第19話 死んでいる人
食事も終わりアカレオの町を目指す為にその途中にある村をに向かう 人や馬車が多く往来して人の足や馬の足や車輪などで自然に出来たようで未舗装の道を北に進みながらのんびり横並びで歩いている
「あ~あ 平和が1番やね~」
ギーラが2人に話しかける
「ウン ヘイワスキ ケド トラ コロススキ」
ギーラは心の中で(どっちやねん)っと突っ込んで
「ニャ そうだニャ 私はニャ 何でもいいニャ」
ギーラは心の中で(なんやそれ )っと突っ込んでおく
「後どれぐらいで最初の村に到着出来るかな」
ギーラは話しを変える
アカレオの町までの地図は無くただひたすら歩き続ける 2週間ぐらいで着く以外は情報が0である しばらく歩くと前方から1人の小柄な人物が歩いてくる 今までもたまに人や馬車などとすれ違いあまり気にせず 雑談をしながら歩き続けて横を通り過ぎる時にフッと何気なしに見てみると その小柄な人物はブツブツ独り言を言いながら歩き目がギーラ達と合う その目は真っ白で黒目が無く黒のフードを目の上まで被りその下から目と口だけが見え口はブツブツ言っている 着ているフード付きのローブは大き過ぎて体を十分に纏い小柄の体全身を隠せている 裾は地面に擦れてボロボロになっており破れた状態で進んでいる そのまま通り過ぎた所で後ろから話し掛けられる
「こんにちは~」
高く元気な明るい少年の声で
「はい こんにちは 何ですか?」
ギーラ達は後ろを振り返りながらギーラは少年なんだと思い歩みを止まる
「アカレオの町まで行くのですか?」
黒目の無い笑顔でギーラの目を真っ直ぐ見ながら聞いてくる ギーラは目は見ていてるんだなと思い この異世界の住人は片腕片足の無い者 目や鼻や耳が無い者 ましてや人間じゃ無い者 色々な住人が暮らしていて そのような人々とも今まで出会いこの旅の途中でも話してきたので 一瞬黒目の無い笑顔に驚いたがすぐに普通の考えになり
「あっ はい アカレオの町まで行こうと思っています」
黒目の無い少年に答える
「そですね 後3、4日ぐらいでアカレオ町の途中の村に着くと思いますよ」
「そうなんですね それはありがたい情報です 何も知らずに出発したので助かります」
ギーラは軽く頭を下げて礼を言う
「ニャ 何でお前ニャ 1人なんだニャ?」
シルキャドが不思議そうに同じぐらいの身長の少年に突然聞いてくる トラは無言で両腕を胸で組んで少年を見つめている
「はい そうですね 昔から1人が好きなので理由は特に無いですね」
「ニャ そうなんだニャ 1人は寂しくは思わないのかニャ?」
「はい 全然大丈夫ですよ 1人は慣れましたから平気ですね」
「ニャ そうかニャそうかニャ それならいいニャ そのローブ厚く無いのかニャ?」
シルキャドが少年のローブを指差しながらこれも不思議そうに聞く
「このローブですか 暑くは無いですよこう見えて通気性は大丈夫ですよ」
少年は着ているローブを触りながら答える
「ニャ それとニャ それとニャ 何でニャ ブツブツ独り言で歩いてたニャ 凄くニャ 目立ったニャ?」
シルキャドは天然か純粋なのか土足でドンドン不思議に思った事を聞いている
「ははは そうでしたか? まったく気付きませんでした 考え事をすると昔から独り言が出るみたいで ははは これからは気を付けようかな? ははは」
少年は笑いながらフードの上から頭をポリポリ掻く
「ニャ 別に気を付けなくても大丈夫ニャ お前の自由だニャ 人に迷惑かけて無いからニャ 全然いいニャ」
シルキャドは自分から質問したのを忘れたかのように いいニャいいニャ と慰めている
「はい 分かりました では続けさせて頂きますね独り言 ではお時間を取らせました僕はそろそろ行きますね 失礼します」
そう言いカレダー町方向に向かい進み出そうとする少年に
「ニャ 最後にニャ最後にニャ 聞きたいニャ 何でニャ 息も呼吸もして無いニャ 足音も無しでニャ この荒れた道良く歩けるニャ?」
