第116話 おしい所
「ニャ ホワイトアイル 静かだニャ 眠たくなったかニャ?」
「ウン チイサクナッテ ハナシ ナイ」
「ハイ オトギ マタ テヲツナグ ヤル」
ギーラ達は馬車に乗りトラとシルキャドとオトギが雑談で盛り上がってからレーンアイルに抱きしめられている無口のホワイトアイルに気が付いて声を掛ける
「・・・あの・・・ホワイトアイル・・・知らない人や馬車屋の人近くにいるから・・・おしゃべりしない・・・」
レーンアイルがホワイトアイルをさらに強く抱きしめてから話しをする
「ニャ どういう事ニャ 私は訳が分からないニャ?」
シルキャドがレーンアイルの目を見て?マークの猫目になって聞く
「・・・うん・・・え~と・・・」
レーンアイルがシルキャドに注目されて少しパニックになりながら説明の仕方を考えている
「ねえ シルキャド 僕が説明するよ だけど馬車屋の人には僕が話しを出来る事は秘密にしてね トラとオトギもお願いね」
ホワイトアイルは馬車屋の従業員がこちらの話を聞いていない事を確認してから 口を動かさずに口のある場所から声を出して話す
「ニャ 分かったニャ それじゃあニャ 聞いてやるからニャ 説明を早く私にするんだニャ」
シルキャドは頷きながら天然なので偉そうに話し トラとオトギはホワイトアイルの動かない口から声を出るのが不思議そうな目で見て同時に頷く
「うん 僕の姿は見る人が見たら怖くて恐ろしい姿なんだ だから今から行く町は僕を始めて見る人だらけだから小さな姿でレーアイルに抱っこしてもらって話しをしない様にして行動する事に決めたんだ 僕の今の小さな姿なら大丈夫みたいだからね」
ホワイトアイルは話す
「ニャ 色々な人がいるんだニャ 私は大きなホワイトアイルはニャ 可愛いんだけどニャ まあニャ レーンアイルとホワイトアイルがニャ 決めた事だからニャ 私はニャ どうでも良いんだけどニャ まあ分かったニャ 私は頑張って覚えとくニャ」
シルキャドは頷いて話す
「ウン ホワイトアイル シラナイヒト ハナサナイ ワカッタ」
「ハイ オトギ ホワイトアイル マチノナカ ハナシ シナイ」
トラとオトギもホワイトアイルの動かない口をガン見しながら返事をする
「うん ありがとう トラとシルキャドとオトギが もしも忘れて僕に話し掛けて僕が無視をしても怒らないでね」
ホワイトアイルは少し笑いが入った言葉で冗談っぽく話す
「ニャ 当たり前だニャ 心配は余計な事だニャ 私がニャ 忘れるわけが無いからニャ ニャハハハハハ」
シルキャドは自信満々に笑いながら答える レーンアイルとホワイトアイルは直感的に「あっ シルキャド 絶対忘れる」と頭の中に浮かんだがシルキャドの大笑いをただ黙って見ている
「ウン トラ ハナシガスキ ダカラ ホワイトアイル ドコデモ ハナシヲスル」
「ハイ オトギ ハナシムシキライ ダカラ ホワイトアイル コタエルマデ ハナス」
トラとオトギは数秒前のホワイトアイルの言葉をすっかり忘れて動かない口をガン見しながら素直に思った事を何も考えないで大きな口からただ吐き出す
「ニャ 何なんだニャ それはニャ ホワイトアイルの話をニャ ちゃんと聞いてたのかニャ? ホワイトアイルはニャ 町の中や知らない人がニャ いる時はニャ レーンアイルにニャ 抱っこしてもらってニャ 楽をしたいからニャ 誰とも話をしないとニャ さっき言ってたんだニャ」
シルキャドはトラとオトギを見てホワイトアイルの数秒前の話を既に少し忘れて自分なりに「楽をしたいからニャ」を付け足して二人に言い聞かせるように微妙におしい所まで覚えて自信満々に話をしている
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
レーンアイルとホワイトアイルは「あれっ 厳しいっす 筋肉ムキムキ兄妹と天然猫娘 厳しいっす」と頭で考えてから言葉が出なかったので無言でトラとシルキャドとオトギを見つめる
「まあまあ 簡単な事だよ トラ シルキャド オトギ ホワイトアイルは町の中や知らない人がいる時は本物のぬいぐるの様になって行動するって事だから ぬいぐるみは普通話をしないでしょ?」
相棒5人の話を聞いていたギーラが顔を向けて話をする
「ニャ そういう事だニャ OKニャ」
「ウン ヌイグルミ ハナシヲシナイ」
「ハイ ギーラ ワカッタ」
トラとシルキャドとオトギは一応話は分かったらしく元気な声で返事をギーラにしている それからホワイトアイルの話も終了して他の雑談でギーラ達は盛り上がる
「ニャ 所でニャ レーンアイルとホワイトアイルはニャ 強いのかニャ?」
シルキャドはギーラが前の世界の俺の好きな曲がり角ベスト100を93位まで雑談中に意気揚々と話をしていた時にシルキャドが飽きたのかそれとも突然思い付いたのか天然なのでいきなりレーンアイルとホワイトアイルに聞く ギーラは少し悲しい顔でシルキャドを見ていた
「・・・えっ・・・私・・・分からない・・・戦った事無いから・・・」
レーンアイルがギーラの話を楽しく聞いていてシルキャドに名前を呼ばれてビクッと驚いてから小さな途切れ途切れの声で答える
「ニャ そうなのかニャ まあニャ 私が守るからニャ 安心するんだニャ ホワイトアイルはニャ どうなのかニャ?」
「うん 僕もあまり争いや戦いが好きじゃ無いからレーンアイルを守る時ぐらいしか戦わないから分からないけど 今まで小さな傷だけど痛みとかは感じた事は無いけどね」
「ニャ 痛いと思わないのかニャ それはニャ どのぐらいのニャ 傷なのかニャ?」
シルキャドは興味を持って聞いてギーラとトラとオトギとローズメルファは聞きたそうにホワイトアイルを見ている
「うん 一回 レーンアイルが小さい時に近所の森の中で散歩をしている時に野生の熊3頭からレーンアイルを守る為に戦った時には首を噛み千切られて頭が取れて左足の太ももを熊の爪で薙ぎ払われてボロボロになってしまったけどその時も痛みはまったく感じなかったね」
「ニャ それはニャ 小さな傷じゃなくてニャ 大きな傷だけどニャ それでどうやって体を直したのかニャ?」
「うん 太ももの部分はレーンアイルに縫ってもらって 首から上の顔の部分は熊達に噛まれたりで使い物にならなくなったからレーンアイルに新しい顔を作ってもらったんだ」
ホワイトアイルはその時の新しい顔を作ってくれて喜んだ事を思い出してレーンアイルを見て話す レーンアイルも思い出して喜んでいる
「ニャ なるほどニャ ホワイトアイルはニャ 痛みを感じなくてニャ 首から上が無くなってもニャ 死なないんだニャ 流石ぬいぐるみだニャ」
シルキャドは驚きと少し呆れながらフウ~と息を吐いている 他の相棒達もフウ~と息を吐いている そしてギーラ達のスグラアゼースの町の帰りの馬車の中の話はもう少し盛り上がって行く