第158話 もしかしてアホなのか
「ニャ、嘘ニャアアアアアアアアアアアアアアアア」
シルキャドが絶叫してプルプル震えている
「ギーラ、ウソツカナイ、カナラズヤラレタラヤリカエス、コレホント」
ギーラはプルプル震えているシルキャドを見下ろしてカタコトで話して言い切る
「ニャ、ごめんなさいニャ、ごめんなさいニャ、ギーラ、ごめんなさいニャ」
シルキャドは上目使いでギーラに手の平を擦り合わせて祈るように本気で謝る
「ギーラ、ユルサナイ、カナラズヤラレタラヤリカエス、コレホント、それで明日の朝が楽しみやね、ま~あシルキャドが俺より早く起きれたら尻尾ギュンギュンギュギュの刑は回避できるでしょうがね~、カ~カッカッカッカッ~カッ~、起きれたらの話ですがね~」
ギーラは謎のカタコトから、大の大人なのに仲間のシルキャドなのに今までの憂さ晴らしで、腕4本を胸の前で組んで鬼の様に追い込んで見下ろして高笑いしている
「ニャ、無理ニャ、無理ニャ、私がギーラより早く起きることはニャ、100%無理ニャ~、だからニャ、だからニャ、尻尾ギュンギュンギュギュは確実なんだニャ~~~~~許してニャ~~~~~」
「でしょうね、そうでしょうね、それは私の相棒ならみなさんご存知ですよね、カ~カッカッカッカッカッ~ですからシルキャドさんは俺を追い込んだ罪で尻尾ギュンギュンギュギュの刑は確実なんですよ~」
「・・・・・ニャニャニャ・・・・・そうなんだニャ・・・・・もう無理なんだニャ・・・・・終わったんだニャ・・・・・私は終わったんだニャ・・・・・これからはギーラに逆らえない体で一生生きて行くんだニャ・・・・・」
シルキャドはガックリがまさに似合う効果音で首を下げて地面を見ながら囁いている
「あらあら、ギーラ、もうそろそろシルキャドが可哀想ですわ、その辺で許してあげても宜しいのでは無いでしょうか?」
ローズメルファがシルキャドのあまりのプルプル具合とガックリ具合にギーラに声をかける
「ニャ、ローズメルファ~、ギーラがいじめるんだニャ、私をいじめるんだニャ~」
シルキャドはローズメルファの助けの声を聞いて赤いワンピースの上から片足にしがみ付いてプルプル震えて話す
「あらあら、ですがシルキャドも私は悪いと思いますわよ、たとえ悪気は無くてもダメな事はダメですからね」
ローズメルファはシルキャドの頭をポンポン優しく叩きながら注意をして話しかける
「ニャ、分かったニャ、凄く分かったからニャ、ギーラに尻尾ギュンギュンギュギュをニャ、止める様に言って欲しいんだニャ~~~」
「分かりましたわ、そしたら私がギーラにお話させてもらいますわ」
シルキャドは心からローズメルファにお願いしてローズメルファはいつもの笑顔で頷いて答える
「ギーラ、シルキャドのお話は聞いていたと思いますがシルキャドも反省している様ですから尻尾を掴む件は許してあげる事は出来ないでしょうか?」
ローズメルファはまだ4本の腕を胸の前で組んでいるギーラに聞く
「えっ嘘っ?・・・・・は、はい、ローズメルファがそう言うなら、そうやな~これからは毎朝シルキャドを起こす時は尻尾を掴むつもりやったけど・・・・・分かった今回は明日の朝の1回で許す事にしよう」
ギーラはローズメルファにいつもの笑顔で優しく話しかけられた、だが相棒達には分かる微妙に違う笑顔に気付いてその変化にギーラは何故か「お前らいつまでやっとんねん、こんな町の中でギャーギャーギャーギャーみてるこっちが恥ずかしいはワレ、そろそろやめ~や」と勝手に一方的に思い込んで(ローズメルファは全くそんな事は考えていなかったが)さっきまでの鬼の様な追い込みが嘘の様に産まれたての小鹿の様な態度に変わって素直に了承する
「あらあら、流石ギーラはお話をすれば分かってくれる人なのですね、ですがシルキャドもあれ程反省致しましたから、今回の件は水に流すという事でシルキャドの尻尾を掴むお話は無かった事にするのが私は素晴らしいと考えますけどギーラはどうなのでしょう?」
ローズメルファはまだいつもとは違う笑顔で提案する
