第134話 狂人の殺戮者 14
「ウン、オソイ、シルキャド」
「ハイ、ニオイ、スコシ、カワッタ」
「ウン、シルキャド、オコッテ、タタカッタ」
「ハイ、ツヨイヤツ、タタカッタ、ウラヤマシイ」
「ウン、ズルイ、シルキャド、ズルイ」
「ハイ、オトギ、ツヨイヤツ、タタカイタイ」
トラとオトギは集落にゆっくり歩きながら集落のある方向を見て話している、最後の方のトラとオトギの会話は嫉妬だったが
「えっ?、シルキャド戦ったの?、トラ、オトギ」
ギーラはトラとオトギの会話を聞いて驚いてから聞き返す
「ウン、タタカッタ、ツヨイヤツ、ウラヤマシイ」
「ハイ、イマモタタカッテル、コンドモ、ナカナカ、ツヨイ、ズルイ」
「そうなんやね、あんだけ偵察だけって言ったのに・・・・・」
「ウン、ソレニ、シルキャド、ヒトアツマッテクル」
「ハイ、シルキャド、ヒトリニナル、ニンゲン、タクサンナル」
トラとオトギはシルキャドの敵が増えると話す
「うわっ、そうなんや、どないしよう」
ギーラが少し悩んでいると
「ウン、シルキャド、イケ、トラ、ギーラタチ、マモル」
「ハイ、ワカッタ、シルキャド、タスケル、ギーラ、イイカ?」
トラがオトギに助けに行けと話し、オトギがギーラに聞く
「うん、分かった、それじゃあお願い、オトギ、シルキャド助けに行って」
「ハイ、ワカッタ、スグイク、シルキャド、タスケル」
オトギは言い終わるとドンッと地面を蹴り上げて猛スピードで走って行く
「あらあら、オトギは早いですわね、どうしましょうギーラ?、私も行きましょうか?」
ローズメルファがオトギの後ろ姿を見ながらギーラにいつもの笑顔だがギーラ達には分かる熱いワクワクした視線でギーラに聞く
「ははは、そうやね、ローズメルファ、お願いしようかな・・・・・」
ギーラはローズメルファの表情を察知して「止めれません、そのワクワク顔は止めれません」と考えて了承する
「はい、それでは行って参りますわ」
そう言うとローズメルファはギーラに頷くと音も無く走り出した
ギーラはローズメルファの姿が見えなくなってからホワイトアイルを胸で抱っこして無言のレーンアイルに一応「レーンアイル達はどうする?、行く?」の視線を送るとレーンアイルとホワイトアイルは無言で首を同じタイミングで横に振っていた
「お譲ちゃん、早く俺を殺さないと大変な事になるぜ、ぎゃははははははは」
ニメオンはシルキャドの攻撃を剣で受け止めて顔を近づけて話す
「ニャ、何が大変になるんだニャ?」
シルキャドは二メオンの言葉に聞き返す
「ぎゃははははははは、ここはお譲ちゃん、俺達の仲間がた~くさんいるんだぜ、これだけ時間を掛けて戦っていれば危なくなるぜ、そろそろみんな気付いて集まってくる頃だと思うぜ」
「ニャ、そうだニャ、そう言われればそうだニャ、今気付いたニャ」
「ぎゃははははははは、お譲ちゃんは素直だな~、どうするんだ?、逃げるのか?」
「ニャ、バカなのかお前はニャ?、私が逃げる訳が無いニャ、戦うに決まってるニャ、まだまだニャ、私にはニャ、必殺技があるからニャ」
「そうかそうか、それなら頑張るんだな、その必殺技とやら楽しみにしとくぜ」
二メオンはそう言うとバックステップをして距離を作る、すると集落のボロボロの門から数人の<狂人の殺戮者>のメンバーがシルキャドを囲むように包囲しながら出てくる
「おい、おい、二メオン何猫族の娘と遊んでるんだお前、さっきからうるせ~んだよ、とっとと終わらせろ」
シルキャドを包囲した男の1人が声を出す
「うるせえのはお前だ、もっと早く来い何やってんだ、レコデナンも趣味の時間で森の中に行ってしまうし、このお譲ちゃんも動きがちょこまかはえ~し時間稼ぎも大変なんだぜ、早くみんなで殺っちまえ」
