第103話 屋敷 3
ギーラ達は罠だった鉄の扉から離れてまた屋敷の正面が見渡せる場所まで戻る
「うわっ ローズメルファ 手の平の複数の針の穴の傷もう治ってるのね?」
ギーラはローズメルファの手の平を心配していて屋敷の全体を見てからローズメルファの手の平を見せてもらって話す
「はい これぐらいの傷やあの程度の毒攻撃ぐらいでは<呼び寄せ>で私達専用のお医者様を召喚するまでも無く自然治癒で問題はありませんわ」
ローズメルファは完全に治った手の平を広げて見せて話す
「へ~ それはそれは便利な体ですな」
ギーラはローズメルファの綺麗に治った手の平を見ながら「もう 驚くまい」と思い答える それからギーラ達は屋敷を見ながら侵入方法を話し合い考える
「ニャ やっぱりニャ 前にも言ったけどニャ あの大きな窓からニャ 入れそうだけどニャ」
シルキャドはたまにやる授業参観で子供が見に来た親に良い所を見せようと手を上げてアピールするみたいに猫耳の横に手をピンッと立てて手の指を綺麗に揃えて少し上下に動かしながらギーラを見て言う
「そうやね 今度はそれを一回試してみよかな」
ギーラは「シルキャドさん その姿俺は好きですよ」と思ったがもちろんクールな表情で答える
「ニャ さてどうするかニャ?」
「まずはあの大きな窓が罠かどうかさっきの鉄の扉みたいに危険かどうかとか安全に中に入れるのかを調べたいね」
「ニャ それじゃあニャ そこらへんに落ちている石を投げて見てニャ 普通に窓が割れるかどうかをニャ 見てみようかニャ?」
「うん まあ それも試してみよかな それじゃあシルキャド石を投げてみて」
「ニャ 分かったニャ 私に任せるんだニャ」
シルキャドは地面に落ちている手頃の石を広い右肩をグルングルン回しながら言う
「ニャ 行くニャ 私のニャ スーパーマックスハリケーンストレート投法ニャ~~~」
シルキャドは「えっ? 嘘やろ」と相棒達全員が思った言葉を叫びながら超普通のスピードの石を大きな窓に向かって投げた 投げられた石は大きな窓のど真ん中に当たってガシャーンの音と共に粉々に割れる
「ニャ どんなもんだニャ 私のニャ スーパーレインボークラッシャーナックル投法はニャ にゃははははは」
シルキャドは満足顔で笑いながら相棒達を見て話す 突っ込むセリフ はあるが相棒達はスルーする
「・・・・・まあ良いでしょう けどあそこの窓は普通のガラスで出来てたのね?」
「はい そうみたいですわね あそこの大きな窓からなら屋敷の中に入れそうですわ」
「「「ギーラ モット マド ワッテモイイカ?」」」
トラとオトギがシルキャドの事を真似したくて手頃な石を握って肩をグルングルン回しながらお願いしてギーラにハモリながら聞いてくる
「・・・・・こ、こ、今回はもう大丈夫だから我慢しようかな・・・・・次はお願いしようか~な~ 多分もしかしたらお願いすると思うから今は我慢しようかな」
ギーラは「入り口は一つで十分ですから それにテンションが上がって握ってる石握りつぶしてますけどね」と考えて次回もお願いする気0で答えてトラとオトギを諦めさせる
「「「ソウカ ワカッタ ヤメル」」」
トラとオトギは大きく頷いて納得してサラサラになった石を不思議そうに見てからパンパンと砂みたいに細かくなった石を手を合わせて払い落としている それからギーラ達は割れた大きな窓まで移動する
「うん 中には何もいないし異常も無いみたいやね」
ギーラは窓枠から顔だけ出して屋敷の部屋を見ながら言う
「トラ オトギ 何か臭いする?」
ギーラは念の為トラとオトギに聞いてみる
「「「ダイジョウブ ニオイ シナイ」」」
トラとオトギは同時にハモリながら頷く
「じゃ 中に入るね トラ オトギ ありがとう」
ギーラは礼を言ってから窓枠に残っているガラスの破片を投げナイフで綺麗にしてから屋敷の中に進入する それに続いて相棒達も中に入る
「まあ あれだけ外で騒がしくして窓まで割ったら 流石に屋敷の中に敵がおったら気付くでしょうね」
ギーラは部屋の中を見渡しながら独り言を言う 部屋の中は客室らしく大きなダブルベットに家具が備え付けられている
「そうですわね 鉄の扉の音に窓ガラスの割れる音流石に気付いてますわね」
ローズメルファは地面に落ちているガラスの破片に気を付けながら部屋を観察してギーラの独り言に気付いて答える
「ニャ それならニャ 敵もニャ 何か行動起こさないかニャ?」
