第157話 4分の3生きている心の状態
「あらあら、あの少年の未来が不安になりますが、人間は小さい頃は失敗や間違いを経験して大人になるのでしょう?」
ローズメルファがギーラとシルキャドにいつものニコニコ笑顔で話しかける
「あ~あ、ま~な、確かにローズメルファの言う通り小さい頃は失敗や間違いはすると思うが、まあ~本当の犬の散歩を見てその犬が可愛いから飼ってみたいなら全然分かるけど、それが人間がまあ俺なんやけど・・・・・その人間の俺が蛇獣人との犬の散歩スタイルを偶然見てそれに興奮して共感してそれで友達の女の子に首輪をつけて散歩するとかは全く考えられませんな、それにさっきも嬉しそうに首輪買いに行くって言ってたしな・・・・・あの少年の隠れていた恐ろしい性癖をまだこんなにも幼い時期に目覚めさせたかも知れやんね・・・・・まあ~俺が言う権利は100%無いんやけどな・・・・・」
ギーラはチラッとローズメルファを見て最後の言葉は消え入りそうな声で話す
「ニャ、確かに恐ろしいニャ、けどニャ、人間はそんな教育とかはうるさいからニャ、周囲の大人が止めるんじゃ無いのかニャ?」
シルキャドはギーラとローズメルファを見て話す
「そうやね、俺にはもうどうする事も出来やんから、無責任に聞こえると思うけど・・・・・その大人達が止めてくれる事を期待しようかな・・・・・」
ギーラは考えれば考えるほど落ち込んでテンションが下がっていく
「ニャ、そうすると良いニャ、お散歩マスターギーラニャ、考えてもしょうがないニャ、しっかりするんだニャ、お散歩マスターギーラなんだからニャ」
シルキャドはしっかり少年マローガロの話をガッツリ聞いていて、ここぞとばかり突然神の指令でギーライジリのノルマを忠実に守るかのように実行する
「・・・・・・・・・・」
ギーラは最も恐れていた「シルキャドだけには散歩スタイルの事はバレたく無かった」事を強く思い出して半分死んだ目でシルキャドを見る事しか出来なかった
「あらあら、シルキャド、あまりギーラを困らせるのは良くないですわよ、ギーラは私達のリーダーなのですからね」
「ニャ、分かったニャ、ローズメルファが言うならニャ、少しの間はニャ、お散歩マスターギーラは我慢してやるニャ、ギーラ?、我慢は少しの間だけだからニャ」
シルキャドはローズメルファの言葉を聞いて頷いて最後に「我慢は少しの間だけだからニャ」を強めに言って指をギーラに刺している
「・・・・・はい、それはとても助かります、シルキャドさん、アリガトウゴザイマス」
ギーラはまだ半分死んだ目でシルキャドの刺している指を見て心も半分死んで礼を言う
「ニャ、所で今から何をするんだニャ、お散歩、あっ、ギーラどうするんだニャ?」
シルキャドは天然だがローズメルファの一言があったのでギーラの心の傷を何とか致命傷ギリギリ寸前で回避する
「・・・・・・・・・・はい・・・・・何をイタシマショウカ、スグニカンガエマスネ」
ギーラが「クソッ、俺が復活したら覚えとくんやで、この猫娘が~尻尾アホ程アホ程掴んだるからな、今は耐えるんだ俺今は耐える時なんだ~」と思うが口調はかなりのダメージの半分死んだ心のトーンで答える、するとギーラが腰に装備しているナイーフが突然バイブレーション機能で震える
{ギーラナゲ、半分死んでる所悪いんだけどナゲ、そろそろ我々を紹介するんだナゲ}
ナイーフが頭の中に直接話しかけてくる
{あっ、そうやった完全に忘れてたねって・・・・・俺が今色々合って半分死んでる事分かってるならタイミング考えろや}
ギーラは確か先程ナイーフが相棒達に自己紹介をしてくれと頼まれていた事を忘れていたが思い出しナイーフに今はタイミングが悪いと本気でキレてから、半分は余裕で死んでいる心だが何とか残りの半分の生きている心の方で頑張ってラブラブモードを全開にするとナイーフに愛が通じたのか成功して頭の中の会話を返す、相棒達はギーラのナイーフとの頭の会話に気が付かないで少し離れた場所で楽しそうに集まって雑談している
