第18話 猫娘狩りゴブリン食う
3人仲良く右からトラ 真ん中ギーラ 左にシルキャド が謎の消滅をしたカレダー町から北に向かって歩いて移動中である
「あの~ チョットよろしいかの~・・・」
「ギャギャギャギャギャギギギギギギギャグギャグギャグギャグギャグ」
「ニャニャニャニャニャニャニャコニャコニャコニャコニャンニャンン」
ギーラの両隣のムキムキゴブリンと猫族の小娘は 鼻歌のサビの部分であろう所の音程を高低させたり首を上下に揺らしたり 気分良くノリノリで目を瞑りながら幸福感たっぷりに歌われておりギーラの話をスルーしながらアカレオの町の途中にある村を目指している
「あの~ トラさんやシルキャドさんや少しお話させてもらってもよろしいかの~・・・」
ギーラが2人にお伺いを立てる
「ギャギャギャギャギャギャギャギグギグギグギグギグギギギギグググググググ」
「ニャンンンニャンンンニャニャニャニャニャニャンンンンンニャンンンンニャ」
2人の鼻歌は誰にも止められない
「あの~歌詞微妙に変わってますやんって・・・・・・・・・・・どうでもええわ ハイ ストップストップストップ~~~」
ギーラはボクシングのレフリーがKOで試合を止めるみたいに両腕を頭の上で交差させる
「ウン ギーラ ドウシタ」
「ニャ ギーラ どうしたニャ まさか敵ニャ 敵なのニャ 私が透明化でニャ ザクッとニャ 後ろからニャ やっつけてニャ さあ・・・・・・・・・・」
ギーラは天然が終わらないシルキャドの尻尾を掴むと 尻尾はダメニャ 尻尾はダメニャ と小声で言いながら大人しくなる シルキャドの尻尾から手を離すとトラは尻尾を掴んでいたギーラの手から目を離しこちらを向き シルキャドは顔を赤くしながらこちらを向く
「コホン お楽しみの所悪いが話聞いてくれるかな」
咳払いをワザと大きくしてから
「ウン トラキク ナンデモイエ」
「ニャ 聞くけどニャ 尻尾はダメニャ 尻尾はダメニャ」
「トラも鼻歌上手なのは分かったけど話はすぐ聞く事 それとシルキャド言う事聞かない子は尻尾を掴むこれ俺流 分かりましたか」
「ウン トラ ハナウタ ジョウズ エッヘン」
トラは上手と言われて注意された事は完全に忘れて喜び答えて
「ニャ 分かったニャ 分かったけどニャ 尻尾掴まれるとニャ 何かニャ 何かニャ フニャっとなってニャ 恥ずかしいニャ」
シルキャドは顔をまだ赤くしながら答えて
「じゃ シルキャドは話を聞きなさい じゃなきゃ何回も掴むから」
「ニャ 分かったニャ・・・」
二人が聞く体勢になったのでギーラは大きく頷きながら
「じゃ聞いてね カレダーの町は大変な事になってその理由も原因も今は分からないけど時間が経てば分かると思うので少しの間後回しにするね 2人共思い出があると思うが今は我慢して俺も我慢するから そして新しい目的が出来たので今は北のアカレオの町に向かいます アカレオの町に行くには途中の村を何箇所か通り寝泊りや生活用品を購入しながらになると思うし 今までより長旅で2週間ほどかかるから気を引き締めて行きましょう」
ギーラは真面目な顔で話し終える
「ウン トラ ワカッタ シッカリネル」
「ニャ OKニャ 長旅だニャ しっかり楽しむニャ 心配するニャ」
2人の返事に 天然かボケているのか一瞬ギーラは悩んだが 天然ですよね うん天然です 1人で無理矢理納得させて一応 分かったとOK 言っていたので大丈夫でしょうと思い ギーラのスペシャルスキル 何とかなるでしょ を発動させ自分の中で終了の大文字を出して話だす
