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俺とゴブリン達と猫娘と極めてる少女  作者: ありがとう君
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第187話 孫を見る祖父のような穏やかな心境

「・・・それで・・・ホワイトアイルが・・・は、は、はんに・・・いえ・・・どうして・・・私達の馬車を見る・・・理由なのですか・・・ギーラ・・・?」


レーンアイルはまだ苦手な笑顔状態とホワイトアイルの犯人扱いを少し引きずりそうだったが何とか堪えてギーラに聞く


「うん、それはね町の人達を見てごらん、レーンアイル」


ギーラは名探偵の指差しスタイルもいつのまにか止めてレーンアイルに話しかける


「・・・はい・・・分かりました・・・見てみます・・・」


レーンアイルはそう言うと緊張を我慢して御者台の席から町の人々を観察する、すると町を通行してる人、商売をしている人、その場で立ち止まって談笑している人々はホワイトアイルの顔と上半身はゴリラで下半身は4本足の馬で見上げる程の体格のゴリラ馬ケンタウロス姿が、右手1本で太い鉄のチェーンを握り締めその先に連結している大型な馬車を引っ張り、それに満面な笑みで目をキラキラさせている姿に


「なんやこいつ・・・笑ってるよ・・・」


「でかっ・・・それに上半身がゴリラで下半身が馬って・・・」


「握ってるチェーンも物凄く太いけど・・・右手1本であの大きな馬車を引っ張ってるよ・・・」


「ね~パパあの馬車を引っ張ってる人はお馬さんの真似をしているね~」


「フフフフフ、あの男やるな、俺も本気を出せば楽勝だけどな、ファハハハハハッッ」


などのホワイトアイルの異様な姿と行動とキラキラ笑顔にまず驚いてから


「へえ~馬車には若い男と女の子が乗っているのか~」


「こんなにデカイ奴を使っているのは・・・・・なんだあんな若造と女の子なんだな」


「ふう~驚いた・・・・・それで誰が馬車に乗ってるのかな?、意外と普通の人だな」


「ね~パパあの馬車に乗っている男の人と女の子はお馬さんをお家に忘れてきたのかな~」


「フフフフフ、そうなると馬車に乗っているあの男は珍しい4本腕だし女も恐ろしい笑顔だから中々やるはずだな、しかし俺が本気を出せば楽勝だけどな、ファハハハハハッッ」


などの町の人々の視線はホワイトアイル→→→ギーラとレーンアイルと当然の流れで2人は御者台に座っていたので自然に視線を浴びていた


「・・・なるほど・・・そうですね・・・ギーラが言う通りですね・・・」


レーンアイルは町の人々が自分を見ている事を改めて確認して完全に顔を隠して下を向いて小さな途切れ途切れで話す


「でしょ・・・・・って・・・・・これは結構恥ずかしいな・・・・・」


ギーラもレーンアイルの言葉に返事をすると町の人々に囁かれ指を刺されるのを目の当たりにしてレーンアイルと同じ様に顔を隠して下を向く


「よしっ・・・・・レーンアイルもう少し辛抱しよう・・・・・今は耐える時間・・・・・そう今は耐える時間やから・・・・・出口の門までは耐えるんや・・・・・」


「・・・はい・・・」


「・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・」


ギーラは下を向くとボソボソとレーンアイルにだけ聞こえる声で言うと後は無の心でやり過ごす事を心に誓って口を閉ざす






「は~い、僕はホワイトアイルだよ、楽しくて楽しくて仕方が無いんだよ」


ホワイトアイルは御者台に座って心を閉ざして我慢する事にしたギーラとレーンアイルの気持ちなど、馬車を引っ張る嬉しさで気付くはずも無く町の人に声をかけられると恐ろしい事に少し馬車の速度を緩めてキラキラ笑顔で返事をしている


「そうだよ、僕がホワイトアイルで後ろに座っているのがギーラとレーンアイルで客車の中にはまだ相棒はいるんだよ」


ホワイトアイルは町の人の質問には御丁寧にキッチリ余計な事も返事をしている、勿論キラキラ笑顔は忘れていない


「そんな事は無いよ、僕は力持ちだからこれぐらいの馬車は全然平気だよ」


「うん、ありがとう、また町に戻って来たら会えるといいね」


「そうなんだよ、今日が初めてで物凄く嬉しいんだ、だから笑っているんだよ、楽しくて楽しくて仕方が無いんだ」


ホワイトアイルはもう町の人とガッツリ会話を楽しんで超スローペースで馬車を進める、ギーラとレーンアイルの2人にしてみたら地獄の時間がしばらく続くと町の出口の門が見えてくる


