第194話 途中の森5
「久し・・・・、ローズメルファ・・・・・」
「キャハハハ、「久しぶりだな、ローズメルファ」って言ったんだよ~、私はレイラャッチ、宜しくね赤い髪のお姉さん、それと後ろの筋肉ムキムキのゴブリン?達も宜しくね~、今はザザードスドの声が出にくいし聞きにくいから私が変わりに通訳してあげるねっ、キャハハ、それにしてもこんな辺鄙な場所で再び会えるとか~中々無いからねぇ~、凄い偶然だよねぇ~私はかよわい女の子だから~そんな偶然?奇跡とか憧れてるんだよねぇ~、それにしてもどうしてこんな森に来たの~、3人で来たの~、お姉さんは人間じゃ無いよねぇ~、だってザザードスドの知り合いって1回も会った事は無いんだけどさぁ~、あっ、お姉さんがザザードスドの知り合いで私が出会った第1号だよ~、良かったね~おめでとう~お姉さん~それでねザザードスド・・・・・・・・・・」
「・・・・・レイラャッチ」
ザザードスドはローズメルファと向き合うと聞こえにくい挨拶をする、すると話を遮ってザザードスドの知り合い第1号に出会えた嬉しさでテンションが上がっているレイラャッチがザザードスドの背後から飛び出して来て早口で通訳の変わり以上のマシンガントークを始めたので話の途中だがザザードスドに優しく止められる
「キャハハハハハハハ、この別名「あの娘は~空気が読めて~いつも3歩下がってる良い女だよねぇ~」と言われている私とした事が、キャハハハ、取り乱しちゃたね~、ごめんよぉ~ごめんねぇ~、キャハハハ、後は通訳に徹するからさぁ~ザザードスドと赤い髪のお姉さんはお話してちょ~だい~キャハハハハ」
レイラャッチは「やっちまった~」と一瞬考えたがすぐに忘れて誰からも一度も言われた事も思われた事も無い別名でも無い事を堂々と良く動く口から吐き出すと反省0でザザードスドとローズメルファに笑いながら任せる
「すま・ん、ローズメルファ、元・・良す・・・だ」
「キャハハハハハハハ、「すまん、ローズメルファ、元気が良すぎるんだ」って言ったんだよぉ~、キャハハハ、だよねぇ~、私も自分でも元気が有りすぎると思うんだけどさぁ~、けどねぇ~元気が無いより有る方が絶対絶対楽しいに決まってるからさぁ~、だからさぁ~、いつもねぇ~ザザードスドに元気一杯だなレイラャッチて優しく言ってくれるんだよぉ~、私はそれが嬉しいんだよねぇ~、たま~にさぁ~煩いとか言う奴がいるんだけどさぁ~そんな奴は殺せる場所なら殺してやるんだっ、キャハハハハハ、私は自分らしく暮らしてるだけだからさぁ~、邪魔はされたく無いタイプなんだよねぇ~・・・・・・・・・・」
「・・・・・レイラャッチ」
ザザードスドはまた優しくマシンガントークを止める、数秒前の注意された事を完全に忘れているから出来る力技を披露する
「キャハハ・・・・・本当にゴメン、ザザードスドもう我慢するねぇ~、キャハハハハ・・・」
レイラャッチは今度は反省をしていつも元気な笑い方だが少しボリュームを落として笑っている
「う・、良・・だよ、謝ら・・ても大丈・・・らね」
「キャハ、ふうぅ~「うん、良いんだよ、謝らなくても大丈夫だからね」って言ったよぉ~、キャハハハ」
レイラャッチは大きく深呼吸をしてから今度は普通にザザードスドの言葉をローズメルファに伝える事に成功する、笑い方はいつもの「キャハハハハハ」の元気一杯に戻っているが
「あらあら、元気なお連れさんですわね、うふふ、ザザードスド久しぶりにお会いしまして積もる話も沢山あるのですが・・・・・話は後に致しましょうね、うふふ」
「そ・・な、そう・・う」
「キャハハハハハ、「そうだな、そうしよう」って言ったんだよ~、キャハハ」
レイラャッチが通訳を言い終えた時にはウワダとジナミの頭を何かが飲み込んでいた
「うわああああああ、兄貴ぃいいいいいぃ」
ムヤミは突然の出来事に叫ぶ、そこにはウワダとジナミの頭を大きな口で丸ごと飲み込んで背中にへばり付いた状態で食事を始めている1メートル程の2匹の巨大蟻が目に入る
「な、な、何なんだこいつはぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
ムヤミは剣を構えるとウワダの背中にへばり付いている巨大蟻の背中に条件反射で突き立てる、だが巨大蟻は背中に深々と剣が突き刺さっていてもウワダの頭を離さずに大きな口の動きは止まらない
