第141話 狂人の殺戮者 21
「ニャ、そうだそうだニャ、あいつ1人逃げたニャ、思い出したニャ」
シルキャドはレコデナンと少し戦って途中で逃げられた事を思い出し怒りが込み上げる、その怒りで天然だからかシルキャドだからか謎だかションボリモードから早くも復活して老人にレコデナンの姿形を話する
「ハイ、オトギ、タタカウノタノシミナヤツ、ワスレテタ、テキオオイホウ、オイカケタ」
オトギも二メオンと戦いたがったが大男と何回も呼ばれて我を少し忘れて集落方向に男4人を追いかけて二メオンを忘れてた事を悔しがって姿形を話す
「はい、そうですはね、レコデナンと言う方はお見かけしていませんが、二メオンと言う方は確かにオトギが集落方向に向かった途端、大急ぎで森の中に走って逃げて行きましたわ」
ローズメルファもその時の事を思い出し話をする
「そうなんですね、それならば2人の死体が無いのは逃げたと考えて納得出来ますね、それで後1人この集落を襲った<狂人の殺戮者>の連中に隊長と呼ばれていた死体が見当たりません」
「隊長?、俺は初めて聞く言葉やな~」
ギーラが小首を傾げて考える、相棒達も同じ姿勢で考えている
「あっ、そうですわ、たしか私が森の中で<狂人の殺戮者>の方にお話を聞いた時に隊長が森の中に入って行ってモンスターに殺されたと聞いていましたわ」
ローズメルファも小首を傾げて考えていたが少し経ってから思い出して話をする
「ニャ、そういえばニャ、ローズメルファがニャ、そんな話をしてた様ニャ~してかった様ニャ~」
「ウン、オボエテナイ」
「ハイ、オニイチャントオナジ」
「へえ~、そんな話があったのですね・・・・・、私が見た隊長の感想は、そんな感じには見えなくて一人で森の中など意味の無い行動をする様には見えなかったですから少し不思議です」
老人はローズメルファの話を聞いて意見を言う
「あなたの隊長の見た感想はどういうものですか?」
ギーラは少し気になり老人に聞いている
老人が嫌な事を思い出す顔になり口を動かす、集落の襲撃が終わりの頃に老人が集落の代表として隊長の前に引っ張り出されて見た時には、すでに集落の女を無理矢理犯しており隊長の周囲には集落の若い男が数人殺されて血の池を作っていて集落の蓄えていた食料や酒を平然と喰って老人を見下ろして見せびらかす様に殺戮と略奪を楽しんでおり、そんな時にわざわざ一人で森の中に入りそんな危険な事をするとは思えなかったと隊長を見た時の感想を話す
「なるほど、老人には言い方は悪くなるけど、この集落には女も食料も酒もあって隊長にしてみたら十分この集落で楽しむ事が出来るのに、どうして森の中に入って命を落としたのは確かに謎やね・・・・・」
ギーラは老人の話を聞いて4本腕を器用に胸の前で組んで考えながら話す
「ニャ、そうだニャ、私が集落に来た時もニャ、あいつらニャ、ムカツクけどニャ、楽しんでいたからニャ」
「そうですわね、不思議ですが考えても答えは出ないと思いますが、それでご老人はその隊長とやらも見つけて殺して欲しいとかですか?」
ローズメルファも老人の話を聞いて少し考えたが答えは出ないと判断する
「いえいえ、そんな気持ちは全く御座いません、この集落を救って頂いただけでも幸運でしたから」
老人はローズメルファに微笑んで答える
「まあ、これも老人には言い方が悪くなるかもしれんけど、この集落を救ったのも<狂人の殺戮者>がたまたまここを襲撃して占拠したから処分しただけで、他の野盗やったらこの集落にも俺達は来てなかったし、もし襲撃されてても見殺しにしてた可能性もあるしね、まあ~今度もたまたまその隊長とやらを見つけたらキッチリ殺しときますよ~の約束ぐらいはしときますわ」
ギーラは老人に笑顔でそう言うと老人は頭を深々と下げて戻って行った
「それでは、レーンアイルとホワイトアイルでも向かいに行きましょうか、ギーラ?」
ローズメルファは老人の姿が見えなくなるとギーラに聞く
「せやね、この集落ではやる事は無くなったし、うっかり逃がした奴ら以外はうっかり全滅させたから今の所話を聞ける<狂人の殺戮者>の連中もおらんし情報も途切れたしね、レーンアイルとホワイトアイルも寂しがってるやろし迎えにいきましょうか」
ギーラは相棒達に笑いながら話す
「ニャ、そうだニャ、あのブツブツ小娘と楽チンクマをニャ、迎えに行くんだニャ」
シルキャドはサラッとレーンアイルの途切れ途切れの話し方を弄り、さらにサラッといつも抱っこされて楽をしているホワイトアイルも弄ってから頷く
「ウン、サミシイサミシイ、ムカエニイク」
「ハイ、ココモウテキイナイ、アンシンアンシン」
「はい、了解しましたわ」
こうしてギーラ達は集落の門を通りレーンアイルとホワイトアイルを迎えに行く
「ファ~、良く寝た良く寝た」
レコデナンがアクビをしながら起き上がる
「おっ、やっと起きたかレコデナン、やる事なくて死にそうだったぜ」
二メオンが木にもたれかかりレコデナンを見て話す
「わりぃ~わりぃ~、ヤッた後は眠くなるからな、諦めろ二メオン、ギャハハハハハハハハ」
「そりゃそうだ、これからどうする、集落に戻るのか?」
「んっ?、どうしようかな~、何か<狂人の殺戮者>も何となく飽きたからな~、もういいっかなっ、抜けようかな、ギャハハハハハハハハ」
「フッ、あいかわらず飽きるのが早ぇ~な、それでどうする、レコデナン?」
「ん~~~、何~も考えてね~、とりあえずスグラアゼースの町でも向かうかな?、途中で変わるかもしれないがな、ギャハハハハハハハハ」
「分かった、それで行こう」
「お前もあいかわらず素直だな、二メオン」
「あ~あ、お前といると飽きないからな、レコデナンお前はすぐに何でも飽きるがな」
「流石腐れ縁だな、俺の事を良く分かってる、さてっ、それじゃあ行こうかな」
そう言うとレコデナンと二メオンはオオカミ獣人の血が充満してるが、レコデナンが寝てる間一度もモンスターに襲われなかった場所を後にする