第193話 途中の森4
「ただいま~、キャハハ、アイツらやっぱ死にたいって、キャハハハハハ」
レイラャッチはザザードスドの元に戻ると元気良く話す
「そう・・・・、残念・な、ご苦・・・た」
ザザードスドは黒ローブから覗く目で見て話す
「うんっ、全然残念じゃないし苦労もしてないよ、キャハ、だってアイツら頭の中が宝の事で一杯だもん、死んじゃうのにね~、キャハハハハハハハ」
レイラャッチは大爆笑しながら楽しそうにザザードスドを見て笑っている
「ウン、ソロソロ、ツクゾ、コレガサイゴノキダ」
「ハイ、ヤットツク、ミンナ、イル、ウレシイ、ウレシイ」
トラとオトギは森の木々の中を真っ直ぐに殴る蹴る踏み潰すで進んで来て最後の1本をトラが右パンチでオトギが左ラリアットを同時に決めると森を抜けて中央の広場に出る
「やれやれ、トラとオトギご苦労様でしたね、うふふ、私は後を歩くだけで楽をさせて頂きましたね」
ローズメルファも広場に足を踏み出すとトラとオトギに労いの言葉をかける
「ウン、キニスルナ、トラ、ナグルケル、スキダ」
「ハイ、オトギ、オニイチャントオナジ、スキ」
トラとオトギは広場にいるウワダ、ジナミ、ムヤミ、ザザードスド、レイラャッチ、黒いスケルトン5体を視界に入れた状態で前を向いたまま嬉しそうに話す、ローズメルファも当然いつもの笑顔でトラとオトギと同じ目標を見ている
「うわっ、何だ何だ~さっきから変な音がしていたと思っていたが大男2人と女が森の中から飛び出して来やがった・・・・・」
今まで何も出来ずにザザードスドの横でオブジェの様に固まって突っ立っていたトリタールは最後の木の衝撃音と倒れる音に反応してトラとオトギとローズメルファの姿を確認して尻餅を付いて驚きながら叫ぶ
「キャハハハハハハハ、まずヤバイ奴1号が来ちゃったね、ザザードスド、キャハハ」
「あ・あ、そ・・な」
レイラャッチが嬉しそうに笑いながらトラとオトギ、ローズメルファを確認して喜ぶとザザードスドは冷静に観察する
「・・・・・アイツらがあの羽女が言っていたヤバイ奴の1組目だな・・・・・」
「あ~あ、確かにアレはヤバイな・・・・・、チッ、前の2人の大男だけでも見ただけでヤバイな」
「これはこれは~もしかしたら逃げとけば良かったのかな~、でも一生遊べるだけのお宝も捨てがたいしな~これはもう腹を括って出たとこ勝負だね~、あの羽女が100%死ぬって言うのも頷けるかな、ハハハハハ」
ウワダ、ジナミ、ムヤミの順番でトラ、オトギ、ローズメルファ3人の全身を見てから感想を呟く
「あらあら、うふふ、トラとオトギ少しお時間を私に頂いても宜しいでしょうか?」
ローズメルファは森の広場にいる3人の人間、黒いローブ姿、飛んでる女、黒いスケルトン5体を見渡してから少し笑うと話す
「「ナンデダ?、ハヤク、コロス、シタイ」」
トラとオトギは綺麗にハモってローズメルファに聞き返す
「はい、途中からもしかしたらと思っていたのですが、黒いローブ姿の方は私の古い古い知り合いだと思いますので、うふふ、トラ、オトギですから少し我慢して頂けると嬉しいですわ、後飛んでいる女の方と黒く塗られておかしな姿のスケルトン5体は私の知り合いの仲間みたいですしね、それと人間の方々は良い人か悪い人か判断してからですよ、ギーラに怒られますからね、うふふ」
「ウン、シリアイ、ソレハ、トモダチナノカ?」
「ハイ、ギーラ、オコル、ダメ、オトギ、ガマンスル」
「う~そうですわね~、友達といえば友達ですかね」
「「ワカッタ、ソレナラ、マツ、ローズメルファ、イケ」」
また綺麗にハモる
「はい、ワガママを言って本当に御免なさいね」
「ウン、ダイジョウブダ、コロス、スコシ、ガマンスル」
「ハイ、スコシノアイダ、ダマッテ、ローズメルファノ、ウシロタツ、オトギ」
「はい、それで宜しくお願い致します、それでは行きますね」
ローズメルファはトラとオトギにそう言うとスタスタ集まっている所に歩いて行き、トラとオトギも無言でその後に続く
