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第一機「上野十三階」 -近未来電脳ミソジニー小説-
[上野ガイドマップ]
※「正式名称」(=呼び方)
①「上野十三階マンション」(=十三階)
⑤「上野ビジネスホテル」(=上野ホテル)
②「御徒町の居酒屋」(=アメヤの酒屋)
③「旧御徒町」(=旧アメヤ横丁問屋街)
④「新御徒町」(=新アメヤ横丁問屋街)
⑤「上野台東区」(=ルート上野)
⑥「上野御徒町駅」(=メトロ上野)
⑦「上野公園の池」(=不忍池)
⑧「電脳娼婦館」(=電脳館)
⑨「上野カラオケボックス」(=上野BOX)
⑩「寛永寺」(=聖地)
第一機「上野十三階」
アメヤ横丁で注文していた「荷物」が届いたという報せを聞いて、いよいよ彼は待ち望んでいたことが始められると思った。
夕方となり閉鎖した十三階の勝手口を開いて待っていると、箱を積んだトラックが近付いてきた。
「気を付けてくれ 壊れやすいんだ」
「中は金モノかえ? やけに重いんだがの」
両腕に余るほどの、大きな箱がロープで運び込まれていった。中身は確かに金属機器であった。しかしパソコンといった家電製品ではなかった。
運送業者が帰っていくと、十三階の部屋で彼は一人となった。
(未完)