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俺とゴブリン達と猫娘と極めてる少女  作者: ありがとう君
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第144話 狂人の殺戮者 24

「・・・えっ?・・・誰・・・」


レーンアイルは大笑いのレコデナンと二メオンの登場に体をビクッと震わせて呟いてから体育座りの姿勢で息を細める


「けど、あいつは一体なんだったんだろうな?」


森の中の草や落ち木を踏みながら二メオンがレコデナンに聞く


「さ~な、何だろうな?、俺は初めて見た生き物だったがな」


レコデナンが答える


「だな、俺も初めてだ、けどこの森の中にはあんな大きな白いクマのぬいぐるみの生き物が生息してるのかな?」


「さ~な、もう始末して終わった事だから俺はどうでもいいな、また同じ様な奴が現れたら始末するだけだ、それより二メオン、早くスグラアゼースの町に行くぞ、もう草や木を見るのは飽きた、今は酒と綺麗なベットを見たいからな」


「分かった、じゃあ急ごう」


レコデナンと二メオンが歩いてレーンアイルが身を潜める木の前を通り過ぎる時の会話をレーンアイルは聞く


「・・・えっ?・・・始末・・・」


レーンアイルが二人の「大きな白いクマのぬいぐるみを始末」の言葉が耳に入り思わず小さく声を出し体が反応して少し動く


「「「んっ?」」」


レコデナンと二メオンが歩いていた足をピタリと止める


「おいっ、そこの木の陰に誰かいるだろ?」


レコデナンがレーンアイルの微かな物音に反応してピンポイントで木の陰を見て聞く


「誰だ?」


二メオンも警戒して聞く、レーンアイルは「あっ、動いてしまって見つかった」と頭の中に浮かんだが、人見知りの性格や知らない男達の存在の恐怖で体が硬直して体育座りの姿勢のまま頭を膝をくっつけて動けなくなる