「は、は、離せぇぇぇぇぇぇ、兄貴から離れろぉぉぉぉぉ」
ムヤミはそれから数回巨大蟻の背中や大きな頭を滅多刺しにするとウワダの頭を飲み込んでいた巨大蟻は食事を止めて地面に落ちて絶命する、ウワダの頭は綺麗に無くなっており首の無い体が正面から地面に倒れる、隣のジナミの頭を飲み込んでいた巨大蟻はジナミの腹まで大きな頭が進行している
「あ、あ、あ、あ、あ、あああ~~~~~」
ムヤミは絶叫するとジナミの腹まで食い終わっている巨大蟻の背中に今度は剣を突き立てる、すると剣を突き立てた瞬間に森から新しく出てきた巨大蟻がムヤミの背中にへばり付き頭を飲み込む
「キャハハハハハ、やっぱり死んじゃったよねぇ~、キャハハハ、あれだけ逃げろって教えてあげたのにさぁ~、まっ、しょうがないよね、キャハハハハハ」
レイラャッチは頭の無い倒れたウワダに群がる数匹の巨大蟻、足首しか残っていないジナミを最後まで喰おうとしている背中に剣が刺さった状態の巨大蟻、頭を飲み込まれて手足のバタバタの動きが止まって餌になったムヤミ、訳が分からず巨大蟻から逃げ回るが転んでしまって倒れたトリタールの背中に張り付いた数匹の巨大蟻を見比べながら話す
「あらあら、この場所は巨大蟻のテリトリーだったのですか?」
ローズメルファも人間4人の餌状態を見ながら聞く
「そうだよ~、キャハハハ、宝がある場所には大抵それを守る魔物やモンスターがいるからねっ、ここは巨大蟻がウジャウジャ湧く場所なんだよぉ~、キャハハハ、それにこの森は辺鄙な場所に有り周辺の森の生き物はこいつら巨大蟻に食べ尽くされているからぁ~、久々の餌で巨大蟻も張り切ってるよねぇ~、美味しいそうに食べてるしねぇ、キャハハハハハ」
レイラャッチはパタパタとザザードスドの周囲を飛びながらローズメルファに答える
「あらあら、なるほど~そうなのですね、ですから森の中に入っても誰にも襲われなくてスムーズに辿り着けたのですね、気配も貴方達と人間ともう1つだけでしたからね」
そんな会話をローズメルファとレイラャッチがしていると人間4人を食べ尽くした巨大蟻がこちらに襲い掛かってくる
「ウン、ローズメルファ、アリ、キタゾ」
「ハイ、ドウスル?、ローズメルファ」
トラとオトギも巨大蟻の襲撃を当然察知してローズメルファに聞く
「キャハハハハハ、来た~来た~、巨大蟻来た~~~~、キャハハハハハ、それじゃあスケ達やっちゃておくんなまし~、キャハ」
トラとオトギがローズメルファに聞いてローズメルファが答える前にレイラャッチは黒く塗られて今まで意志も無く立っていたスケルトン5体に声をかける、するとレイラャッチの声を聞いた黒いスケルトン5体は右手の骨だけの手に握られている剣を高く振り上げるとローズメルファやザザードスド達に襲い掛かってきている巨大蟻にカタカタ鳴らして走って突っ込んで行き攻撃を仕掛ける
「あらあら、レイラャッチさんあのスケルトン5体で大丈夫なのでしょうか?」
ローズメルファはウジャウジャ湧いている巨大蟻の集団に突っ込んで意志も無く剣を振って攻撃している5体の黒いスケルトンを見ながら尋ねる
「キャハハハハハ、ローズメルファ~私に「さん」付けとかいらないよ~、もう友達だからねぇ、私もフレンドリーにローズメルファって言っちゃってるしねぇ~、キャハハハハハ~、ザザードスドの知り合いは私の友達っ、キャハハハハハ」
「あらあら、分かりました、レイラャッチそれではそう呼ばせて頂きますわ、うふふ、それであの黒い5体のスケルトン達で大丈夫なのでしょうか?、私には少し厳しいと判断させて頂きますけどね」
ローズメルファはレイラャッチの謎理論「ザザードスドの知り合いは私の友達」にはあえてスルーをして了解してもう1度同じ事を聞いてみる
「ウン、トラモ、ソウオモウ、ホネタチ、ドウナンダ?」
「ハイ、アリ、イッパイ、ホネタチ、ゴ、カズガチガウ、キビシイオモウ」
「キャハハハハハ、トラとオトギもそう思っちゃうんだねぇ~、流石分かっちゃうよねぇ~、ヤバイ奴1号達だからねぇ、キャハハハハハ~、勿論スケ達では無理だよぉ~、キャハハハハハハハ~~~」
レイラャッチはトラとオトギにもフレンドリーに接すると巨大蟻の集団の中央で戦っているスケルトン5体を見ながらアッサリといつもの笑いで答えていた