表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

殺人

「キャー!」

「何奴!?先ほどの空間転移も貴様の所業か!!?」


メイドっぽい人と騎士っぽい人がたくさんいた。

人かどうかもわからないが。

彼ら全員に獣の尻尾と耳があったのだ。


「え?待って。うそ?なんで人がいるの!?」


私は混乱した。

意味がわからない。

私が欲したのは家だけよ!?


「そんなことはどうでもいい!ベンチュリー国、大貴族リニアっク様に仇なす者はこの俺が斬る!!そこになおれ!」

「ひっ!!」


うそうそうそ。

いやだ!怖い!

たすけて!!


私に向かって来るケモ耳男。

もう無理。

なんで私がこんな目に?

こんなケモ耳男なんて…え?ケモ耳?

耳…


「あなたの耳がほしいな…」


私がボソッとつぶやいた瞬間、目の前のケモ耳男の頭から血が噴き出した。


「ぐあああああああああ!!!」


かつて耳があった場所をおさえ、苦しむ男。


「ふふ…あはは…」


私の口から乾いた笑いが出た。

手の中にある肌触りのよいケモ耳はまだ温かい。

耳は犬っぽい。


「貴様!何をした!?スキル持ちか!しかしこの程度で俺を無力化したと思うな。耳などなくとも俺は負けない。旦那さまたちはこの俺が御守りする!はぁぁぁぁああああああああ!!」


そうしてまたもや私に向かって来る男。

体肢があるから悪いのかしら?

私に向かって来れないようにしてあげるわ。


「あなたの体肢…手足をちょうだい」

「うぁぁぁぁああああああ!!!」


一瞬にして手足をなくし、体幹…胴体のみになった男。

これで剣も握れず、私のほうに向かってくることもできない。

出血も多いし、放置していても死にそうだけど…。


「あなたの後頭葉をちょうだい?」

「っ!!……」


前頭葉ではからだの運動、言語運動の機能

側頭葉では聴覚や嗅覚の中枢

頭頂葉では視覚空間処理をおこない、

後頭葉では視覚認識を司る。


既に手足は奪っているから前頭葉をつぶす意味はない。

耳も奪っているから側頭葉もべつにいい。

だから、後頭葉を奪ったんだけど。


「機能以前に脳を奪われちゃったら死んじゃうよねー」


物言わぬ屍を眺めながら私はつぶやいた。

いい気味。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