第174話 友達第一号
「・・・・・あ~あ、お譲ちゃんがそれだけ言うのなら、その猫族の娘をちゃんと見張るなら別に好きに見てくれて構わないよ」
店員は怒りでシルキャドしか見えておらず、レーンアイルの声と姿を確認して少し怒りゲージをダウンさせて驚いて了承する
「・・・はい・・・すみません・・・今回は迷惑を・・・掛けない様にします・・・」
「あ~あ、分かった、ぬいぐるみは奥の部屋にあるから見てくれ」
「・・・はい・・・シルキャド・・・見に行こう・・・」
「ニャ、OKニャ」
レーンアイルは店員に礼を言うと、店員が視線を送った奥の部屋に急に静かになったシルキャドと歩いて行く
「・・・あっ・・・本当だ・・・色々の種類のぬいぐるみが・・・一杯置いているね・・・」
「ニャ、そうだニャ」
レーンアイルとシルキャドは奥の部屋に入ると、すぐに目に入る奥の壁際の棚に綺麗に色々の形や色の動物のぬいぐるみが陳列されているのをレーンアイルは女の子らしく嬉しそうに眺めて話す
「・・・本当に・・・可愛いのが・・・一杯あるね・・・シルキャド?・・・」
「ニャ、そうだニャ」
レーンアイルはぬいぐるみが陳列されている棚の目の前まで移動して棚に陳列されているぬいぐるみを顔を近づけて見てシルキャドに話す
「・・・あれっ・・・シルキャド・・・退屈?・・・ごめんね・・・無理につき合わさせて・・・それに・・・店員さんと・・・また喧嘩しちゃったもんね・・・」
レーンアイルはシルキャドの急のテンションダウンに心配になってぬいぐるみから顔を離して横のシルキャドに向いて謝る
「・・・・・ニャ、レーンアイルニャ、それは全然違う考えなんだニャ」
「・・・えっ?・・・そうなんだね・・・それじゃあ・・・私の考え過ぎだね・・・」
「ニャ、ち、違う違うんだニャ、私はニャ、さっきニャ、レーンアイルがニャ、私の事をニャ、と、と、友達って言ったからニャ、少しビックリしてニャ、考えてたんだニャ」
シルキャドは少し恥ずかしそうにレーンアイルに話す
「・・・あっ・・・そうなんだね・・・私が勝手にシルキャドと友達と思っている・・・だけだから・・・迷惑だったよね・・・ごめんね・・・」
レーンアイルは壁際の棚に陳列されていたぬいぐるみの前でシルキャドを見ていたが自分の勝手な思い込みに恥ずかしくなってシルキャドから視線を外して店の床を見る
「ニャ、違う違うんだニャ、わ、わ、私で良かったらニャ、ぜ、ぜ、是非ニャ、レーンアイルとニャ、と、と、友達が良いんだニャ・・・・・う、う、嬉しかったからニャ・・・・・」
シルキャドは部屋の天井の中心をを顔を上げて見ながらこちらも恥ずかしそうに話す
「・・・はい・・・良かった~・・・私は屋敷で住んでいて・・・お母様が屋敷の近くの村の人を・・・あの~・・・化け物になってしまって・・・みんな食べちゃったから・・・そ、そ、それから・・・大事な友達も・・・お母様が食べちゃったから・・・それで・・・私・・・ランカッツしかいなくなって・・・友達いなくなって・・・それで少し・・・少しだけ寂しかったから・・・お母様が友達を食べちゃったんだけど・・・食べちゃったんだけど・・・そ、そ、それからシルキャドの事を・・・私は勝手に友達と思っていたから・・・シルキャドのその言葉・・・私も・・・もの凄く嬉しい・・・」
レーンアイルは店の床から視線を戻してシルキャドを見て、友達がいなくなった事は母親が友達や村の人を食い殺したのが原因だと十分噛み締めてからシルキャドの言葉にも嬉しく思い複雑な胸の内で話し終える
「ニャ、そうだったんだニャ、それは辛かったんだニャ、それならニャ、私が新しく出来た友達第一号だニャ、だからニャ、これからは私の事をニャ、友達と思ってくれて良いんだニャ、わ、わ、私もニャ、レーンアイルの事をニャ、と、と、友達と思うからニャ」