トラも無言で頷いている ギーラは驚いた顔で少年を改めて見直す シルキャドは不思議顔全開で首を傾げながら聞いている 歩いて来た道は未舗装で一応車輪の跡なので道とは認識できるが 小石が落ちており滑りやすく 凸凹で歩きにくく足音無しでは歩きにくい環境である そして少年も小柄で見た目はシルキャドと同じぐらいの体格でシルキャドもたまには滑っていて 歩きにくいニャ と言っていた それに少年は動いていて話も出来たので息や呼吸もしていると思っていた
「ほほう 良く分かりましたね そちらの大きなゴブリンの方もお気づきでしたか ですが その質問の答えは秘密でお願いします すみません」
少年は笑顔を浮かべながら答える
「ニャ 良いニャ 良いニャ 気にするニャ 聞いただけニャ アッ 所で名前何ていうニャ? 私はシルキャド こっちの筋肉ムキムキはトラ で最後に残ったのがギーラだニャ」
シルキャドは少年に向かって自己紹介をしてから仲間達を自己紹介をして 最後の ギーラだニャ の所でつっこみ待ちの笑顔でギーラを見る
「誰が残り者やねん リーダーやワイはリーダーやないか~~~い・・・・・うんうん シルキャド腕上げたな」
とシルキャドのフリに乗って突っ込んで腕を上げた事に喜んでから バッチリ決まった所でギーラとシルキャドはイェーイとハイタッチを交わすトラはウンウン頷いている
「ハハハ 仲良しなんですねみなさんは仲良しはいい事ですよね 僕の名前はアンデルケスです またお会いしたいですね それでは失礼致します」
そう言うと少年アンデルケスは頭を下げてからカレダー町方向に向かって歩いて行く
「ニャ またニャ~ アンデルケス~ 良い旅をするニャ~」
アンデルケスの後姿を見送りながらシルキャドはブンブン両手を振っている トラは無言で両腕を組んで見つめている ギーラは考え事をしながら見送る
「なあ どうして息と足音気付いたの?」
アンデルケスの姿が見えなくなり3人で歩き出しながらギーラは話す
「ニャ 何となくニャ ブツブツ独り言話して横通る時もアンデルケス息と足音無かったからニャ」
「ウン トラ ケイカイシタ ケド アンシン」
「ニャ そうだニャ アンデルケス 多分良い奴だニャ これも何となくだけどニャ ニャハハハハハ」
「ウン アイツ シンデイル イキテナイ」
「ニャ トラも思うかニャ 私も思ったニャ けど良い奴だからニャ 何でも良いニャ ニャハハハハハ」
「ウン キケンナイ コウゲキゼロ ミンナアンシン」
トラとシルキャドが言うにはアンデルケスはギーラ達には危害を加える恐れは無く後死んでると
「そうなんやね けど不思議な少年やったな それにしても死んでるとかどんな感覚なのかな~ 死んでから生きている人々が多く住んでいる世界で行動するとか想像出来やんね」
「ウン トラモワカラナイ シンダラ キエルオモウ」
「ニャ 私も分からないニャ まだ死んで無いからニャ ニャハハハハハ」
それからしばらく死んでからの話しも終わり雑談をしながら歩き続け モンスターの襲撃や野生動物の襲撃を撃退しながら 4日程日数を経てアカレオの町に向かう途中の村がギーラ達の目に入り喜びながら村に進んで行く
一方アンデルケスはギーラ達と別れてからしばらくして歩いてから後ろを振り返り 楽しそうな3人の後姿を見届けてからカレダー町方面に歩き出し指をパチンと鳴らす
「仲良しの人達でしたね 復活して初めて話せたのがあの人達で良かったですよ」
言いながら指を鳴らした人差し指に乗る小さな蝙蝠に話しかけ
「少し興味があります あなたはあの人達に見付からないように そして決してお邪魔しないようにして何か面白い事があれば私に教えて頂けますか?」
アンデルケスは人差し指に乗る小さな蝙蝠に聞く
「はい アンデルケス様 畏まりました」
小さな蝙蝠は深々と頭を下げる
「ではお願い致しますね 楽しみにしていますよ」
笑顔で小さな蝙蝠に言う
「はい では行って参ります」
そう言うとギーラ達のいる方向に羽を広げて静かに飛んで行った それを見送ってからアンデルケスはカレダー町方向にブツブツ独り言う言いながら歩き出した