう言うとオトギの右腕をペロペロ舐め始める、2人共緑の返り血でビショビショだが筋肉ムキムキゴブリンの2人はまったく気にせず味わう様にオトギの太い腕の緑の返り血を巨大蟻の死骸に囲まれて舐めている、
「キャハハハハハ、終わった終わったぁ~、全然物足りないけど終わったぁ~、まあ~、コイツ等じゃこんなもんだよねぇ~、キャハハハハハ~、てかっ、トラとオトギがあんな死骸のど真ん中で何かしてると思ったらぁ~ペロペロしてるんですけどぉ~、キャハハハ、ウケル~ウケル~、ペロペロォ~ウケル~、キャハハハハハハ~」
レイラャッチはトラとオトギを思いっきり指を刺して空中で腹を抱えて大爆笑している、トラとオトギは気付かずにペロペロ中だが
「うふふ、トラとオトギは素直ですからね、あのペロペロが終われば今度は巨大蟻を食べると思いますよ、うふふ」
ローズメルファはトラとオトギを見ていつもの笑顔でレイラャッチに答える
「キャハハハハハ、そうなんだぁ~、あの巨大蟻を食べちゃうんだぁ~、それもぉ~、ウケル~、どうやってあの巨大蟻を食べるのか楽しみだぁ~~~、キャハハハ」
「うふふ、それはすぐに見れると思いますので安心して下さいね、レイラャッチ、それとですね少しザザードスドと話をしたいので通訳お願い出来ますか?」
ローズメルファはトラとオトギのペロペロから視線を外してレイラャッチに聞く
「キャハハ、OK~OK~だよっ、私の有能ぶりを見せちゃうからねっ、ローズメルファ安心してっ、キャハハハハハ~」
レイラャッチはトラとオトギがいつペロペロを止めて巨大蟻を食べ始めるのかを気にして、トラとオトギをガン見して答える
「はい、宜しくお願いしますね」
ローズメルファはレイラャッチに一言礼を言うとザザードスドの場所までスタスタ歩いて行く、レイラャッチは一瞬でも見逃さないようにトラとオトギからは目を離さず器用にパタパタ後ろ向きでトラとオトギを見た状態で付いていく
「ザザードスド、これでゆっくり話が出来ますね?」
ローズメルファはザザードスドの居る場所に着くと声をかける
「・・・・・・・・・・あ~あ、そ・・な、私も聞・・・事があ・・らな」
ザザードスドは森の広場を注意深く観察していて一瞬間を置いてローズメルファの存在と声に気付いて返事をする
「・・・・・・・・・・、あっ?、ザザードスドは「あ~あ、そうだな、私も聞きたい事があるからな」って言ったんだよ、キャハハハ、えへっ、少し遅れちゃった、キャハハ」
レイラャッチは100%トラとオトギに意識を集中していて照れ笑いをしてからザザードスドの聞き取りにくい言葉をローズメルファに伝える
「いえいえ、構いませんよレイラャッチ、無理にお願いをしていますのでお気になさらずに、それでザザードスド?、もうご存知かもしれませんがアンデルケス様は復活なされましたわ」
ローズメルファはレイラャッチに優しく微笑んでからザザードスドに向き直ると背筋を伸ばして少し緊張して「アンデルケス」の名前をザザードスドに話す
「お、お、お、お~お、そう・か、そ・・のか、ローズメルファお前の・・・感じ・姿を認識・・瞬間からその・・1番・・・・った、そ・か、そう・・だな、そ・は良・った・・・・本当・良・った、アンデルケス様が復活なさ・・のか本当・良・った・・・・・、アンデルケス様良・った・・・・・」
ザザードスドは目だけを出した状態で目深に被っていて黒いローブを素早く後ろに持って行き顔を出すと深々と頭を下げて「アンデルケス様」と心の底から安堵と喜びの表情で嬉しそうに声を出す
「キャハ・・・ザザードスド・・・・・どうしたのっ?・・・・・アンデルケスって?誰なのっ?・・・・・」
