第150話 謎の単位
「それでどうする?、殺るの殺らないの?、それともこのままおしゃべりを楽しむのかな?」
ギーラは半笑いで聞く
「殺るに決まっ・・・・・・・・・・」
汚いマントの男がギーラの言葉に反応して唾を撒き散らしながら口を少し動かした瞬間に言葉の途中で頭から2メートル吹き飛んで地面に転がり額の真ん中に穴を空け血を垂れ流して命を終わらす
「えっ?、何をしました、あなた?」
黒いローブの人物は隣の汚いマントの男が突然吹っ飛んだのを数秒遅れて気付き一瞬振り返り倒れた男の額の穴と出血を見てすぐにギーラを見直して聞く
「はい、一丁あがりっ、はいっ?、何をしたって・・・・・見たら分かるやん殺しましたやん」
ギーラは4本の手首を微かに動かしナイーフ4本を同時に汚いマントの男の額の赤文字の+マーク突き刺し自動で戻るナイーフ4本をすでに握って答える
「あまり吹き飛ばなかったナゲ、少し3ナイーフが遅れたナゲ」
ナイーフ達は普通に声を出し話しギーラが意味不明な新しい単位っぽい事を普通に出している
「なんやその3ナイーフって?」
ギーラは驚きで固まって動きを止めている黒いローブの人物を確認して攻撃は無いと判断して謎の単位「3ナイーフ」について聞く
「ああこれナゲ、1ナイーフが俺で、2ナイーフがこいつで、3ナイーフがそいつで、4ナイーフがあいつナゲ」
ナイーフは自信満々で答える
「分からんわっ」
「そうナゲ、それじゃあナゲ、今度は動かしながら教えるナゲ、これで分からなかったらナゲ、教えるのは諦めるからナゲ」
ナイーフは少しガッカリした声で話す
「なんや、その誰でも分かるでしょの言い方わ、全く分からんわっ」
ギーラは少しビックリ顔で答える、そしてナイーフは頭に近い右腕の上の腕をまず少し振動させて「これがナゲ、1ナイーフナゲ」次に腰に近い右腕の下の腕を少し振動させて「次がナゲ、2ナイーフナゲ」さらに頭に近い左腕の上の腕を振動させて「それでナゲ、これが3ナイーフ」最後に腰に近い左腕の下の腕を振動させて「ラストナゲ、これが4ナイーフナゲ」と順番に振動させる、黒いローブの男は先程は汚いマントの男の突然死に驚愕していたが、今はギーラの謎の会話とナイーフのどこから聞こえているか分からない会話に理解が出来なくて汚いマントの男の死と目の前の得体の知れない会話にダブルで驚愕して動きを固めている
「そのバイブレーション機能もチョイ気になるけど・・・・・まあええっわ、それでなんとなく理解したけど、右腕の前からある上の腕が1ナイーフで右腕の新しく生えた下の腕が2ナイーフで左腕の上の腕が3ナイーフで下の腕が4ナイーフの順番で謎の単位のナイーフって事で理解はOKなん?」
ギーラは少し不安とドキドキでナイーフに聞く
「流石ギーラ、理解が早くて助かるナゲ」
ナイーフは満足した声で答える
「お、お、おう、俺は理解の早い男やからな、任せとけ」
ギーラはとりあえず頷いておく
「お待たせしたかな、それでどうするの俺とまだ戦う?」
ギーラはナイーフの謎の単位を一応理解して気分を切り替えて目の前の固まって全く動かなかった黒いローブの人物に聞く
「遠慮しましょうかね、あなたは何だか薄気味悪いですから、戦うのは止めときましょう」
「そうなのね、残念ですわ」
ギーラはそう頷いて答えてから、4本の手のナイーフ達を黒いローブの人物に向かって手首の微かなスナップだけで投げて額に4つの穴を黒いローブの上から開けて殺す
「誰が薄気味悪いやねん、失礼な奴やから一回死んどきなさい」
ギーラに目の前で殺されて動かない死体を見て吐き捨てている
「おいっ、早くこっちに来い、早く歩かないとこの場で今すぐぶっ殺すぞっっ」
小太りの男は茶色いローブの上から首に巻かれて頑丈な鉄の首輪から伸びる鉄のチェーンをグイグイ引っ張りながらギーラから逃げるように小走りで進む
「お前、そんなに今すぐ死にたいんだな」
歩いてはすぐ止まる茶色いローブの人物に声のボリュームを上げて小太りの男は詰め寄る
「・・・・・・・・・・」
茶色いローブの人物はその場で座り込み小さな声で囁く
「ふざけやがってっっ、早く歩けっっ、さっきの変な男が来るだろうがっっっ」
小太りの男は茶色いローブの人物の小さな囁きにイライラが爆発して叫ぶ
「もう嫌これ以上歩けないニョロ、歩きたくないニョロ」
先程と同じ言葉を今度は少し大きな声で茶色いローブの人物は繰り返す
「すみませ~ん、こんな所で揉めていると追いつかれますよ~」
ギーラは小太りの男に笑いながら話しかける
「くそっ、あいつらは何をしている?」
「もしかして、さっきの二人組?、どうなったでしょ~それでは問題です、ジャジャ~ン、1、俺に殺された、2、俺に殺された、3、俺に殺された、正解の場合は俺に殺される権利が与えられます、それではそこのあなた答えをどうぞ?」
ギーラは半笑いで小太りの男の目を見て話し終える
「くそっ、高い金を払って雇ったのに使えない奴らだ」
「イヤイヤ、そんなんはどうでもええから、早く答えろやデブ、お前も散々その美少女を首輪付けて引っ張りまわして楽しんだんやろう、俺にもクイズで楽しませてくれや」
ギーラは美少女の・・・・・決め付けは忘れずに顔の表情にイライラを出して小太り男に言う
「わ、分かった、俺はこいつを解放する、だ、だから見逃してくれ、か、金も迷惑料として払うから~、見逃してくれ~頼む」
小太りな男は座り込んでいる茶色いローブの人物を見てからギーラに懇願する
「う~ん、どうしようかな~、そうや、そこの美少女の方~このデブこんな事言ってるけどどうします?、見逃しても良いですか?」
ギーラは茶色いローブの人物に聞く
「嫌ですニョロ、私は許せませんニョロ、それに歩くのも疲れましたニョロ」
茶色いローブの人物は「美少女」の言葉は普通に受け取ってから、疲れているが美しい声で答える、ギーラは「んっ?、ニョロ・・・・・」と少し引っかかる語尾があったと頭の中で考えたが聞き間違いと思い込んでスルーする・・・・・
「聞こえたデブ?、お前を殺してくれってその美少女は言ってるよ」
ギーラはどう聞こえたのか自分流に解釈して小太り男を殺す前提で言い切る
「くそっ、こうなったらお前を殺してやるぅぅ」
小太り男は腰に携えていた剣に手を掛けた瞬間にナイーフが額に穴を4つ開けてそのまま腰に携える剣を抜かない状態で柄を握ったまま前から地面に倒れてあっけなく絶命する
「まさか、これほど弱いとは・・・・・それに何の策も無く普通に剣を抜こうとして来るとは思わんかった・・・・・」
ギーラは死んでいる小太り男を見下ろして小さく呟いている