「なるほど?、来ないのならこっちから行くぞ」


レコデナンはそう言うと木の陰に向かって歩き始める、二メオンは静かに木の陰の逆方向に足を進める


「んっ?、何だお前こんな所で何をしている?」


レコデナンは木の陰に辿り着き覗いて体育座りで頭を膝にくっつけて震えているレーンアイルを見て「何故、こんな場所に小さな女の子がいる?」と不思議に感じて聞く


「・・・・・・・・・・」


レーンアイルはレコデナンの声を聞いて聞こえているが声が出ずまたビクッと体を恐怖で震わせているだけで動けない


「お譲ちゃん、とりあえず話をしましょうね」


二メオンがレコデナンの反対側の木から姿を現して口調を柔らかくしてレーンアイルに聞く


「・・・わ、私・・・ま、待ってます・・・」


レーンアイルはしばらく間を置いて姿勢はそのままだが声だけは勇気を出して返事をする


「それで、こんな森の中で誰を待っているのかな?」


二メオンが同じ柔らかい口調で聞く


「・・・ホワイトアイル・・・ホワイトアイル・・・ま、待ってた・・・で、でも・・・さ、さっき・・・おじちゃん達・・・し、始末したって・・・お、お話してた・・・」


レーンアイルは震えて怖がっていたが勇気を振り絞って聞きたい事を聞いた


「へえ~、もしかしてそれは白い大きな動くクマのぬいぐるみの事かな?」


「・・・はい・・・」


「あ~、あのクマちゃんならおじちゃん達を黙って覗いて不気味だったから、この怖いおじちゃんが殺して俺が火を付けて燃やして灰にしたけどお友達だったのかな?」


二メオンは柔らかい口調から半笑いに変わり笑いを堪えて怖いおじちゃんの所でレコデナンをチラッと一瞬見て答える


「・・・・・・・・・・」


レーンアイルは頭が真っ白になって絶句して言葉がでなくなり固まる


「それで、お譲ちゃんもお友達だったクマちゃんと同じ場所に逝きたいのかな?、クックックッ」


二メオンは笑いを堪えきれずに腰に携える鞘から剣を抜く


「・・・ど、どうして、ホワイトアイル、・・・お、おじちゃん達に・・・わ、悪い事をしたの?・・・」


「うん、そうだよ、ただ覗いていただけの悪い子だったよ、そんな悪いクマちゃんのお友達のお譲ちゃんも悪い子だから死ななきゃダメだよね~」


二メオンが嬉しそうな残虐な顔を全開で口を歪まして剣を振りかぶり構える


「二メオン、もういいその小娘はほっとけ、もう行くぞ、俺達には害は無い」


レコデナンが黙ってレーンアイルを見ていて震えて怖がっている姿で殺すほどの人間では無いと判断して二メオンを止める


「分かった、レコデナン」


二メオンはレコデナンの言葉に素直に答えて残虐な顔から普通の顔に戻り剣を収めて頷く


「それじゃあ行くぞ」


レコデナンは剣を収める二メオンを確認して歩き出しながら言う、それに二メオンも続く


「・・・あ、あの・・・ホワイトアイル・・・ど、何処・・・」


レーンアイルは体育座りだが顔を上げて立ち止まり振り返ったレコデナンと二メオンの顔を見て勇気を出して聞く


「あ~あ、始末した場所か・・・・・あそこだ」


レコデナンはレーンアイルの顔をすでに飽きた目で見て森の一部をめんどくさそうに指を指して振り返りそのまま二メオンと森の中に消えて行った


「・・・ホワイトアイル・・・ホワイトアイル・・・ホワイトアイル・・・」


レーンアイルはレコデナンと二メオンの姿が完全に消えたのを確認してそう呟くと上げていた顔を膝にくっつけて声を殺して泣き始めた








「ニャ、ただいまニャ、レーンアイル、寂しいかった筈だニャ、絶対そうだニャ」


「お待たせしましたわ、レーンアイル、お時間を取らせましたわ」


「ウン、トラ、カエッタ」


「ハイ、オトギモ、カエッタ」


「ただいま~、レーンアイル、ゴメンね遅くなって、<狂人の殺戮者>の集落の事は一応カタがついたよ、あれっ?、レーンアイルどうしたの?、それにホワイトアイルは何処におるの?」


しばらくレーンアイルが体育座りで泣いているとギーラ達がガヤガヤ雑談しながら森の奥から戻って来た、そしてギーラがレーンアイルの様子とホワイトアイルが見当たらない事に不思議に感じてレーンアイルに聞く


「・・・はい・・・ホワイトアイル・・・殺された・・・」


レーンアイルは顔を伏せた状態で今まで声を我慢して泣いていたが、ギーラ達の声と存在を確認して安心と緊張の糸が切れて大きな声で泣いてからレコデナンと二メオンの事を一生懸命嗚咽を鳴らして話をする


「クソッ、本当なんやねレーンアイル」


ギーラがレーンアイルの話を聞き終えてから怒りを表に出して聞く、相棒達も各々怒りを表している


「・・・はい・・・」


レーンアイルはやっと泣き崩れた顔を上げて立ち上がりギーラに抱き付いて頷く


「ニャ、あいつらだニャ、許さないニャ、ホワイトアイルを殺してニャ、レーンアイルも泣かしてニャ、私は許さないニャ、私が殺してやるニャ」


「ウン、ゼッタイコロス、ナグリコロス」


「ハイ、ゼッタイコロス、ケリコロス」


「あらあら、これは死刑が確定致しましたわ、あの方達が私に殺してくれと泣きながらお願いする様な死刑をお約束しましょう」


「それで、トラ、オトギ、あいつらのニオイ何か分かる?」


相棒達が各々レーンアイルを見て話かけて、ギーラはトラとオトギに聞く


「「「ザンネン、モウ、ニオイナイ、ワカラナイ」」」


トラとオトギは鼻をクンクン周囲のニオイを嗅いで残念な声でハモって返す


「そうか、ありがとうね、トラ、オトギ、・・・・・クソッ、とりあえずあいつら追いかけよう」


ギーラがトラとオトギに礼を言い相棒達に怒りを抑えられずに指示を出す


「・・・ギーラ・・・ホワイトアイルの所・・・行ってみたい・・・」


ギーラに抱き付いて嗚咽を漏らしていたレーンアイルがギーラが追いかけようとした時に途切れ途切れの小さな声で話す


「ふ~、そうやね、まずそれやね、レーンアイル分かったよ、あいつらは後回しにしてホワイトアイルが亡くなった場所に行ってみよう」


ギーラは大きく深呼吸して落ち着いてレーンアイルに優しく頷く、それから相棒達にも落ち着くようにお願いをしてレコデナンが指を指した場所をレーンアイルが先頭でゆっくり歩き出す























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