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俺とゴブリン達と猫娘と極めてる少女  作者: ありがとう君
186/250

第186話 犯人はあいつだ

「従業員さん、馬は無しで大丈夫なので客車の場所を教えてもらえる」


ギーラは馬車屋の建物に入ると従業員を見つけて声をかける


「えっ、ギーラさんどういう事ですか?」


従業員は不思議そうな顔でギーラに聞き返す、ギーラは先ほどホワイトアイルと話をした事を従業員に説明する


「ははは、なるほどそうなんですね、確かにお仲間に上半身はゴリラで下半身は馬の姿の方がいらっしゃいましたもんね、分かりました客車はこちらです、ギーラさん」


従業員はギーラの説明に納得するとギーラを建物の裏側にある客車の置き場所に案内する


「こちらが客車置き場です」


「分かったありがとう、何か無理言ったみたいでごめんね」


「いえいえ、大丈夫ですよ」


「それじゃあ、後はこっちで準備すらからありがとうね」


ギーラは従業員に話をして建物の外にホワイトアイルを探しに行く


「お~い、ホワイトアイル客車はこっちやからすぐに準備してくれ・・・・・」


ギーラはホワイトアイルを見つけて声をかけるが凄い落ち込みに言葉が止まる


「お、お、おう、ど、ど、どうした・・・・・さっきまでの元気は何処で無くしたんや・・・・・」


落ち込んだホワイトアイルと傍で必死に慰めているレーンアイルの目の前に来てギーラは聞く


「・・・うん・・・ホワイトアイル・・・ちょっと・・・ショックを受けちゃって・・・」


「んっ、どういう事?」


「・・・うん・・・シルキャドの・・・お話を・・・聞いて・・・」


「・・・・・そうか・・・それはしゃーない・・・しゃーないんや・・・事故や・・・いや・・・天災やから・・・諦めるしか無いな・・・うん・・・諦めるしか無いな・・・」


「・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・」


レーンアイルがギーラに向いて話をするが、ギーラは「シルキャド」のワードが入った時点で即座に全てを悟って空を見上げて哀しい声でそっと呟く


「・・・・・だよね・・・そうだよね・・・だから・・・ホワイトアイル・・・忘れよう・・・そして前を向いて・・・客車を引っ張ろうね・・・」


「ウホ・・・・・うん・・・分かった僕負けないウホ・・・こんな事ぐらいでは・・・僕は負けないよ客車を精一杯引っ張るね・・・レーンアイル・・・ウホウホ・・・」


「うん、そうや、その気持ちが大事やから・・・ホワイトアイル頑張るんやで」


ギーラがそう呟くとレーンアイル、ホワイトアイルはギーラに向き直り視線を合わせて無言で数回頷いて励まし合っている







ホワイトアイルはシルキャドショックからしばらく時間が経ちメンタルが少し回復すると、馬車屋の裏側に移動して客車置き場から太い鉄のチェーンを握り締めた連結スタイルでホワイトアイルが半分嬉しそうな顔と半分悲しそうな複雑な表情で登場する、それから何事も無かった様にトラとオトギがいつもの様に慣れた感じで荷物を積み込んで出発の準備が完了する


「ウン、オワッタ、ギーラ」


「ハイ、オトギモ、オワッタ」


トラとオトギが積荷完了の報告をギーラにする


「おっ、そうかそうか、ありがとね、それじゃあ出発しようかな」


ギーラはトラとオトギに礼をして他の相棒達とヘビージョに聞こえる様に言う


「ニョロ、それじゃあ宜しくお願いするニョロ、トラとオトギはニョロ、積み込みが上手なんだニョロ~」


ヘビージョはトラとオトギのテキパキ積み込みに感心して客車に乗りながら赤い舌をチロチロさせて話す


「ウン、ソウダ、トラ、ジョウズ、エッヘン」


「ハイ、オトギ、ギーラノタメ、ヤル、エッヘン」


トラとオトギは褒められて嬉しそうに胸を張るエッヘンポーズで返事して客車に乗り込む


「トラ、オトギご苦労様でした、それでは私も客車に乗車致しますわ」


ローズメルファもトラとオトギに礼を言い客車に乗り込む


「ウン、ノレ、オワッタ」


「ハイ、シュッパツ、スル、ノレ」


トラとオトギは返事をローズメルファに返す


「ニャ、お前達ニャ、早く乗るんだニャ、今から楽しい楽しい馬車の旅が始まるからニャ、けどニャ、この客車を引っ張るのが馬さん達じゃ無くてニャ、ホワイトアイルだけどニャ・・・・・馬さん達じゃ無いのは少し残念だけどニャ、けどニャ、私は別に良いんだニャ、だってニャ、馬車の旅が好きだからニャ、ニャハハハハハハハハ」