レイラャッチはトラとオトギのペロペロに全身系を集中していたがザザードスドの今まで1度も見た事も聞いた事も無い声質と表情に物凄く驚いて振り返ると戸惑いながら聞き返す
「レイラャッチ、アンデルケス様の事は後で説明致しますので通訳の方お願いしても宜しいですか?御免なさいね」
「キャハ、そ、そ、そうだよねっ、私の有能ぶりぶり通訳をローズメルファに見せるって言ったもんねぇ~、キャハハハハハ、だけど後で必ず教えてねっ、私物凄く聞きたいからさっ、ザザードスドがあんな態度取るなんて驚いちゃったからさっ、キャハハハハハ、え~とっ、ザザードスドは「そうか、そうなのか、ローズメルファお前の気配を感じて姿を認識した瞬間からその事を1番聞きたかった」って、それからっ、「それは良かった本当に良かった、アンデルケス様が復活なされたのか本当に良かった、アンデルケス様良かった」って言ってだよっ、けどザザードスドにはビックリしちゃった~、キャハハハハハハハハ~」
レイラャッチはまだ驚きを引きずりながらローズメルファに通訳する
「そ・で、アンデルケス様・今ど・・に?」
「キャハハハ、「それで、アンデルケス様は今どちらに?」だよっ、キャハハ」
レイラャッチは通訳する、それからローズメルファはザザードスドにアンデルケスが私が目覚めた時には旅立っていて少し前にスグラアゼースの町で見かけた事を説明して今は一人で旅を楽しんでいると詳しく話し終える、ザザードスドはローズメルファの話を口を挟まず黙って頷いて聞き終わるとアンデルケスの復活と無事に安堵して幼い綺麗な顔でアンデルケスやローズメルファと同じ黒目の無い白目だけの目を細めて喜んでいる
「キャハハハ、「それで、ローズメルファお前はこの森にはさっき話をしていたが偶然寄っただけなのか?」だからねっ」
レイラャッチは喜びが一段落して間が開いたがザザードスドの次の質問をローズメルファに伝える
「はい、私は今アンデルケス様のご命令でギーラと申す人間の男の傍で一緒に行動させて貰ってまして、ギルドの依頼の途中でトラとオトギが楽しい事をギーラに提案をしたのでそれにご一緒して偶然この森に来たのですよ、うふふ」
ローズメルファはギーラと相棒達に長らく世話になり、ヘビージョの依頼で蛇の村までの旅の途中で素敵なアイデアの殺戮を楽しむ&ストレス発散をする為だけに偶然寄って、この森に来て森の中をマッスグ進んでいる途中まではザザードスド達の事は気付かなかったといつもの笑顔で説明する
「キャハハハ、「そうだな、私も途中まではローズメルファ達の事は気が付かなかったからな偶然とは凄い事だな、それにしてもローズメルファが元気で昔と変わらず同じで安心したぞ」ってザザードスド凄く嬉しそうに喜んで話たんだよっ、はは~ん、これはも・し・か・し・て私が微かに憧れてる目の前での告白シチュエーションの時間なのかなぁ~、キャハハハハハハハ~」
レイラャッチは通訳を終えるとパタパタ空中に浮きながら一人で盛り上がり、自分の顔を両手を広げて目を隠すがガッツリ指と指の間が開いているお約束のアレをしながらキャッキャッ興奮している
「うふふ、レイラャッチ、それは100%無いですわ、うふふ」
「レイラャッチ、違・ぞ」
ローズメルファとザザードスドは即答で「無いですわ」「違うぞ」の言葉で同時に心の底から冷静に完全否定で教えている
「キャハハ、な~んだそうなんだねっ、それじゃあ~、しょうがないっか、キャハハハハハハ~~~」
レイラャッチはローズメルファとザザードスドをまだ大きく開いた指の間から探るような目で交互にガン見してまったく2人が話の通りで恋愛感情が0なのを少し残念な感じで納得すると微かに憧れていた告白シチェーションが見れない事諦めてスパッと切り替えると大爆笑する、一方トラとオトギはまだ大きな舌で一生懸命ペロペロ中である