時計の針
初めて書かせていただきました。高校時代を思い出し、青春を棒にふるった僕が望んだことなので、多少の私的なところが出て来ますが、どうぞお付き合いください。
1話
僕には好きな人がいる。もちろん僕の一方通行。片思いだ。
その子はもちろん可愛くて、クラスでは人気者。女の子の友達も多いし、休み時間も放課後も楽しそうに友達と話していた。
僕には到底つけ入る隙もない。
ずっとそう思い、片思いをしていた。
休み時間は退屈だ。やることもなければ、話す相手もいない。友達はいるのだが、昨日出た新しいスマホのアプリにみんな夢中だった。10分の休み時間が早く終われと黒板の上にある時計の秒針をじっと見ていた。これほどまでに1秒1秒を長く感じることがあるだろうか。
「ねぇねぇ」
時計をじっと見ていると後ろから囁くような小さな声が聞こえてきた。僕は自分にかけられているものではないと思い、しらを切った。
「ねぇー!君だよ君!」
はっきり言われたその声は、僕の耳元で発せられていた。反射するように耳に手を当てた。と、同時に僕の鼓動はさっきまでとは違い、2倍3倍にもなりそうな勢いで早くなる。その声はアニメの美少女のように可愛い声で、どこか聞き覚えのある声だった。
気持ちを落ち着かせ、鼓動を抑えるために拳を握りしめ後ろを振り返ると
彼女がいた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は普通の高校生。友達だってたくさんいるし、毎日がとても楽しかった。自分で言うのも気がひけるけど、そこそこモテてる方だと思う。けど私は告白してくれる人たちみんなに「ごめんなさい。」と断った。私には好きな人がいるから。その人は静かでとっつきにくい感じ。見た目も、そこそこかっこいい方だと思う。だけど、学校ではいつも一人でいる彼は、まるで人と関わりたくないといっているようで、話しかけられずにいた。私はずっと片思いをしている。
一時間目の授業が終わり、10分間の休み時間に入った。友達のひなが私の席に来て、さっきの授業の先生の話をしている。私は笑顔で応えて入るが、気持ちは上の空。ずっと彼のことを考えてしまってチラチラと席の方を見ていた。彼は周りでゲームをして盛り上がってる男子の輪には入らず、時計をじっと見つめていた。なにしてるんだろ??そう考えてぼっとしているとひなが突然私の目前で手を振った。
「つかさつかさー?またあいつのこと見てんの?話しかけりゃいいじゃん!」
私ははっと我に帰り、ひなの方を見る。
「えっ!?そ、そんなことないよ!だし、話しかけるなんてできないし、、」
「またそんなこと言って〜、そんなんじゃずっとこのままだよ!?いいから言ってきな!!」
背中を押された勢いで一歩前に出た。一度立ち止まり、息を飲む。鼓動が2倍3倍にも跳ね上がる。振り返るとひなは行ってきな!と言わんばかりに親指を立ててこっちにサインしていた。勇気を振り絞り、彼に近づく。徐々に距離は縮まりついに彼の後ろに来てしまった。大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせて声を振り絞る。
「ねぇねぇ」
発した声は震えていて今にも消えてしまいそうなほどだった。彼を見るが反応がない。あれ、、、聞こえなかったのかな?それとも、無視、してるのかな、
色々考えて逃げようとも思ったけど、それじゃあ今までと同じ。だからもう一回だけ!、、、
「ねぇー!君だよ君!!」
思ったよりも大きな声がでて、自分でも驚いた。彼も驚いたのかビクッと体をすくめてから耳に手を当てた。それからゆっくりと彼は私の方に振り返った。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
展開が急で話し言葉は多いしまだまだですが、これから質を上げて行きたいと思っています!批評お願いいたします!