第138話 狂人の殺戮者 18
「ニャ、ニャハハハハハハハハ、あっ、ギーラ、トラ、やっと来たんだニャ」
シルキャドは大笑いで腰に両手を当てて空を見ていてが、ギーラとトラが横に来て存在を確認すると大笑いの体勢はそのままだが顔だけ向けて声を掛ける、オトギとローズメルファは笑いを止めてギーラとトラを見る
「うん、来たけどシルキャドそろそろ大爆笑止めてもらってもええと思うんやけどね・・・・・」
ギーラは綺麗なエビ反りでまだまだ大笑いのシルキャドと目が合い無の感情で言う
「ニャ、ニャハハハハハハハハ、ニャ、しょうがないニャ、今回はニャ、ここまでにしといてやるニャ」
シルキャドはそう言うと素早く大笑いとエビ反りを止めて体勢を戻す
「それで、この家の中に<狂人の殺戮者>でこの集落のボスがいてるんやね?」
ギーラは「シルキャドだから、シルキャドだから」と気分を切り替えて声を出す
「そうですわ、家の中から今までの方々とは雰囲気が違う気配がしてきていますわ」
「ハイ、ニオイ、スル、タノシクナリソウ」
ローズメルファとオトギが返事をして、トラが横で頷いている
「ニャ、所でニャ、レーンアイルとホワイトアイルはニャ、どうしたんだニャ?」
シルキャドが不思議そうな顔でギーラの周囲を見て聞く
「うん、レーンアイルとホワイトアイルはね、死体にまだ慣れていなくて俺達と別行動で動いてもらう事にしたん・・・・・・・・・・」
ギーラがシルキャドに説明をしているとギーラ達の前の家の扉が、トラ、オトギ、ローズメルファの同時の声の「来る」と同じタイミングで開いてギーラも途中で言葉を止めて建物から出て来た人物を見る
「人の家の前で笑ったり話をしたりうるさいですね、もう少し静かにしてもらうと助かるのですがね」
「副隊長よ、副隊長に外がうるさいからって誘われて出て来たけどよ、こいつら一体何なんだ?、俺に関係でもあるのか?」
「さあ、どうでしょうね?、関係が無ければわざわざこんな集落まで来ないですし、我々の部下も殺さないでしょうね、一応話でもしてみますか、バルペシ?」
「イヤ、話はめんどくせ~からいいや、それに来た理由が何であれ、部下が何人死のうが俺には関係無いからどうでもいいや」
「それはそうですね、バルペシはあいかわらず話が簡単で助かります」
「へえ~、良く分からんが、まあ~いいっかっ」
扉が開くと中から2人の男が出てくる、先に出て来たテレンサー副隊長は髪は金色で目は青色で少し吊り上がり口元を歪ませながら腰に片手剣を携えている、後から出て来たバルペシは髪は黒色で短髪で口の周りの髭を伸ばし放題で背中に大きな棍棒を背負ってめんどくさそうにアクビをしてテレンサーに続いて話をしながらギーラ達の前で立ち止まる
「お前達は<狂人の殺戮者>だな?」
ギーラはテレンサーとバルベンを見ながら聞く
「えええ、そうですよ、それが何か?」
テレンサーは4本腕のギーラを珍しそうに見て答える
「じゃあ殺す」
ギーラはそう言うと相棒達にしか見えないアンデルケスに貰った透明な投げナイフを握って準備していて4本の腕から同時に振りかぶって投げる、するとテレンサーは体に4本同時に投げナイフが刺さり砂埃を上げて凄い勢いで吹っ飛んで出て来た家の扉を木っ端微塵に吹き飛ばして家の部屋の反対方向の壁に張り付くようにして止まる
「んっ?、テレンサーが吹き飛んだ?」
バルベンはギーラの腕が珍しいと思って見ていて、その4本の腕を振りかぶったと同時にテレンサーが吹き飛ぶのを目で捉えて思わず振り返って部屋の反対側に貼り付いた様に動かないテレンサーを見る、その瞬間にトラとオトギが籠手で装備された右腕を同時にバルベンに殴り掛り、シルキャドは透明化を完了して移動して、ローズメルファはテレンサーが吹き飛んだ場所に走って行く
「ウン、ドコミル、オマエ、シネ」
「ハイ、ヨソミ、ダメ、シヌ」
トラとオトギの右ストレートの一撃がもの凄い唸りを上げてバルベンの頭部を挟む様に迫る
「うへっ、やばっ、ギリ」
バルベンはトラとオトギの豪腕の風圧と音でギリギリ感知して奇跡的に頭を引っ込めて即死を防ぐ、その後トラとオトギは籠手を装着した右腕どうしが殴り合い轟音と青い火花を撒き散らして右腕どうしが吹き飛んで本来なら体全体を持っていかれ数メートル吹き飛ぶ衝撃だったが無理矢理丸太以上の太さの両足の筋肉を全開で踏ん張り太い血管を複数浮かばせてその場で留まる
「ウン、ヨクヨケタ、ヨクヨケタ、マダマダ、トラ、ナグル」
「ハイ、オシイ、オシイ、モウスコシダッタ、ツギハコロス」
さらにトラとオトギは先程の右腕の殴り合いの衝撃のダメージは全く感じずにさらに先程両足で踏ん張ったエネルギーも力に加えて最初の一撃を超える右ストレートを頭を引っ込めて少し安堵しているバルベンの頭めがけて嬉しそうに再度殴りかかる
「早っ、もう、来るか、化け物め」
バルベンは少し安堵した瞬間にトラとオトギの最初の一撃より強力な二撃目の右ストレートを今度は気配で感知して頭を引っ込めた体勢では回避不可能と一瞬で判断して自然にバルベンは左右の腕をトラとオトギの右ストレートの前に手を広げて防ごうと咄嗟に行動してしまう
「あっ、こりゃ、ダメだ、ミスった」
バルベンが一瞬で判断して自然に出た行為だがトラとオトギの右ストレートに手を広げた瞬間に「ダメだ、ミスった」と頭に浮かんだ瞬間にバルベンの両腕はトラとオトギの右ストレートの豪腕で粉々に弾け飛び肩から血を吹き出して肩から下が無くなる
「イテエエエェェェェェ、ミスッタタタタタァァァァァ」
バルベンは自分の両腕が肩から下が無くなり激痛で思わず取った行動に後悔をして両膝を地面に落とす
「ニャ、やっぱりニャ、トドメは私なんだニャ」
シルキャドはトラとオトギが二撃目を放った瞬間に透明化の状態で飛び上がり空高くジャンプしてバルベンが両腕を無くして膝を付いて叫んでいる時に真っ白い片手剣を両腕に持ち替えて刃の先端を頭のてっぺんから腹の辺りまで突き刺してバルベンが後悔の顔で絶叫の口の状態で絶命させる
「ウン、シルキャド、サイゴ、ジョウズ」
トラはシルキャドと頭に突き刺さる片手剣を見て笑顔で話す
「ハイ、ニカイモ、ナグレタ、ヨカッタヨカッタ」
オトギはシルキャドと自分の赤い籠手で覆われた右腕を見て喜んでいる
「ニャ、流石チームシルキャドだニャ、トラとオトギ、良いサポートだったニャ、にゃははははは」
シルキャドはバルベンが両膝を地面に着いて片手剣が突き刺さって絶命したのを確認して片手剣を頭から引き抜いてから大笑いして自分の手柄と喜んでいる、トラとオトギは無の感情で大笑いのシルキャドを見つめる