「次の村まだはどれくらいかかるんかな~ トラ分からんよね?」
ギーラがトラに聞く
「ウン」
「まあ 急ぐ旅でも無いしのんびり行ってもええけどね」
「ウン」
「この世界の村とかどんなんやろね」
「ウン」
「ん? トラどうした? 元気ないね」
ギーラがトラに振り向く
「ウン トラ ハラヘッタ」
トラは筋肉ムキムキの大きな体を丸めてお腹を抑えながらのお決まりのポーズを取りながら子犬のような目でギーラを見てくる
「ははは いきなりかい・・・ さっきまで普通やったやん・・・ 分かりやす過ぎやな ははははは」
ギーラは子犬のような目を見ながら答える
「ウン」
「そういえば トラ最近生肉食べて無いしな~ カレダーの町で色々あったから俺も食べて無いから食事でもするか」
「ウン トラ クウ」
子犬のような目をした大男が少し元気になる
「OK その先のスペースまで行って準備しよう」
「ウン」
そのスペースに3人で進み座り
「じゃ トラの生肉調達してくるからトラとシルキャドはこの場所で待っててね」
と言い残しギーラが出発しようとして物音がして横を見ると 無言だった猫耳の小娘が軽やかなステップを繰り出しながら前後左右にシュッシュッと言いながら動いている
「ん?シルキャドどうしたの?」
「・・・・・」
話しかけるが 猫耳の小娘はシュッシュッと言いながらステップを踏み右手に短剣を持ち始めシャドーボクシングのように仮想の敵と戦い始める
「・・・シルキャド」
「・・・・・」
また話かけるが 猫耳の小娘は耳はピクピク動いて聞いているが 無言で仮想の敵の小動物を相手にシュッシュッと狩りを続けている その仮想の敵の小動物を倒してガッツポーズを取り喜んでから大きな大男にその小動物を渡し終えた所で 大袈裟に今気付いたように汗を拭く真似をしながらギーラを向く
「ニャ ギーラ 私を見てどうしたニャ 何かあったのかニャ?」
猫耳の小娘は自分史上最高の演技を演じきってギーラに聞く
「・・・・・・・」
ギーラは無言でジト目で見ている
「ニャ そうニャ ギーラは狩りに行くんだったニャ そうだったニャ」
猫耳の小娘は肩でフウフウ息をする真似をしながら言う
「・・・・・・・」
「ニャ 行ってらしゃいニャ アッ けどニャ 私ニャ 体が軽くてニャ 狩りとかしたい気分ニャ あ~あ そんな気分だニャ~~~」
猫耳の小娘は伸びをするフリをしながらチラッとギーラを見ながら言う
「・・・・・・・」
「ニャ 誰かがニャ~ シルキャド狩り行って来て言わないかニャ~ 誰かが言わないかニャ~」
猫耳の小娘はまた伸びをするフリをしながらチラッチラッ見ながら言う
「じゃ 2人はここで留守番お願いね」
ギーラはスタスタと歩き出そうとすると
「ニャ ギーラ 待つニャ 待つんだニャ 私狩り行きたいニャ 狩り行きたいニャ」
あわてて追いかけギーラの足にしがみ付き猫耳をシュンとさせて素直に言う
「ははは 初めから素直に言えばいいのに 何でそのアピールしたの?」
ギーラは笑いを我慢出来ずに聞く
「ニャ 何か恥ずかしいニャ」
シルキャドは足のしがみ付きを止めてギーラの前で耳をシュンとさせモジモジさせながら答える
「恥ずかしいんや ははは じゃ分かったシルキャド狩り行って来て」
流石猫は狩りが好きやな~と思い出しシルキャドにお願いをする
「ニャ そうかニャ 分かったニャ 狩り行って来るニャ」
それを聞くとシルキャドは猫耳をピンと立て尻尾を元気良くブンブン左右に振り満面の笑みを浮かべ 最後に両手を大きく振って 行って来るニャ~~~ と言い残し元気に走って行った