{そうだけどナゲ、我々もギーラの相棒達の姿を見てからナゲ、色々合ったから結構黙って我慢したんだけどナゲ」
{それはそうやな、そう言われるとナイーフは我慢してくれたな・・・・・すまん}
ギーラはナイーフが相棒達と出会ってからヘビージョとの件、少年マローガロの件で少し時間が掛かったが全然ギーラに話しかけないで黙っていた事に気付いてキレていたが怒りを収めて納得して謝る、ナイーフに対して冷静に考えて謝った事でシルキャドショックも半分生きている心の状態から4分の3生きている心の状態に回復した
{全然良いんだナゲ、分かってくれたらナゲ、だから今ギーラに自己紹介をお願いをしているんだナゲ}
{あ~あ、分かったそうやったもんな・・・・・けどなんで紹介して欲しいの?}
{それは簡単ナゲ、我々もギーラの相棒達と仲良くなりたいし話も沢山したいからナゲ、でもギーラ心配する事は無いナゲ、ギーラの相棒達と話をして仲良くなってもラブラブモードの相手はギーラだけだからナゲ、我々は浮気は絶対しないからナゲ、安心して我々と愛し愛されで愛を育んで行くんだナゲ}
{あっ、は~い、そうすっね、心配とか全くしないっす、どうぞご自由にどうぞっす}
ギーラは頭の中の会話だが聞き流して答える
「それじゃあ、みんな集合~」
ギーラはそう言うと少し離れた場所で雑談している相棒達に声をかける、それを聞いたトラとオトギは笑顔でギーラのに呼ばれて嬉しかったので真っ先にダッシュして来る、レーンアイルはローズメルファとシルキャドの間に挟まれて手を繋いで3人で仲良く雑談しながらゆっくり歩いてくる
「ウン、ドウシタ、ギーラ、トラ、キタゾ、コロススルカ?」
「ハイ、ナンデモイエ、オトギ、ダレデモコロス?」
トラとオトギは何故かバイオレスな展開を期待しているのか少し興奮している
「ハハハッ、残念でした~、話を聞いてもらうだけやで」
4分の3生きている心の状態まで回復したギーラはトラとオトギのブレない言葉と行動にさらに心が落ち着いて笑い声も出る
「あらあら、ギーラ、何の御用ですか?、あらっ、あっという間に元気が少し戻られましたね、良かったですわ、うふふ」
ローズメルファはギーラを一目見て笑顔で答える
「・・・はい・・・ギーラ・・・来ました・・・」
「ニャ、来たんだニャ、何の用かニャ?、お散歩マスターギーラ」
シルキャドは本当の僅かな時間の「我慢は少しの間だけだからニャ」を早々と解禁する、そういうお年頃なのかそういう気分なのか誰も良く分からないがギーラの顔を見るとしっかりとイジリモードを発動している
「ハハハハハッ、シルキャド、今の俺は4分の3が生きている心やから、さっきみたいなクリティカルダメージは期待しない方が良いと思うよ、ハハハハハッ、だって今の俺は4分の3だからね、ハハハハハッ」
「ニャ、ギーラ、私は良く分からないニャ・・・・・」
「シルキャドは天然だから分からなかったら分からなくても良いんだよ、ハハハハハッ、シルキャドが分かるのは俺はやられたらやり返す男だと分かっていれば良いんやで、ハハハハハッ」
「ニャ、何がそんなに楽しいんだニャ?、4分の3ニャ?、やられたらやり返す?、何を私にやり返すんだニャ?」
シルキャドはギーラの意味不明な笑いや言葉に何を言っているのか分からなくて本気で聞いている
「シルキャド、何をやり返すやって?、ハハハハハッ、それは決まっているよ起こすときに尻尾をギュンギュンギュッギュッ掴んで起こす事しか無いですよ、ハハハハハッ」
ギーラ大きな声で笑いながら持ち前のアホ+前向きでシルキャドを見下ろしながら話す
「ニャニャニャニャニャ~、嘘ニャ、嘘ニャ、嘘ニャ~~~~~~~~~~」
シルキャドはまだ大きな口を開けて笑うギーラの顔を見ながら猫耳をペタンとさせて猫目を見開いて尻尾を守る様に握りながら絶叫している