第178話 秘密にして貰えると非常に助かるのだが
「ふんっふんっふふ~んふふっふふ~ん、ふっふっふっふっふっふふ~ん」
ギーラはローズメルファとレーンアイルと飯屋で分かれてから1人で行動をすると言って今は歓楽街のピンクの色の看板の建物の扉を開けて外に出て鼻歌を歌いながら心身共にリフレッシュをしてご機嫌モードでいる
「まさか、こんなに素晴らしいとは、異世界バンザ~イバンザ~イ、また来よう、うん絶対来よう」
ご機嫌モードのギーラは呟いて2度万歳を力一杯して本来なら1番最初にやるべきギルドでレーンアイルの母親を化け物にしたマリーンの情報があるかどうかを聞きに行く為にやっとギルドへ足を向ける
「あらっ、お兄さん良い男、お姉さんと遊ばない~」
歓楽街を歩いてギルドに向かっているので、歓楽街ならではのギーラでさえもモテモテモードの美しい女性から商売目的で声をかけられる
「ふっ、お姉さん、今の僕はリフレッシュが完璧なのですよ、すまないけど僕は世界平和の事しか考えていないし何故人と魔物は争うのかな~、だから折角のお誘いですが結構ですよ、ふっ」
ギーラはジェントルマン全開でテカテカの顔で優しく微笑んで声をかけてきた女性に断りを入れる、そんなジェントルマンギーラが数人の女性の誘いを断っていると歓楽街を抜けてギルドの建物が見えてくる
「ふっ、モテる男は辛いですな、また必ず来るから待っときなさい、俺のレディー達、ふっ」
気持ち悪い事を呟いて気持ち悪い「ふっ」も連発してからギルドの扉を開けて中に入る
「ニョロ、ギーラじゃないかニョロ」
ギーラがギルドの中に入ると中はガラガラでギルドの受付嬢も隣の席の受付嬢と談笑が出来るくらい暇で冒険者の姿が1人も見当たらない、そこにギルド内のテーブル席の方向からインパクトがある語幹と語尾の美しい女の声がギーラを呼ぶ
「おっ、ヘビージョ、どうも」
美しい女の声のした方向に振り向いてガッツリ蛇の顔に赤い舌をチョロチョロさせている、今のギルド内では受付嬢を除くとただ一人の客の獣人のヘビージョに挨拶する
「ニョロ、ギーラもギルドに用事なんだニョロ?」
「うん、ちょっとね、ギルドで聞きたい事があるから来たよ」
ギーラはとりあえずヘビージョが座っているテーブルに向かって歩いて行きヘビージョに断りを入れて対面の席に座る
「ニョロ、そうなんだニョロ、んっ?・・・・・ギーラは歓楽街で楽しんで来たのかニョロ」
「・・・・・な、な、何の事をおっしゃてるのか・・・・・わ、わ、分かりませんけど・・・・・えへへ・・・・・おかしな方だな~、えへへへへ」
「ニョロ、そうなのかニョロ、頬と首筋にキスマークが一杯ニョロ、付いてるからニョロ、それならニョロ、何処でそのキスマークを付けてきたんだニョロ?」
「・・・・・・・・・・」
ヘビージョの頬と首筋に突き刺さる視線と声を聞いてギーラは気持ち悪い笑い方をすると、首をキョロキョロさせてギルド内を見渡して無言でテーブルから立ち上がると、一直線に水が常時溜まっている水桶に走り出し近くに置いてある鏡の前で顔と首筋を見て恐ろしい程の赤いキスマークを確認する、それから布を水桶で濡らして自分の顔と首筋を徹底的に集中して皮が破れるぐらいの勢いで擦りまくるとキスマークが綺麗サッパリ無くなった
「ふぅ~、危ない危ない、危機一髪やったな、誰にもバレやんで良かった、ふう~」
鏡の前で綺麗になった顔と首筋を見て何をどう思ったかギーラは完全にヘビージョに見られて指摘もされていだが無理矢理自分を誤魔化して落ち着く為に言い切っていた
「あれっ、ヘビージョ、久しぶりやね」
ギーラはありえない強行作戦で今ヘビージョと出会った感じで何事も無かった様に少し久しぶりに会って驚いた演技も入れながらテーブルに近付いて行く
「・・・・・・・・・・」
ヘビージョは頭がおかしい奴を見る目でギーラをガン見して無言で赤い下をチョロチョロさせている
「ニョロ、私には良く分からないニョロ、どんなリアクションをすれば良いニョロ?」