「・・・・・ま、ま~ね、お、俺は出来る男で、は、話も分かる男やから、と、当然やけどね・・・・・、た、確かにローズメルファのおしゃる通りですよね~、俺も少しは言いすぎたと思っていましたから勿論シルキャドの尻尾を掴む件は、や、やるはずが無いじゃないですか~~~、ハハハハハ・・・・・」
ギーラはローズメルファのいつもと微妙に違う笑顔から思いっきり目を逸らして最後に変な笑いをしてから、ローズメルファの提案を丸呑みして小刻みに少し震えて何回も頷いて了承する
「シルキャド、お聞きになりましたか?、ギーラはお優しいですからシルキャドを許してくれる寛大な処置をお話してくれましたわ、良かったですわね」
ローズメルファはすぐにシルキャドもギーラの話を聞いていたと思うが報告する
「ニャ、あ、ありがとうニャ、ローズメルファ、た、助かったニャ、私もこれからは心を入れ替えてニャ、覚えていたらニャ、気を付ける事に今心に強く誓ったんだニャ」
シルキャドもローズメルファのいつもと微妙に違う笑顔を察知して、ギーラの鬼の様な追い込みの時とは全く違う恐怖を感じたが、とりあえず尻尾ギュンギュンギュギュの刑を免れた事に安堵してからローズメルファに礼をして素晴らしい反省の言葉は口にしているが全くギーライジリは止める気の無い「覚えていたらニャ」をブチ込んで大きく頷いている
「うふふ、シルキャドったら、まあ良いでしょうこれで少しぐらいは反省してくれると思い込むと致しましょう」
ローズメルファもしっかりとシルキャドの「覚えていたらニャ」を聞いていてさらに何かを言おうと考えたがここはこれで良いと判断して話を終える
「・・・・・・・・・・」
ギーラの周囲の町の人々は町を行き交う人々や店番の人達が話をしていてガヤガヤして普段の町の雰囲気だったが、トラとオトギとレーンアイルもローズメルファのいつもと微妙に違う笑顔に完全に気が付いていたので声も出せず黙って見守る、ローズメルファはシルキャドに話をしてから町のガヤガヤの雰囲気に集中していて、シルキャドは尻尾ギュンギュンギュギュを回避出来た安堵で体の力が抜けていて、ギーラはまだローズメルファのいつもと微妙に違う笑顔の恐ろしい余韻に固まっていた
{そろそろもう良いナゲ?、ギーラはワザと我々を自己紹介をしたくなくてナゲ、そこの猫の獣人と話しをしているナゲ?」
相棒達がそれぞれ色々な考えで動きを止めていると、ナイーフがギーラに怪しんでいる声で自己紹介を遅らせている事を疑問に思い直接頭の中に語りかける
{あっ、違う違う違うよ、ごめんごめんナイーフ、そんな事は全く思ってないから・・・・・俺もついカッとなってしまったから、ごめん}
ギーラはナイーフの声に慌てて謝る、ナイーフを紹介する為に相棒達を呼んだのにシルキャドの天然口撃に頭に血が上がりリベンジを仕掛けてそれをローズメルファに見事に沈静されている間待たされたナイーフの事は完全に忘れていたがフォーローする
{まあナゲ、それならそれで別に良いんだナゲ、それじゃあそろそろ我々を自己紹介して欲しいナゲ」
ナイーフはまだ怪しんだ声だがとりあえずギーラに先に話を進める様に語る
{おう、任してくれナイーフ、例え今から真っ裸の女の人の集団が俺に迫って来て俺がモテモテになって部屋に誘われ様としても、前から俺の事に恋焦がれていた美しい女性が告白したいから人気の無い所に誘ってこようが、全てをキッパリ断ってナイーフの自己紹介するから大船に乗ったつもりでナイーフは自己紹介を待っててくれたまえ}
ギーラはナイーフを安心させる為にかなりの恐ろしい余韻を引きずっていたがありえない妄想が思い浮かんで恥ずかしげも無く堂々とナイーフに頭の中同士で話す
{・・・・・そうかナゲ、それなら嬉しいんだけどナゲ、もしかしてナゲ、もしかしてだけどナゲ、ギーラと出会ってから薄々感じてたんだけどナゲ、ギーラってもしかしてアホなのかナゲ?・・・・・」
ナイーフは薄々だがギーラの事をアホだと見事に正解を導き出して疑問系だが聞いてくる