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俺とゴブリン達と猫娘と極めてる少女  作者: ありがとう君
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第169話 お兄様達またお会いしましたわね

ローズメルファの腹を刺した男は先程強く握られて赤くなった腕を擦りながら白目だけの目を見ている


「あ、あ、あああ、次は気を付けるというか、俺はあんた達には近付かない・・・・・それじゃあ、俺はそろそろ失礼しようかな、へっへっへへっ」


男はローズメルファの自分を真正面から睨んでくる視線を避けながら変な笑いをしてその場から一刻でも早く逃げ出そうとクルリと振り返る


「あらあら、お兄様忘れ物ですわよ」


「えっ?」


ローズメルファの声にまた振り返りまたローズメルファの目を見る


「このダガーはお兄様のでしょう?、私に刺したままでは私も困りますしお兄様も商売道具ですから必要なのでしょう?、うふふ」


ローズメルファは先程腹に刺されたダガーを指差しながらいつもの笑顔で男に話す


「あ、あ、あああ」


「それでしたら、持ち帰って頂けると私は良いのですが、うふふ」


「あ、あ、あああ、そうだな・・・・・、俺が抜くんだな・・・・・」


「あらあら、そうでしょう、お兄様が刺したのですよ、うふふ」


「そ、そ、そうだな、俺が刺したな・・・・・」


男はローズメルファの腹にダガーを刺されても普通の態度のニコニコ笑顔の顔はもう見れなくなり、先程ダガーを刺して血が一滴も出ていないローズメルファの腹を見つめる


「そ、そ、それじゃあ・・・・・抜く・・・・・抜きます・・・・・」


男はローズメルファに言うと少し震えながら先程刺したグリップを握り締めて思いっきり引き抜く、そして肉から刃を抜く不快な音を聞きながら抜くと刃に血が一滴も付いていない事を確認して腰に装着する


「そ、そ、それじゃあ、刺した事は本当に、す、す、すまなかった・・・・・俺は、ほ、ほ、本当に失礼する」


男はそう言うとローズメルファの目は見ずにクルリと振り返り走り出す、背後から「お兄様~また出会えるのを楽しみにしておりますわ~」の声を震えながら聞いて、男は先程自分がダガーで刺した一滴も血が出ていなかった腹の傷跡が徐々に塞がっていくのを思い出しながら振り返らずに進んで行く




「ウン、ソレジャア、サカバ、イクノカ、ローズメルファ?」


「ハイ、オトギ、ハヤクワルイヤツ、ナグリタイ、サカバ、イク」


「そうですわね、そこの酒場にお邪魔して<黒の星昇華>の情報を集めましょうか、どんな方がいらっしゃるのでしょうか、うふふ、ワクワク致しますね」


トラ、オトギ、ローズメルファはそう話すと酒場に向かって進んで行く、しばらく歩くと裏通りが終わり表通りと思われる大きな道が見えてきて、正面には大きな石造りの建物が見えて扉の上には酒場のマークも見える、その扉の前には人相の悪い人間が酒瓶を片手に数人顔を赤くしたりふらついたりして大声で話をしている


「ここが先程のお兄様が教えてくれた溜まり場でしょうね、それにしても裏社会の方々はまだお昼過ぎなのにこんな時間からお酒を飲めるとは羨ましいですわね、それではお店の中に入りましょうね」


ローズメルファはそう言うと酒場の扉の前まで進んで、トラとオトギも無言で扉の前で酔っ払っている人相の悪い人間を見ながらローズメルファの後に続いて扉の前まで辿り着き


「何だ~~あいつ等~~、ヒャハハハ、見ない顔だな~~ヒック」


「あの2人の~~大男は何なんだ~~、デカすぎる~~俺のよりデカ過ぎる~~ヒック」


「まあ~~、気にするな~~、新人かなんかじゃね~のか~~ヒック、酒が足りねえ~ぞ~ヒック」


などの背後からの酔っ払い達の声を聞き流しながら酒場の中に消えて行く





「ボルマカランさん、ロブリムの奴は本当にもう解放しても宜しいのですか?」


「あああ、もう良い、傷を治して現場に戻せ」


「はい、分かりました」


ボルマカランは飯屋でローズメルファに滅茶苦茶に痛めつけられて、意気消沈したまま裏通りの部屋でサボっていたロブリムを再教育をしてから<黒の星昇華>の溜まり場の酒場で飯と酒を取りながら同じく再起不能にされたコトノーセに指示を出す、するとコトノーセはボルマカランの横に立っていて近くにいた部下を呼ぶとボルマカランの指示を伝え裏通りの部屋へと走らせる


