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俺とゴブリン達と猫娘と極めてる少女  作者: ありがとう君
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第16話 初めの町消える

オーク討伐から森を抜け馬車の集合地点の広場に到着する


「ニャ 着いたニャ 帰りも楽チン馬車なのニャ 楽しみだニャ~ 馬さん達は元気かニャ~ 楽しみ楽しみ楽しみなのニャ~」


馬車に乗れるのが楽しみで少しテンション高めのシルキャド


「トラ セマイ イヤ ヒロイ スキ」


馬車に乗るのが憂鬱で思いっきりテンション低めのトラ


「ははは 正反対やね シルキャドは良かったな~もう少しで大好きな馬車乗れるから楽しみやね その点トラはそんなに嫌なのね それじゃ町に戻ったらトラ専用の乗れるスペースを作ろう 今考えてるのは馬車の後ろに荷台を連結させてその荷台にトラだけが乗る 名づけてジャジャ~ン  トラ専用荷台   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そのままやないか~~い」


「ウン・・・・・」


「ニャ・・・・・」


トラとシルキャドは口をポカ~ンと空けてギーラを見ている


「フッフッフッ これぞ誰もつっこまないと悟っての 1人ボケ1人つっこみでの自爆 良い子は真似しちゃだめだぞ・・・・・」


何もかもが凍りつく時間が数秒流れギーラが咳払いを1つしてから


「ま・まあ あ・あのトラさんが乗るスペースは考えてますから・・・・・だ・だからトラさんは今回の馬車で町まで戻るのは我慢して下さい と・所でカイルの馬車はまだかな~?」


動揺をまったく隠せず無理矢理話題を変えるアホな男


「ウン オソイナ・・・」


「ニャ そ・そうだ二・ニャ お・遅いニャ」


あまり良く分からないが微妙な空気を察して無理矢理ギーラに乗っかるトラとシルキャド


それからしばらく3人で色々な話をして時間を潰すが 予定時間が過ぎてもカイルの馬車は現れず


「それにしてもカイル遅いな~ いつもは遅れた事無いのにな 途中で馬車が故障とかのトラブルでもあったんかな」


「ソウダナ スコシ オソイナ」


「ニャ どうしたのかニャ 馬車遅いニャ 早く乗りたいニャ」


「う~ん どうしようもう少し待って来なかったら4・5日歩くけど町に向かってみよう 歩いてて途中でカイルに会えるかも分からんからね」


「ウン ワカッタ」


「ニャ 残念ニャ 馬車乗りたいニャ けど馬車が無かったらニャ 乗れないからニャ しょうが無いニャ~」


それからしばらく待つもカイルの馬車が来ないのでギーラ達は町に向けて歩き出す 順調に移動して4日が過ぎもう少しで町に着くがカイルの馬車とは出会わずそのまま進む さらに進むと異変に気付く オーク討伐に向かう時は道中馬車や旅人とすれ違っていたが町に近づくにつれまったくすれ違わない もう少しで町が見える所でトラが


「マテ オカシイ コッチ イク」


そう言うと町が見渡せる小高い丘を指差し誘導する


「ん?どうしたトラ 何がおかしい? 人とすれ違わない事か」


トラの後ろを歩きながらギーラが聞く


「ソレモアル ケド ニオイ オカシイ」


「臭い? 分からんけど トラが言うなら何かあるのかもとりあえずあの丘目指そう」


「ニャ 分かったニャ まず行こうニャ」


それからギーラ達は無言でトラが勧めた丘に足を運ぶ 丘に着きそこから町を見渡すと まずいきなり目に入ってきたのが高い壁がボロボロに崩れ落ち町の中が見える状態で 大きな門も破壊され地面に落ちて建物も崩れ落ち町のいたる所から大小の炎が燃え盛り煙が町の全体で充満している さらに良く見てみると町の外だけでも 人間 獣人 魔物 町人 冒険者 商人 男 女 老人 子供 老若男女の死体 戦おうとした死体 逃げ出そうとした死体 無抵抗な死体 ありとあらゆる死体が溢れかえっている


「何これ・・・ 酷い・・・ 酷過ぎる・・・」


「マチ ナクナッタ」


ポツリと思わず声が出る シルキャドは驚き過ぎで声が出ないらしく


「襲撃? 火事? 何が起こったんや1週間で何が起こったんや 理解が出来ない 訳が分からない・・・」


ギーラは頭が真っ白になり混乱する


「ドウスル ギーラ?」


トラが冷静ながら心配した声で聞いてくる


「あ・あ~あ そうだな 何か考えないとな」


トラの一言で少し落ち着く


それから改めて町を観察する ここから見る限りは動いてる生物の気配は感じられず多数の死体が見えるだけである 敵やモンスターの姿も見えず暮らしていた町が崩壊し燃え盛り無くなっていくのをただ遠くから見続けるだけで無力な思いが押し寄せる 町に近づき調べたいが炎と煙が凄まじくまだ町の中には入れそうも無い それに生物の気配は感じられないが町1つをこんな状態にした原因が何1つ分からないので近づくのは躊躇われる


