第123話 狂人の殺戮者 3
「ニャ、ふわ~~~~~~~ニャ」
屋根の上でシルキャドは透明で気配を消しているが大きなアクビをして正面の建物の扉を見ている
「ニャ、それにしてもニャ、あいつらニャ、中で何をしているのかニャ、もうこの場所も監視も飽きてきたニャ」
基本自由に動き周り我慢強く無くワガママなシルキャドは2時間程の2人組の男達の監視は我慢の限界が近付いて来ている
「ニャ、う~ん、良し決めたニャ、とりあえず建物の中に入ってニャ、誰にも見つからない様にコッソリあいつら殺す事に決めたんだニャ」
シルキャドはローズメルファが先程酒場で色々説明した事を全部忘れ去って動き出した所で正面の建物から2人組の男達が出てくる
「ニャ、出て来たニャ、それじゃあニャ、また追いかけるとするかニャ」
シルキャドは「誰にも見つからない様にコッソリあいつら殺す」と数秒前に決めた事もすっかり忘れ去って起き上がり屋根から屋根に物音一つ無く追跡を再開する
「おいっ、それにしても中々良かったな」
「あああ、最高だったぜ」
「これで当分はこの町の中での女遊びは我慢だけどな」
「あああ、まあ~そうだな、それにそろそろ戻ろうか、俺達のこの町の仕事はもう終わってるからな」
「そうだな、しょうがないが戻るとするか」
2人組の男達はそんな会話をしながら町の出口に戻り人々が行き交う大きな門を通り抜け町の外に出て行った
「ニャ、やっとだニャ~、やっとあいつら町から出て行ったニャ」
シルキャドは2人組の男達がまったく無警戒なので、少し前に<透明化>を既に解いて普通に距離をとった状態で頭の上に両手を添えて男達が町の外に出て行くのを確認する
「ニャ、それじゃあニャ、あいつらが町から出て行った事をニャ、早速みんなに報告だニャ」
シルキャドはクルリと振り返ると酒場に向かって走り出す
「ニャ、あいつらがやっとニャ、やっとだニャ、町の外に出たんだニャ」
シルキャドはテーブルに座るローズメルファに耳元に嬉しそうに小声で話す
「そうですか分かりましたわ、ご苦労様でしたシルキャド、それでは私達もすぐに追いかけましょうね、トラはギーラを運んで頂けますか、それとあの2人組の場所はオトギ分かりますか?」
ローズメルファは素早く立ち上がると今だに涎塗れでテーブルで熟睡しているギーラをトラに頼んで酒場の出口に向かいながら歩き出す
「ハイ、オトギ、アイツラノニオイ、オボエテル、マカセロ」
「それじゃあ2人組のあの方達に色々お話を聞きに行きましょうかね うふふ」
ローズメルファはニコニコ笑顔で言うと2人組の男達が出て行ったスグラアゼースの出口の大きな門の場所にシルキャドの案内で早足で移動する、レーンアイルは最後尾から酒場を出て前を見ると何故かトラが嬉しそうにギーラを軽々とお姫様抱っこで運んでいたがソッと見て見ないフリでローズメルファを追いかける
「あ~あ今から戻るのはダルイな~」
「そうだな~、何か戻る前に気分転換に殺せる人間か獣人でもいたら少しはマシなんだけどな」
「ま~な、遊郭で女遊びもいいけど俺達は殺しもセットで楽しみたいからな」
「とりあえず戻る前には適当に殺してから行くとするか~」
「あ~あ、そうだな」
2人組の男達はスグラアゼースの町からフラフラ歩いて適当な獲物を物色しながら仲間が滞在する場所に向かって歩いている
「ハイ、アイツラムコウ、アルイテル、フラフラ、ユックリ」
オトギがスグラアゼースの大きな門を出て3本指の1本を道の先に指して言う
「そうですか、ありがとうオトギ、ではその方向に行きますわ」
ローズメルファがオトギの指した方向に移動しようとした瞬間
「ニャ、分かったニャって・・・・・トラ・・・・・ギーラを気持ち悪い運び方をニャ、してるんだニャ・・・・・」
シルキャドは何となく振り向いてお姫様抱っこのギーラと嬉しそうなトラを見て聞く
「ウン、トラ、ギーラハコブ、ローズメルファ、イッタ」
トラは真剣な眼差しと嬉しそうな顔でシルキャドに答える
「まあまあ、シルキャド今は2人組の方々を追いかけましょうか、確かにトラがギーラをお姫様抱っこは違和感はもの凄いですけどね うふふ」
「ニャ、そうだニャ、涎塗れで使えないギーラがニャ、どんな運び方されてもニャ、今は関係無いニャ」
シルキャドはそう言うと先に早足で歩き出しているローズメルファを追いかける、トラはあいかわらず嬉しそうにギーラをお姫様抱っこで歩き出し、オトギはトラを羨ましそうな顔で見てからハッと何かを思い出した顔をして何故かエアーでギーラをお姫様抱っこをしている体勢をして追いかける、レーンアイルはホワイトアイルを強くギュッと抱きしめてオトギのエアーお姫様抱っこを確認して「・・・早く・・・慣れようね・・・ホワイトアイル」と口だけ動かしてからソッと見て見ないフリで相棒達を追いかける