トラ、オトギ、ローズメルファ、ヘビージョが客車に乗り込むと、すでに嬉しくて客車の奥に乗っており誰も聞いていないが早口で話し終えると1人で大爆笑して客車を満喫していた


「「「「・・・・・・・・・・」」」」


トラ、オトギ、ローズメルファは勿論無言でスルーして空いてるスペースに座り、ヘビージョも大人の蛇女なのでその空気を素早く察知して勿論スルーで腰を下ろす


「ニャハハハハハハハハハハ、楽しみニャ~、楽しみニャ~、ニャハハハハハハハハハハ~」


シルキャドはそんな空気などまったく感じずに大爆笑は終わらない


「よしっ、みんなも乗り込みOKやね、レーンアイルはそこでええの?」


ギーラは御者席に乗り込み客車の相棒達を確認すると隣でチョコンと座るレーンアイルに聞く


「・・・はい・・・私はここに座ります・・・」


「やっぱホワイトアイルの近くがええもんね」


「・・・はい・・・近くが安心します・・・後ろの客車の方が・・・良いですか?・・・」


「いやいや、全然ええよ、好きな所に座って」


「・・・はい・・・」


「それじゃあ、ホワイトアイル宜しくね、では準備Ok~ヘビージョの村まで出発進行~」


ギーラはホワイトアイルにお願いをして、ホワイトアイルのシルキャドショックから回復したと思われる嬉しそうなキラキラしたゴリラ顔の両目を見て安心して出発する、客車からはトラ、シルキャド、オトギの少し遅れた「出発進行~~~」の綺麗にハモった合いの手が聞こえてきたが余裕でスルーをしていた






「・・・町の皆さん・・・見てきます・・・」


しばらくスグラアゼースの町中をゆっくりと出口の門に進んでいるとレーンアイルが下を向いて恥ずかしそうにギーラに話しかける


「・・・・・そういえばそうやね・・・なんでやろ・・・???」


ギーラはレーンアイルに言われて町の人の視線を感じる


「・・・私は・・・分からない・・・」


「そうやね・・・俺もさっぱりわからんわ・・・」


それから町の人の視線を感じながらしばらく進んでいるとギーラは「あっ」と声がでる


「・・・どうしました・・・ギーラ・・・?」


レーンアイルはまだ下を向いていたがギーラの声に驚いて顔を上げてギーラに聞く


「うん、分かった俺分かったよ」


「・・・何が分かったのですか・・・?」


「うん、なんで町の人が俺達をめちゃくちゃ見てくるかが分かったよ」


「・・・何故ですか・・・?」


「うん、この奇妙な現象の犯人はあいつだっっっ・・・ホワイトアイルだっ」


ギーラは右手の人差し指を馬車を楽しそうに笑顔で引っ張るホワイトアイルを、漫画やアニメで名探偵が謎を解いて犯人を指差すみたいにビシッの効果音が付くぐらいの勢いで指す


「・・・犯人・・・ホワイトアイル・・・何も悪いことしてない・・・」


レーンアイルは名探偵のそのノリを当然まったく知らないので悲しそうにまた下を向いてしまう


「あっあっあっ、ごめんごめん、冗談やから冗談やから・・・・・何て言うか・・・・・俺が完全に調子乗っただけやから・・・・・ごめんなさいレーンアイル、勿論ホワイトアイルは悪い事もまったくしてないし犯人でも無いからね・・・・・本当にごめんなさい・・・・・」


ギーラはスローモーションで見えた悲しい顔になり下を向いたレーンアイルを心の底から慌てながら真剣に謝り、自分の大事な相棒を傷つけた言葉に猛反省する


「・・・はい・・・分かりました・・・ギーラ・・・謝ってくれたから・・・もう大丈夫です・・・」


レーンアイルは顔を上げると苦手な笑顔でギーラを許す


「う、う、うん、本当にごめんやった・・・・・以後気を付けます」


ギーラはもう1度レーンアイルに謝っている













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