「キャハ、あの女と大男2人がこっちに歩いて来てるぅ~、どうする?殺す、先に動いてダメージ与えた方が少しは楽に戦えそうだよ~、キャハハハハ」
レイラャッチは指を刺してザザードスドに少しテンションを上げて話す
「嫌・・・・・よ、あの・・・・・・あ・だから」
「ええええええ~、そうなんだ~あの赤い髪の女ザザードスドの知り合いなんだぁ~、あっ、もしかして~昔の女とかぁ~、キャハハハハハ~、こんな辺鄙な場所で出会うとか~運命って怖いようでぇ~素敵だよねぇ~、キャハハハ、よっ、このっ、今日のラッキーランキング1位おめでとう~、キャハハハハハハハ」
「嫌・・う、そんな・・・無い」
「キャハハハ、えっ、違うのね・・・キャハハハ、それじゃあ~ラッキーランキング1位は無しにするんだからねぇ~、キャハハ」
レイラャッチが笑っているとザザードスドは歩いてくるローズメルファの方に向かって歩き出す、それを見たレイラャッチはまだ笑いながら自然と後に続いて黒いスケルトン5体もカタカタ全身の骨を鳴らして動き出す
「来たぞ、気合入れろよ」
「「任せとけっ」」
ウワダはローズメルファ、トラ、オトギが歩き出すのを確認するとジナミ、ムヤミに声をかけて剣を構える
「始めましてご機嫌よ~、みなさん横通らせて頂きますね」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
だがローズメルファは3兄弟の横を通り過ぎる時に笑顔で会釈をすると何もせずに素通りして、トラとオトギも無言でチラッと見るだけで素通りする
「・・・・・一体どういう事だ?」
ウワダはいつもの笑顔で横を通り過ぎたローズメルファに戸惑いながら右手に持つ剣を向けて聞く
「はい?」
ローズメルファは動きを止めてウワダの顔と向けられた剣を見て聞き返す
「何故何もしないで通り過ぎるんだ?」
「あらあら、私達があなた様達に何かする理由が御座いますか?」
「・・・・・えっ?、俺達を殺りに来たんだろう?」
「うふふ、いえいえ、どうして私達があなた様達に危害を加えなければいけないのでしょうか?、あなた様達が突然森から飛び出して来てトラとオトギの体格や風貌や私を見て警戒されるのは十分分かりますので剣を構えて身構えるのは当然な反応ですからね、うふふ」
「あ~あ、そういえば冷静に考えればお前の言うとおりだな、では俺達とは争わないと言う事か?」
「はいっ、私達はあなた様達とは争う気はまったく御座いませんわ、こちらのトラとオトギも・・・あっ、自己紹介が遅れましたわね、申し訳御座いません私がローズメルファでこちらの相棒がトラとオトギですわ、宜しくお願い致します、ですが私達からはあなた様達には何も致しませんが何かをあなた様達がされるのなら分かりませんよ、うふふ」
ローズメルファは自己紹介で軽く頭を下げて、トラとオトギは無言で3兄弟を見ている
「あ~あ、分かった、とりあえずお前の言う通りだ納得した、それとワザワザ自己紹介すまない・・・俺がウワダで後の2人がジナミとムヤミだ」
「・・・・・・・・・・」
「宜しく~ゴメンね赤い髪のお姉さんローズメルファだったよね、いきなり剣を向けてしまって・・・・・さっきお姉さんも言ってたけどこれはもう体に染み込んだ条件反射なんだよね~許してね」
ウワダもローズメルファ達の自己紹介を聞き終わると自分とジナミとムヤミを紹介する、ジナミは無言でローズメルファとトラとオトギから視線を外さないでいて、ムヤミはローズメルファに軽い感じで話しかける
「はい、まったく気にしておりませんので大丈夫ですよ、それとそこでお座りになっている方ズボンが汚れてしまいますから早く立ち上がった方が宜しいと思いますよ、うふふ、それでは失礼致しますね」
ローズメルファはムヤミに話し終えるてまだ尻餅状態でキョロキョロ呆然と会話を聞いていたトリタールの視線を向けるといつもの笑顔で優しく声をかけて3兄弟にまた軽く会釈をして歩き始める、トラとオトギも一瞬チラッと尻餅状態トリタールを見て3兄弟から視線を外すと無言でローズメルファの後に続く