「それで、ボルマカランさん、少し言いにくいのですが、あの女の事は本当にこのままで宜しいのですか?」


飯屋の現場にはいなかったボルマカランのもう1人の直属の部下のタスムスがコトノーセとはボルマカランを挟んで逆の位置に立っていて少し遠慮をして聞く


「あんっ?、俺に何回同じ事を言わせるんだタスムス、俺はもうあの女には近寄るなと言った筈だがな」


ボルマカランは口に運んでいた酒の入ったコップを止めてタスムスを睨みながら怒りの声で話す


「は、は、はい、すみませんでした・・・・・」


タスムスはボルマカランに頭を下げて謝罪する、ボルマカランはタスムスの姿を見てから酒と飯を再開する


「おおお、ボルマカランじゃないか、こんな所にいたのか探したぜ」


「あああ、何だレンストン、何の用だ」


ボルマカランが酒と飯を取っていると黒髪で短髪で顔の額に大きな黒い星のタトゥーを入れた細長い体のレンストンがボルマカランのテーブルに近付きながら声をかける、それを見たコトノーセとタスムスは頭を下げて迎える


「何の用って決まってるじゃないか、ボルマカランお前はもう酒と飯は喰えるのか?、心配で心配で探したんだぜ」


「あああ、ケノタコの犬野郎に聞いたんだな・・・・・あの糞野郎がっ・・・・・俺はもう大丈夫だ」


「おおお、そうかそうか、それを聞けて安心したぜ、それでいつその女を殺すんだ?、お前の事だすぐにでも行くんだろ、俺の所の奴らも協力させるからよ」


「あああ、それなんだがな・・・・・俺はもうあの女には近付かない」


「えっ?、どうしたんだボルマカラン?、どうしたんだ?」


レンストンとボルマカランは小さな村で産まれて同じ歳の幼馴染みで小さな頃から2人で好きなように暴れてきた、大人になってスグラアゼースの町にやって来ると当然この町でも社会のルールから外れると裏社会では頭角を現してその様な者達が通る日常が殺す、奪う、犯す、やられたらやり返す、のフルコースで生きてきた、その自然の流れで裏社会の<黒の星昇華>の先代のボスの目に留まり拾われて、今はボルマカランが右腕と呼ばれレンストンが左腕と呼ばれる地位にいる、だからレンストンはボルマカランを小さな頃から知っており今までとは違う態度に驚いて聞いている


「あああ、そうだな、上には上がいる・・・・・遥かに上の存在が俺の目の前に現れた・・・・・俺は何も出来なかった、コトノーセがやられても俺は何も出来なかった、だから俺はあの女には敵わない」


「何だよそれぇ、お前らしくね~な、何が上の存在だよ1対1じゃ無理ならよ、そんなもん俺達<黒の星昇華>を全員使ってでもやり返すのが普通じゃね~のかよ、逃げるんじゃね~よ~ボルマカランよ~」


レンストンはボルマカランが座っているテーブルを両拳で叩きつけて激しい口調で話す


「すまん、レンストン」


ボルマカランはレンストンから視線を外すと両拳で叩きつけられた衝撃でテーブルの上の皿からこぼれたスープを何となく見ながら申し訳無さそうに話す


「そうかよっ、分かったよ、・・・・・おいっ、コトノーセとタスムスお前らはどうなんだ?、このままやられぱっなしでも良いのかよ?」


「はい、レンストンさんすみません、俺は町の中じゃ無かったら確実に死んでました、べ、別に死ぬのは全然怖くも恐れもしませんが・・・・・何も・・・何も出来ずに死ぬのは・・・・・先程ボルマカランさんも言ってましたがあの女には敵いません・・・・・すみませんっ」


レンストンに名指しをされたコトノーセはまず頭を下げてそのままの体勢で話し終える


「チッ、お前ほどの奴が・・・・・糞っ、タスムスお前はどうなんだ?、お前も一緒なのか?」


「はい、レンストンさん、俺は飯屋の現場にはいなかったので話ししか聞いていませんから直接見ていませんので良く分かっていませんが・・・・・、その女は確実に俺が殺します、どんな手を使っても、どんな犠牲を払っても、ボルマカランさんには先程注意されたばかりで申し訳ありませんが俺が世話になっている<黒の星昇華>の看板に泥を塗ったその女は俺が殺ります」


「おしっ、タスムスお前の気持ちは分かった、それじゃあ今からありったけの人数を集めろっ、その女を見つけたら町の中なら生きている状態なら何でも良い連れて来い、町の外なら即ブチ殺せ、それとボルマカランお前の所の奴らも借りるからな、それじゃあ今からお前ら即動けっっっ」


レンストンはボルマカランの頷きを確認して酒場の中にいる全員に大きな声で指示を出す


「「「はいっ」」」


ボルマカランとコトノーセは何のリアクションはしなかったが、酒場の中全員は話を聞いていたので大きな声で殺気立って返事をする


「あらあら、皆さん大きな声でお話されて聞こえていましたが、うふふ、何処かに行かれるのですか?、やっとこの酒場まで来てお話を聞こうと思っておりましたのに残念ですわね、あっ?、お兄様達またお会いしましたわね」


ローズメルファはボルマカランが座るテーブルまで来ると、ボルマカランとコトノーセを交互に見ながらいつもの笑顔で話しかける、トラとオトギは黙ってローズメルファの横で両腕を胸の前で組んでいる







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