シルキャドも天井から視線をレーンアイルに戻して凄く恥ずかしそうに頭をポリポリ掻きながら話す
「ニャ、そ、そ、それにニャ、私もニャ、レーンアイルと少し似ていてニャ、私の住んでいた猫族の村の中でニャ、私は子供であまりはっきりした理由は分かってないんだけどニャ、派閥が2つ出来てニャ、殺し合いをしてニャ、親も友達もみんなみんなニャ~、死んでしまってニャ~、最後は私は1人ボッチになったからニャ、そして私はギーラと出会える前はニャ、・・・・・奴隷だったからニャ、まあニャ~、奴隷って言ってもニャ、主人の女の人も働いていた男の子も他の奴隷の人達もニャ、とてもとても良い人だったからニャ、自分では奴隷とは思っていなかったんだけどニャ、ニャハハハハハ」
シルキャドは無理矢理笑顔で最後は笑って話す
「・・・そうだったんだね・・・シルキャドも大変だったんだね・・・うん、分かった・・・これからは私を・・・シルキャドの友達第一号にしてね・・・私もシルキャドを新しい友達第一号にさせて貰うからね・・・」
「ニャ、それは良い考えだニャ、これからも大変な事はあると思うけどニャ、レーンアイルこれからも友達として宜しくニャ」
「・・・はい・・・宜しくねシルキャド・・・」
「ニャハハハハハハハハ」
「うふふふふふふふふふ」
シルキャドとレーンアイルは2人見つめ合って小さく笑って頷くと、手を繋ぎ直して友達になれた事を喜んで嬉しくなり同時に笑い出す
「ニャ、それでニャ、私の友達のレーンアイルはニャ、どんなぬいぐるみが良いのかニャ?」
「・・・はい・・・私1人では決めないけど・・・ホワイトアイルと相談して・・・決めようと思うよ・・・」
「ニャ、そうなんだニャ、私の友達のレーンアイルはニャ、ホワイトアイルと相談して決めるんだニャ、偉いんだニャ、私ならニャ、ねずみのぬいぐるみ以外ならニャ、何でも良いからニャ、すぐに決めるんだけどニャ」
「・・・ホワイトアイルは・・・私が決めた物なら・・・何でも良いと言ってくれたけどね・・・ホワイトアイルが・・・お世話になる体になるからね・・・そこは2人で決めたいかな・・・」
「ニャ、流石だニャ~、私の友達のレーンアイルはニャ、優しいんだニャ~、分かったニャ、ぬいぐるみを決めるのはニャ、私は友達のレーンアイルの為ならニャ、何日でも良いぬいぐるみが見つかるまでニャ、友達の私はニャ、いつまでもお付き合いする事にニャ、決めたんだニャ、だって友達だからニャ、ニャハハハハハ」
「・・・うふふ・・・ありがとう・・・シルキャド・・・」
レーンアイルはシルキャドの「友達」が多かったのは「シルキャド、可愛い」と思い余程嬉しかったからだと判断して、最後は少し笑って返事をする
「ニャ、所でニャ、ホワイトアイルはニャ、どんなのが良いとかニャ、言っているのかニャ?」
「・・・何も聞いていないよ・・・」
「ニャ、そうなんだニャ、それならレーンアイルが決めてからニャ、ホワイトアイルに聞いた方が良かったんだニャ」
「・・・はい・・・そうだね・・・」
「ニャ、私ならニャ、このフワフワのウサギとか可愛いと思うんだけどニャ」
シルキャドは目の前の白い小さなウサギを手に取りレーンアイルに見せて話す
「・・・うん・・・そうだね・・・とても可愛いね・・・」
「ニャ、そうだろそうだろニャ、じゃあこのウサギにニャ、決めるとするかニャ」
シルキャドは少し前の「何日でも見つかるまで待つ」をもう完全に忘れたのか天然なのかウサギのぬいぐるみをレーンアイルに手渡して何故か買う方向に話を進める
「・・・シルキャド・・・もう少し考えても良いかな?・・・ごめんね・・・」
「ニャ、全然良いんだニャ、ゆっくり決めると良いんだからニャ、慌てる事は無いんだニャ」
シルキャドはレーンアイルに手渡したウサギのぬいぐるみを受け取って商品の棚に戻すと次のぬいぐるみをどれをレーンアイルに勧める為に猫目をキラキラさせて商品棚に目を向ける