「あははははは、リアクション?、ヘビージョは何を言っているのかな?、僕と君は今会ったばかりだからリアクションとかは心配しなくても良いんだよ、だって僕と君は今会ったばかりだからね、あははははは」
ヘビージョが当然の質問をしてきたがギーラは強行作戦を崩さずに攻める
「・・・・・ニョロ、まだ良く分からないニョロ、もしかしてニョロ、ギーラは歓楽街に行った事を私に指摘されたからニョロ、その頭のおかしい事をしているのかニョロ?」
「あははははは、ヘビージョは何の事を言っているのかな?歓楽街?指摘?、僕にはサッパリ分からない事だけどね、あははははは」
ギーラは「頭のおかしい事」は否定せずに頭のおかしい事を強行作戦で攻める
「・・・・・ニョロ、何となく分かったニョロ・・・・・私は別にギーラが歓楽街に行こうが頬と首筋と唇にキスマークを付けていてもニョロ、全然気にしないんだけどニョロ、だからニョロ、その頭のおかしい事を止めて私は普通にギーラと話がしたいんだけどニョロ・・・・・」
ヘビージョはギーラの死んだ目と変な笑いと違和感を覚える口調で何となく察知して、ギーラの頭のおかしい強行作戦を理解して話す
「あははははは、そうだね普通に話をしようかヘビージョ、だって僕と君は今久しぶりに今バッタリ今このギルドで今会ったばかりだからね、あはははははははははは・・・・・・・・・・んっ?・・・・・唇・・・・・」
ギーラは必要以上に「今」を強調してヘビージョに頭のおかしい強行作戦が成功したと内心喜んで変な笑い方が終わると、「あれっ?」とヘビージョが先程話した言葉を思い出し「唇」の言葉が頭に引っかかり聞き返す
「ニョロ、そうだニョロ、ギーラの唇にも赤いキスマークがまだはっきりと残っているニョロ」
「・・・・・・・・・・」
ギーラは先程までのおかしな気持ち悪いテンションから急に無言でヘビージョの話を聞き終わると4本腕の右腕の1本の手の甲で自分の唇を数回擦ると、手の甲には赤い口紅がはっきりと付着していた
「ニョロ、唇に付いていたニョロ、けどニョロ、これでもう私が見る限りはキスマークや口紅は付いていないからニョロ、安心しても良いんだニョロ」
ヘビージョはギーラの顔や首筋を赤い舌をチョロチョロさせながら見ると、キスマークなどはもう無いから大丈夫と話す
「・・・・・あ、あ、あの~、ヘビージョ・・・・・イヤ・・・・・ヘビージョさん?」
「ニョロ、なんだニョロ?」
ギーラは無言で右手の手の甲の口紅をしっかり両目で確認してから、ヘビージョに情け無い声で話しかけるとヘビージョは相槌をする
「・・・・・先程までの失礼な頭のおかしい態度すみませんでした、それと私は歓楽街で楽しみました・・・・・それでなんですが・・・・・私が歓楽街に行った事は秘密にして貰えると非常に助かるのですが・・・・・」
「ニョロ、なんでだニョロ?、別に秘密にする事では無いと思うけどニョロ」
「はい、ヘビージョさんのおっしゃる事も十分なのですが・・・・・私の相棒達の中には信じられないとヘビージョさんは思われるでしょうが・・・・・弱みや弱点を見せると鬼の様に私を攻めて苛めて攻撃して来る者が存在して歓楽街やキスマークの事とかは説明しても多分理解も出来ない幼い者なので男の気持ちや生理的な事もヘビージョさんみたいに大人の女性では無いので理解が出来なくて・・・・・それでその者は思った事は何のフィルターも通さずにオブラートにも包まずに攻めてくるので・・・・・ですからですから・・・・・その者にバレると考えると恐ろしくて恐ろしくて・・・・・」
ギーラはヘビージョに丁寧な言葉使いで歓楽街で楽しんだ事を全部認めて頭のおかしな態度を心から謝って、「天然猫娘」の恐ろしさを頭に浮かべながらギーラは少し体を震わせてヘビージョに話す
「ニョロ、そうなんだニョロ、分かったニョロ、私はさっきも話したけどニョロ、ギーラが歓楽街や何処で楽しもうが全然良いからニョロ、秘密にしとくニョロ」
ヘビージョは赤い舌をチョロチョロ出し入れしてあっさりギーラの心からのお願いを了承する、その言葉を聞いたギーラは思わず立ち上がりヘビージョの横まで行くと両手を握り固い握手を交わして目には少し嬉し涙を浮かべて最高の笑顔で微笑んでいた