「ニャニャニャニャニャニャニャンニャンニャン」
ご機嫌のシルキャドはギーラ達から離れ目に付いた森の中に入って行く 少し奥まで進むと水場を発見して近くにあった大きな木に隠れて獲物を待つ
「ニャ 頑張ってニャ 一杯獲ってギーラに褒めて貰うニャ トラもお腹満腹になって貰うニャ」
そう独り言を言ってから しばらく待つと森の奥から3匹の大きなイノシシが水を飲みに姿を現す
「ニャ 来たニャ あれにするニャ よしニャ 消える消える消えるニャ」
イノシシを発見してシルキャドが消えるイメージを頭の中で思い浮かべると最後の消えるニャで一瞬で姿が無くなる そのまま周りや足元に注意しながら3匹のイノシシに静かに移動を開始する 3匹のイノシシは無警戒で水を飲んでいるので そのまま背後に近づき両手に短剣を握り締めまず1番大きなイノシシの首の後ろに短剣を突き立てる それに気付いた残りの2匹のイノシシが慌てて左右バラバラに逃げ出したので シルキャドは短剣を引き抜き近い方のイノシシの背中に飛び乗り体勢を立て直してからそのまま両手で短剣を首の後ろに突き刺す しばらく背中に乗ったまま突き刺した短剣を掴んでバランスを取っているとイノシシは動きを止めドサリと横に倒れる瞬間にピョンと飛び降りる
「ニャ 1匹逃がしたニャ まあいいニャ 大きな2匹のイノシシ獲れたニャ ギーラトラ 喜ぶニャ~~~」
シルキャドは結果に満足して笑ってから 2匹目に倒したイノシシの短剣を抜き血を拭き取り 前足を持って引きずりながら1匹目を倒した水場まで汗を掻きながら運んで行く
「ニャ 重たくて疲れたニャ~ これはギーラ達の所まで運べ無いニャ よし呼びに行くニャ」
そう言うと周りの気配を探って大丈夫だと確認して一応近くにあった小枝や葉っぱで隠してからギーラ達を呼びに走り出す ギーラ達の所に行くとギーラとトラはシルキャドを迎えてくれる
「ニャ ただいまニャ 大きなイノシシ2匹ニャ 狩り成功ニャ」
シルキャドがギーラ達に報告する
「おかえり そうかシルキャドやったな~ 偉い 偉い」
ギーラはシルキャドの頭をポンポンしながら褒める
「ニャ 楽勝ニャ チョチョイノチョイニャ えへへへ」
喜びながら頭ポンポンを堪能する
「オカエリ シルキャド メシ ドコ」
シルキャドにも子犬のような目を向けながら元気無く聞く
「ニャ 森の中ニャ 少し重いニャ トラ 運べるニャ?」
「ウン メシ ハコブ クウ」
「ニャ ギーラ 運んでくるニャ 行ってくるニャ」
「ウン トラ スグイク」
「うん分かった トラ こっちで食べる事 森は何があるか分からんからね じゃあいってらっしゃい」
こうして2人はシルキャドが狩ったイノシシを運びに森に向かう 森に入りイノシシの置いてある場所に行きトラが食べたい気持ちを抑えさせながらトラが運びギーラの元に戻る
「ニャ ただいまニャ 運んで来たニャ」
「ウン ギーラ ガマン ムリ クッテイイカ」
「2人共おかえり トラは食べて良いよ けど大きいイノシシやねシルキャド」
「ニャ そうだニャ けどニャ 1匹逃がしたニャ」
「そうか~ これだけあればトラもお腹一杯なるから大丈夫思うよ」
「ニャ そうだニャ なら安心ニャ 良かったにゃ 良かったニャ」
「じゃ 俺達も食事にしようかな」
シルキャドは満足顔で頷いてからギーラに携帯食を貰いポリポリ食べ始める ギーラもシルキャドの隣に座り狩りの出来事を詳しく聞きながらモグモグ食べる トラはイノシシの頭からかぶり付き骨もろとも凄い音と凄い声を鳴らしながら胃に流し込み2匹目のイノシシの頭にかぶり付くのであった