シルキャドはキョロキョロ興味津々で部屋を見ながら言う
「そうですわね まあ私達は屋敷の調査の為に進まなくてはいけませんから敵に出会えばその時に対処するしか無いですけどね」
「よし ここの部屋は特に異常は無いから扉を開けて進もう」
ギーラは部屋の中を調べてから扉を見て言う
「それでしたら また罠の可能性があるかもしれませんから、私が調べさせて頂きますわ」
ローズメルファはそう言うとワクワク笑いながら部屋の扉の前まで歩き出す
「ローズメルファお姉様 何かゴメンね任せた」
ギーラは言う
「はい 私に任せて下さい」
ローズメルファは頷き笑ってから右手を特に警戒もせずに扉のノブを掴んで回す するとカチャの音と共に扉が静かに開く
「あらあら これは非常に残念ですわ 今回の扉は罠では無くて普通の扉で何事も無く開きましたわ」
ローズメルファは部屋の外の状況を確認してから振り返りギーラ達に少し期待ハズレ感を出しながら話す
「・・・・・それは残念でしたね・・・・・次に期待でもしたらどうでしょうかね? それより外の様子はどんな感じですかね?」
ギーラはローズメルファの残念な言葉にはあまり触れずに外の様子を聞く
「はい そうですわね 通路がL字型に続いてまして敵の気配は無いと思いますわ」
ギーラはそれを聞いて開いた扉の所まで歩いて行って外を覗く ローズメルファが話した通りにL字型の通路が見えて壁には扉が複数設置されていて通路全体は少し薄暗い
「それじゃあ 屋敷の調査をするからね みんな頼んだよ」
ギーラは通路を見ながら言って相棒達の頷きを気配で感じてから歩き出す この通路には扉が3つありすべてローズメルファに開けてもらうが罠などは何も無くローズメルファを少し残念にさせる 3つの部屋の中はどれも最初に入った部屋と特に内装も大きさも変わらず敵や生き物の気配も無く何事も無く調べた証拠に扉をわざと開けたままで先に進む そして通路は右に曲がっておりギーラ達は道なりに警戒しながら右に曲がり歩いて行く すると屋敷の中央部と思われる広いスペースで大きなテーブルが置いてありテーブルを囲むように椅子が並べられている食事をする場所と思われる部屋に着く
「ニャ ここはニャ みんながニャ ゴハンを食べる場所なんだニャ」
「そうでしょうね これを見るとかなりの人数の人がこのテーブルで食事をしていたのでしょうね」
シルキャドとローズメルファはテーブルの上には何も食べ物や食器は乗っていないが白い大きなテーブルクロスを見て話している 部屋の左側の隅には2階に続く階段が目に入り右側の壁に右に続く通路が見えている ギーラ達はこの大きな部屋は何も無いと判断して右側の壁の通路に向かって歩き出す しばらく歩くと行き止まりの壁に長方形の鉄の塊が壁にめり込んである
「あらあら ここは多分ですが屋敷の鉄の扉があった裏側ですね それにしても屋敷の正面の鉄の扉は凄く厚い鉄の塊だったのですね」
ローズメルファはそこで足を止めて鉄の塊を無造作に右腕を肩まで突き刺して鉄の厚さを確認して相棒達に報告する
「ニャ、ローズメルファ、いきなりニャ、突き刺すんだニャ、ビックリしたニャ」
「はい、鉄の厚さを調べたかったですからね、突き刺して調べさせて頂きましたわ」
シルキャドの驚いた声にローズメルファはいつもの笑顔で答える
「ははは、確かに厚さを調べるのはそれが最適やけど・・・、それじゃあ ここが屋敷の正面の裏側と考えるとして、よしっ、ここをスタート地点と考えてまずは1階を調べよう」
ギーラは「ローズメルファは積極的ですな」と思ってから1階を歩いて調べる しばらく歩いても敵に合わず屋敷のマッピングも順調に進んで順調に調べ終わるとギーラ達は一番初めに窓ガラスを割って入って来た調べた証拠で扉を開けたままの部屋の前に戻る
「よし これで1階の調査は終わりやね 特に何も危険な所は無かったからすぐに大きなテーブルが合った部屋の階段を上がって2階も調べよう」
ギーラがそう言い歩き出すと
「ニャ ギーラ 私がニャ 割った窓ガラスニャ もう直ってるんだけどニャ、何でかニャ?」
シルキャドが不思議そうな顔で開けたままの扉から中を覗いてからギーラを見て話しかける、確かに最初はガラスを割って部屋に侵入して来たが今は割れた形跡など何も無かった様に綺麗に元の状態に戻っておりギーラはシルキャドの声に反応して窓ガラスを確認をしていた