「今は少し我慢する もう少しここで様子を見る」


ギーラはそう宣言する トラとシルキャドは黙って頷く


しばらくして


「ニャ 私がニャ 透明化で見てこようかニャ?」


シルキャドがギーラを見て躊躇いがちに聞いてくる


「いや 今は動かない方がいい気がする 気持ちはありがたいがもう少し町の状態が分かる様になるまでは様子を見よう」


「ニャ 分かったニャ そうだニャ」


シルキャドは納得して町に向き直る


それから5日程待つ間に 町に戻って来た冒険者や町の住民や人々が少し増え呆然や怒りや落胆などギーラ達と同じ様なリアクションを取り町の状態が良くなるまで周辺で待機している姿を見かける 5日待つ間に雨も降り凄まじかった炎も鎮火して勢いがなくなりそれをきっかけに崩壊した町に走っていく人々が目に映る それらの町に駆け寄る住民や人々の姿を見ながらギーラ達も腰を上げる


「かなり待ったけど 俺達も町に行こうか」


「ウン ソウダナ」


「ニャ うんニャ」


トラとシルキャドの返事を聞き町へ歩き出す


町に向かう途中でも数多くの死体があり その中にも顔を見たことのある死体 話をしたことのある死体 門を通過して馬車屋を覗くと馬車の準備をしながら馬を庇いながら死んでいるカイル 奴隷屋ではトラエとその脇に控えてた男の子そして奴隷全員 ギルドで話す冒険者のルーガーンとその仲間 他の冒険者達 受付嬢 宿屋の主人と従業員 武器屋の若いお兄さん もろもろ・・・簡単に言うと生存者が0である 町の中は死体と瓦礫と戻ってきた人々だけである ギーラ達は町を一通り見て回ってから今では原型を残していない元宿屋の前に行きギーラとシルキャドはフラフラと疲れ果て座り込みトラは2人の横で腕を組み見守る


「は・は・はは・・・外も酷いけど中は地獄やね・・・ 生存者が0か~」


ギーラは頭を垂れて話す


「ウン ミンナ シンダ ココ ゼロ」


「ニャ トラエさん死んでたニャ カイルと馬さん達も死んでたニャ・・・」


「ああ そうだな みんな死んでた みんな死んでた みんな死んでたな・・・」


「ニャ けどニャ 何でニャ 何で突然ニャ こんな事になるんニャ?」


「あああ そうやね 分からんね・・・ まったく分からんね・・・ 死体も斬られて死んでいる者 傷1つ無く死んでいる者 全身黒焦げで焼死している者・・・ 人間の襲撃かモンスターの襲撃か突然この町で殺し合いが始まったのかそれともただの天災なのか・・・ 今の町の状態と俺の精神状態と死体と瓦礫だけの状態じゃ何も分からないし考えられない・・・ こんな見渡す限り死体が目に入る悲惨な現場では何も考えられないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・」


ギーラは思わず大声を上げて叫び頭を抱える その叫び声に町に戻って来ていた人々も一瞬ギーラに目を向けるがすぐに大声で叫びながら自分の事で精一杯で親 子供 身内 友達 を探し始める


「ニャ ギーラ 大丈夫かニャ?」


シルキャドが心配そうに声をかける トラは無言でギーラとシルキャドを腕を組みながら見守っている


「あああ・・・ ごめんね 大声出して ははは チョット・・・この町に半年ぐらいしか住んでなかったけど顔見知りや話した事がある人やお世話になった人達が大勢死んでて それにこんなに死体見た事なくて頭の中が良く分からなくなって自分が抑えられなくなってしまって・・・ ごめんねトラ シルキャド ごめんね」


「ニャ 謝らなくて大丈夫ニャ ギーラ 大丈夫ニャ 私もこんな事初めてニャ 大勢死に過ぎてるニャ みんなそうだと思うからニャ・・・」


「あああ そうだよな・・・ こんな事あってはいけない事だよな・・・ 死にすぎてるな」


「ニャ そうだニャ そうなんだニャ」


「あああ シルキャドありがとう 少し楽になったかも」


「ニャ 良かったニャ それは良かったニャ」


「ギーラ シルキャド ココ イドウスル スコシハナレル」


トラが二人に声をかける


「うん そうだな ここは少しキツイかな・・・ チョット町の外にでも離れよう」


「ニャ そうだニャ 移動するニャ さっきの丘にでも行こうニャ」


「ウン オカイク」


「よし 丘に行って冷静になろう じゃ行こうか」


そう言うと3人は無言で丘を目指して歩き出す







































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