「よ~し、もうすぐ町から出るから速度上げても良いかな?ギーラ」


出口の門が近付くと町の人々も少なくなり、話しかけて来る人もいなくなるとホワイトアイルはギーラに聞いて来る


「・・・・・うん、別にええけど・・・・・町の門を出て少し進んだら一旦止めてもらえるかな・・・・・」


ギーラはホワイトアイルの声で長い時間の無の心から回復すると顔を上げてホワイトアイルに注意するために馬車を止める様にお願いする、レーンアイルも少し遅れてやっと顔を上げると小さく深呼吸している


「うん、分かったよ、スペースを見つけたら馬車を止めるね」


ホワイトアイルは返事をする、そしてスグラアゼースの門の横に立つ守衛にもホワイトアイルは当然質問に答える御丁寧な時間が過ぎ去る、それから町の門を通り少し進むと丁度良いスペースを発見してホワイトアイルは馬車を止める


「ホワイトアイル、ちょっとええかな?」


ギーラは馬車を降りると近付いてホワイトアイルの顔を見上げながら聞く


「うん、いいよ」


ホワイトアイルは息を1つも乱さず右手に持つ鉄のチェーンを握ったり離したりを繰り返して感触を楽しみながらギーラを見下ろして返事をする


「ホワイトアイル、馬車を引っ張るのは楽しそうやね」


「うん、とてもとても楽しいよ、ギーラありがとう、僕に馬車を引っ張らせてくれて」


「楽しそうやもんね、見てたら分かるよ・・・・・」


「そうだよね、僕この姿に変わってとてもとてもレーンアイルや相棒達に感謝しているのに、それだけでも嬉しいのにこの姿のお陰で馬車を引っ張るのがこんなに楽しいとは信じられないぐらい幸せなんだよね」


「・・・・・うん、楽しそうやもんね」


「そうなんだよ、馬車を引っ張っていると見える景色も素晴らしくて体の底から楽しさが溢れてくるんだ」


「・・・・・うん、そうなんやね」


「それにね、前のクマの姿の時はレーンアイルと執事のランカッツの3人で屋敷で暮らしていて屋敷の外の事はランカッツに教えてもらうか本を読んで知るぐらいだったので、それなのに今はギーラや相棒達、町の人々とも触れ合えて話も出来る事が夢みたいなんだ」


「・・・・・そうなんですね」


「うん」


ホワイトアイルはギーラの目を見て嬉しそうな笑顔とキラキラした目で元気一杯に返事をする、ギーラは地獄の時間の事を注意をする為に馬車を降りるがホワイトアイルの話を聞いて「そうなんですね、そこまで嬉しかったのですね、分かりました」と心の中で納得するとギーラは地獄の時間の事は「うん、忘れよう、あれぐらいは何でも無いですね」と注意する気持ちが一瞬で変わって孫を見る祖父のような穏やかな心境でホワイトアイルを見上げる、レーンアイルも2人の話を聞いていてギーラと同じ孫を見る祖父のような穏やかな心境でホワイトアイルを温かい目で見つめている


「そりゃそうやで、ホワイトアイルを見てたら嬉しさと楽しさが伝わるのが分かるよ、これからも馬車を引っ張る事を改めてお願いしようと思ってわざわざ馬車を止めてもらったんやよ」


ギーラは穏やかな心境でホワイトアイルに優しく微笑んで言う


「うん、本当にありがとう、これからもギーラやレーンアイルや相棒達の為に精一杯馬車を引っ張るね、僕に任せてくれてありがとう」


ホワイトアイルはまたキラキラした目と元気一杯に返事をする


「それじゃあ~、話も終わったし馬車の事はホワイトアイルに任せるからそろそろ出発を再開しようか」


「うん、そうしよう、僕も早く馬車を引っ張りたいからね、えへへへへへ」


ギーラがそう言うとレーンアイルは小さくコクコク2人の話に納得して頷いていて、ホワイトアイルは嬉しそうに照れ笑いをして定位置に戻ると右手に持つ太いチェーンに力を込めて握ると馬車がゆっくり進みだして動き始める








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