「うるせえ、二メオンお前が命令するな、けどしかたね~な、こんな所で暴れられて生かしておくと俺達の恥だからな、分かった手伝ってやるぜ」
男がそう言うとシルキャドを包囲していた男達が各々の武器を構える
「行くぞおおおおお、お前らああああぁ」
二メオンが叫ぶとシルキャドを包囲していた<狂人の殺戮者>達は一斉にシルキャドに各々の武器で襲い掛かる
「ニャ、来たニャ、消える消える消えるニャ」
シルキャドは一斉に襲い掛かられると最後の「消えるニャ」で透明化をする
「な、な、何、消えたぞ」
「あ、あ、あいつ、き、き、消えやがったぞ」
襲い掛かって来た二メオン達が驚いて一瞬動きを止めて声を上げる、その隙にシルキャドは一番前に襲い掛かって来た男の頭まで跳躍したと同時に真っ白い片手剣をその男に突き刺してからその頭を土台に蹴りを入れて包囲の輪から脱出する、それからシルキャドの姿を認識出来ていない<狂人の殺戮者>達を一方的に背後から首を狙って攻撃する
「ニャ、これが私のニャ、必殺技なんだニャ、ニャハハハハハハハハ」
シルキャドは素早く5人の首を切り落としてから、かなり距離を作り透明化を解いて楽しそうに笑う
「くっ、消える事が出来るのか、信じられん、それに5人もやられたか」
二メオンは遠い距離で笑うシルキャドと首が無い5人の死体を見て囁く
「ニャ、後残っているのがニャ、7,8,9、10、これ以上数えれないけどニャ、もうそれだけなんだニャ、ニャハハハハハハハハ」
シルキャドは残り12人だが10まで数字を数えて諦めながらまた大笑いをする
「くそっ、舐めやがって、おいっお前、こっちに来いじゃないとこいつを殺すぞ」
二メオンは大笑いの遠い距離のシルキャドに追いつけないと考え、十字架に貼り付けで震えている少年を指差して叫ぶ
「ニャ、それは困るんだニャ、けどニャ、その少年を殺しても殺さなくてもニャ、お前達は必ずニャ、殺すんだけどニャ、ニャハハハハハハハハ、それとニャ、お前ニャ、さっき時間を掛けると危ないとか言ってたけどニャ、お前も時間を掛けて大丈夫なのかニャ?、ニャハハハハハハハハ」
シルキャドは何がツボなのか分からないが猫目から涙を溢れさせて大爆笑の連発している
「な、何、何が言いたい?」
二メオンとその仲間もシルキャドの言葉と大笑いに困惑とイライラをして、柱に貼り付けられている少年から意識が完全に無くなり全員がシルキャドを殺す事に全力を向ける、シルキャドは計算や悪気は無くただ大爆笑しているだけだが・・・・・
「クソッ、どこまでも舐めやがって、あの猫族だけは絶対殺すからなお前ら行くぞおおおおおぉ」
二メオンが叫んでシルキャドに襲い掛かろうと全力で走り出すと、シルキャドの背後からオトギが全力で走ってきてシルキャドの横でピタリと止まり、少し送れてローズメルファがいつもの笑顔でゆっくりと横に止まる
「ハイ、シルキャド、ズルイ、オトギ、コロススル、アト、タスケニキタ」
オトギはシルキャドに笑顔で話す
「あらあら、シルキャド、後でギーラに怒られるかもしれませんよ、うふふ、偵察だけのお約束でしたからね、ですがあの少年を見れば助けたくなりますわね、うふふ」
ローズメルファは貼り付けの少年を見てから、まるで<狂人の殺戮者>の存在など見えないかの様にいつもの笑顔でシルキャドに話している
「ニャ、良く来たニャ、オトギとローズメルファ、嬉しいニャ、ありがとニャ」
シルキャドは大笑いを止めて笑顔でオトギとローズメルファに礼を言う
「ニャ、お前達ニャ、時間を掛けすぎてニャ、ゲームオーバーだニャ、この2人はニャ、ヤベ~んだニャ、ニャハハハハハハハハ」
シルキャドはまたすぐに大爆笑をして二メオン達に話し掛ける
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