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永遠の契約を君と(八)

 見たこともないフリージアの様子に、ブルーエルは驚き、そして年頃の女の子のような仕草にホッとした。


 年の割に大人びたことを言うフリージアだったけれど、まだ年相応の可愛らしいことができるのではないか、と。


「僕が君を忘れないからだよ」


 そんなフリージアをブルーエルはまっすぐ見つめて伝える。


「僕がずっと君のこと忘れないから、転生したってきっと見つけてみせるよ」


 忘れたくても忘れられない、頑固で悪魔の自分より知恵が回って、夢中にさせてしまう契約者なんて、今まで関わってきた人間の中でもフリージアくらいしかいない。


「私は怖いです。今生の記憶を失うことが。あなたのことを忘れることが……転生したとしても、世界は広すぎる。あなたと再び巡り会えるとはどうしても思えません……」


 怖い、怖いとフリージアは自分を抱くような姿勢でうずくまって涙を流すけど、ブルーエルがその涙を拭くことも、抱きしめてその背中を撫でることもできない。


 だからブルーエルは真っ直ぐに、彼女から視線を外さないでずっと見つめ続けていた。


「僕を信じられないなら……記憶を失うことが怖いなら僕に忘れるなと命令すればいい。君の代わりに僕が覚えているように。君は僕が、初めて自分から命令をきいてもいいと思えた主人だ」


「……ブルー……」


 その言葉に涙で濡れた顔を上げると、フリージアはゆっくりと涙をぬぐった。


「またそんな甘いことを言って……裏があると疑ってしまいます……」


 そしてフリージアは鼻をすすりながら泣き笑いをした。


「裏なんてないよ。僕はただ、君と一緒にいたいだけなんだから」


「ブルーエル……」


「意味は……説明しなくてもわかるでしょう?」


 あえて最後まで言わないのは、そこまで言わなくてもわかるよね、という期待と希望があるからだ。

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