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俺とゴブリン達と猫娘と極めてる少女  作者: ありがとう君
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第14話 消えるシルキャド

馬車から降りてしばらく地図を見ながら目印の山を目指して進む、オークが生息しているのが山の麓の寂れた廃家でそこで発見されている、しばらく歩いて行くと目の前に森が見えてきて通れる道が無いか調べるが見つからず、しばらく考えて草を掻き分けてギーラ、シルキャド、トラの順に進んで行く、森の中は静かで風で揺れる草花の音だけで3人は声を出さずに進む、かなり奥まで進み草木に邪魔されながら歩き続け目の前を見ると元は白かったのが窺えるが今は灰色で雑草に囲まれ壁も天井も崩れていて1階建ての家が2つ並んでいるのを発見する


「たぶん、ここかな?」


ギーラは地図と廃家を見ながら言う


「ウン、ニオイスル」


トラがギーラと目の前の家を見て答える


「今はオークはいる?」


「ウン、イル、ゼンブデ、ゴ、イル」


「うん、分かった」


ギーラが頷きオークの姿を探す、すると見にくいが廃れる前は門だったらしき所に2匹のオークが右手に棍棒を持ち左手に首の無い肉の塊を時々口に持っていき醜い顔と笑い方をしながら2人で話しをている、さらに奥に目を向けると崩れた廃家の隅の椅子に他のオーク達より1回り大きなオークが両手持ちの棍棒を壁に立てかけ座っており他の2匹のオークは1回り大きなオークの傍で床に直接座りながら3匹でこちらも醜い顔と笑い方をしながら話しをている


「あの大きなオークがボスやろね」


「ウン、ソウオモウ、ギーラドウスル?」


「そうやね、まず門の所にいる2匹のオークを俺が処分するからトラはそれと同時にボスオークに突っ込んで3匹の相手を頼む、それから門の2匹のオークを処分した俺が後ろから援護する」


「ウン、ワカッタ」


「それでシルキャドはここで待機してて」


「ニャ、分かったニャ」


シルキャドは小さく返事をする


そう告げるとギーラとトラは移動する、木々の陰に隠れながら静かに移動して<百発百中>の届く距離まで進み門の所でこちらに気付いていない2匹のオークの眉間に両腕を振り切り静かに投げナイフを吸い込ませて絶命させる、その投げナイフ2本がオークの眉間に刺さる瞬間にはトラは両足に力を込め凄い勢いで走り出すとその足音に気付いたボスオークは椅子から立ち上がり2匹のオークは慌てて武器を握りしめトラを待ち受ける


「ギャギャギャアアアアアアアアアア」


トラは咆哮を上げまず手前のオークの正面に走り込み勢いそのまま黒い円錐棒を頭部にフルスイングすると頭部は弾け飛び胴体もその勢いで空高く舞い上がる 


「ギャギャギャアアアアアアアア、マズ、イッピキ、コロス」


そうトラが叫び終わると先程吹っ飛ばしたオークの胴体がドサッと音を鳴らして地面に落ちて来て2匹のオークにトラが視線を向けると


「グヒャヒャヒャヒャ、ナンダコイツ、シネ」


「グヒョグヒョグヒョグヒョ、コイツシンダ」


残りの1匹のオークとボスオークが口から涎を垂らしながら叫ぶと棍棒と両手用の棍棒を握り締めた2匹のオークがトラに襲い掛かる、しかし残りの1匹のオークの棍棒は途中で動きを弱まり力無くトラの前で空を斬る


「おしゃ、トラ1匹倒したから残りのデカイ1匹は頼んだっ」


門の2匹のオークを倒してからギーラは走り、トラに襲い掛かるオークの額と棍棒を持つ右の手首に投げナイフを突き刺して絶命させるとトラに叫ぶ


「ウン ワカッタ マカセロ」


そうギーラに叫び返しながら円錐棒でボスオークの1撃を受け止め睨み合う


「オマエ、コロス」


トラがボスオークの両手用棍棒を目の位置で受け止めながら


「グヒョグヒョグヒョ、オマエガ、ジネェェェ」


ボスオークが言い放ち俊敏な動きで後ろに飛び距離を取る


「グヒョグヒョ、オマエコロシテカラ、ツギハニンゲンダァァァァ」


最後の部分を言い終わらぬうちに両手用棍棒を右上から振り下ろしながら両足に力を込めトラに飛び込む、トラは1歩前進して円錐棒で受け止めボスオークを少し後退させてからすぐに円錐棒を右から左に振り切るがボスオークもその1撃を両手用棍棒で受け止める


「グヒョグヒョグヒョ、オマエノアタマ、ツブス、ジネェェェェェ」


叫びながら両手用棍棒を真上からトラに向けて振り下ろすがその攻撃はトラには届かず目の前で空を斬る


「ウン、オマエ、バカダ、コレデコロス、オワリダ」


トラが言い放つと黒い円錐棒をボスオークの頭部に真上から振り下ろす、何故攻撃が届かなかったのか不思議そうな醜い顔をするボスオークの頭の部分が腹の位置まで来るまで円錐棒を体にめり込ましてから


「ウン、アタマツブス、オマエダッタ」


トラが言い終えボスオークを見下ろして両手用の棍棒を見るとグリップ部分だけしか残っていない両手用棍棒を握り締めながらトラの振り下ろした円錐棒が腹の位置まで届き絶命しているボスオークの死体が地面に転がる


「フンッ」


と言い円錐棒を引き抜きブンッと一振りして血糊を吹き飛ばし肩に担いでから


「ウン、ギーラ、オワッタ」


トラがギーラを見る


「トラ良くやったな~凄いな、俺ボスオークと戦ってる時<百発百中>使う暇無かったわ」


ギーラがトラに笑顔で向かって歩きながら答える


「ウン、アレハ、ダイジョウブ、エンゴ、ダイジョウブ」


「そうか~、けど途中でボスオークの棍棒がグリップから先が木っ端微塵に壊れて助かったな」


「ウン、アレハサイショノイチゲキ、ウケタ、コワレタ、トラ、ワカッタ」


「へええ~、そうなんや最初の1撃受けて棍棒が壊れると分かったんや~トラ凄い」


「ウン、トラ、スゴイ、エッヘン」


トラは褒められて胸を張り喜んでいる


「うんうん、トラは凄い凄い」


そう言いながらトラの腰をポンポンと2回叩く


そうして話をしていると奥からシルキャドがタッタッタッタッと音を鳴らして2人に向かって走って来る


「ニャ、戦いは終わったのかニャ?」


「うん、終わったよ」


「ニャニャニャ、良かった良かったニャ、そうニャ、ギーラ聞いて欲しいんだニャ?」


シルキャドが不思議そうな顔でギーラに聞いてきた


「んっ?どうしたシルキャド」


「ニャ、さっき奥で隠れててニャ、ギーラ達が心配で意識をギーラ達に集中し過ぎててニャ、周囲の意識をチョットニャ、チョットだけなんだけどニャ、忘れてしまってニャ、ごめんなさいニャ、それでニャ、何か気配がして後ろを振り返ったらニャ、大きな大きなモンスターとバッチリ目合ってニャ、私頭からガブリッと食べられて死ぬかと思ったんだけどニャ、何故かそのモンスターがニャ、そのまま普通に向こうに歩いて行ったニャ~何でなのかニャ?」


「う~ん、それは不思議やね何でかな~、その大きいモンスターとはバッチリ目合ったんやもんね?」


「そうニャ、バッチリニャ、バッチリニャ、私頭からガブリッっと食べられる思ったニャ」


「そっか~、何でやろか?・・・・・それじゃあ~試しにその場面を思い出してもう1回集中してみて?」


ギーラは腕を組んでしばらくう~ん考えてからシルキャドに言ってみる


「ニャ、どうするニャ、私は分からないニャ???」


「そうやね~、そしたらそこの木の裏に行って隠れる事と俺とトラの事に意識集中してみて」


「ニャ、分かったニャ、意識集中してみるニャ」


そう言ってシルキャドはうんと頷くとタッタッタッタッと足を鳴らして木の裏に小走りで向かってギーラとトラの視界から消える


「シルキャド~、意識集中出来た~」


「ニャ、OKニャ、準備出来たニャ~」


「OK、それじゃあ~行ってみるね~」


返事を聞いてギーラとトラはその木に向かいそこを覗くがシルキャドの姿は無い


「んっ?、シルキャドおらんやん・・・・・どこに行った?」


「ウン、イナイ、シルキャド、ドコ、イル?」


2人で木の裏や木の上を見るが見当たらない


「シルキャド~、どこに行った~?」


ギーラが呼びかけると


「ニャ、私は正面にいるんだニャ」


「エッ???」


「ニャ、居るニャ、ギーラの目の前の足元にいるんだニャ」


「エッ???」


そう言われて驚きながらギーラが足元に両手を伸ばして手をフラフラさせていると丁度膝上あたりの何も無い空間にいきなり物体があり、ギーラは箱の中に両手を入れて中の物を当てるゲームで最初に触ったリアクションみたいなウワッて声を上げ慌てて手を引き上げる、それからまたゆっくりとそこの空間に恐る恐る両手を持っていきペタペタ触りだす


「ウワッ、何やこれ・・・・・ここに何かある?、んっ?、これは何やサワサワして少し気持ち良いな~」


と撫でたり摘んだり引っ張ったりしていると


「ニャハハハハハハ~、ギーラくすぐったいニャ、そこは私の耳なんだニャ」


目の前の何も無い空間から笑い声が聞こえる


「マジか~、マジなんやな・・・・・シルキャドがここにおるんやな」


不思議な感覚でギーラが頷きながら納得する


「ニャ、ギーラは私の事ニャ、もしかして見えて無いみたいなのかニャ?」


シルキャドは自信がある口調でギーラに聞いてくる


「うん、全然見えないし触るまで居場所が分からんよ」


「ニャハハハハ、そうなんだニャ、だからさっきのモンスターも気付か無かったんだニャ、これで納得ニャ、納得したんだニャ」


「ウン、ニオイモキエル、トラ、ニオッテモ、シルキャド、ワカラナイ」


そこで仁王立ちでギーラが何も無い空間を触るのを黙って見ていたトラが鼻をクンクンさせて話す


「これはもしかして、イヤ・・・・・完全に透明になれるって事やね、トラの鼻でも分からんし、それにしてもシルキャド凄いな~透明になれるとか全人類の男の夢を叶えるとはこの幸せ者~、あ~悔しい~ あ~悔しい~ あ~悔しい~~~~悔し過ぎる・・・あ~ギリギリギリギリ、あっ独り言出て・・・ あっ奥歯が欠けて口の奥から血が出て来た・・・、けどあ~悔しい~」


最後の言葉の部分はこの男のアホの病気が発症したがトラとシルキャドはスルーして


「ウン、コレハ、スゴイナ」


トラも驚きながら頷き


「ニャハハ、これで2人の役に少しはたてるニャ、後ギーラいつまでニャ、私の耳触ってるニャ、ず~とくすぐったいニャ、ニャハハハハハ~~~」


「あっ、ごめんごめん、ビックリと無我夢中と気持ち良さでつい・・・・・まあ~これで戦略のバリエーションが増えるな」


ギーラは名残惜しそうに渋々シルキャドの耳から手を離しながら病気も治まり答える


「ケド、ドウヤッテ、キエル?」


トラがシルキャドに聞く


「ニャ、多分だけどニャ、集中して隠れる隠れる強く思うとニャ、見えなくなると思うんだ思うニャ」


「そうか~なるほどイメージで消えるんか・・・・・異世界恐ろしい、まあ~けど使える物は使ってシルキャド透明化で宜しくね」


「ニャ、任せろニャ、頑張るニャ」


「ウン、ガンバレ、ガンバレ」


「よしっ、では恒例のめでたい事があったから拍手をしますよ、はいっ、皆さん拍手開始~パチパチパチパチパチパチパチパチ」


3人で円になりギーラの誘導で拍手をしてギーラ、トラ、シルキャドは笑みを浮かべて謎の拍手の時間が過ぎて行く


 


 






 






  












 

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