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番外編2 屋上でイチャイチャ

 知らぬ間に、周囲から嫉妬の視線を受けていた昼食を済ませると。

僕達は、食堂を出た。



 「今日は、良い天気だね、優一くん」


 「うん、そうだね」



 空を見上げた美咲の言葉に、僕は相槌を打った。


 食堂を出ると、いつもだと渡り廊下の所にある、休憩所に行くのだが。

今日は、池野が休みなので、いつもと違う所に行くことになった。



 「それで、どこ行くの?」


 「それは、行ってからのお楽しみ〜」



 それで、美咲が良い所があると言うので、それに従う事にする。


 そんな訳で、僕は美咲の後を付いて行ったのだ。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「ねえ、ここで休もうよ〜♪」


 「へえー」



 美咲の後に付いていた先は、屋上である。


 しかし、屋上だけど、周囲には人は全くいなかった。


 ちなみに、ここは給水塔の向こう側である。


 この校舎の屋上は、給水塔で二つに仕切られている形であり。


 向こうは、普通の生徒が自由に出入り出来るが、ここは、図書準備室を通らないと入ることが出来ない。


 なので当然、生徒で、ここに来る事が出来るのは、図書委員か読書部員しか出来ない。



 「部活の先輩たちから、ここの事を聞いた事があるの。

でも、先輩たちは、(ほとん)ど、ここを利用しないらしいのよ」


 「だから美咲は、ここに連れてきたのか」


 「うん、そうだよ〜」



 そう言って美咲は、イタズラが成功した子供の様な笑顔を見せた。



 「それに優一くん、ほらっ、見て!」


 「あーー!」



 美咲が手を大きく広げると、屋上から見える青空を示す様に、クルクルと回り出す。


 僕は、綺麗な五月晴れの空と、それに負けない位、綺麗な美咲に見惚(みと)れていた。


 そして、しばらく回った後、僕に青空を見せびらかせたのに、満足したのか。

回転を緩めると、その場に止まった。



 「ねえ、どう〜、ここだと誰もいなくて広々として、空が綺麗に見えるでしょ?」


 「う、うん・・・」



 美咲は回転が止まると、手を後ろに廻し、体を前に傾けながら、僕にそう言ってきた。


 僕は、美咲に見惚れていた所で、イキナリ言われて不意を付かれたので、思わず返事をした。


 そのまま、突き抜ける様な青空をバックにして、僕に微笑みかける美咲に。

僕は釘付けになっていた。


 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 しばらくして、足が疲れた僕は。



 「ちょっと、座ろうかなあ〜」



 と言って、おもむろに給水塔の壁に、腰を下ろし寄りかかった。


 そこは丁度、陽が当たっているし、程よい微風が吹いているので気持ち良かったのだ。


 そうやって壁を背に、屋上の床に座り込んだら。



 「よいっしょっと」



 美咲が、僕の両脚を開くと、体を割り込ませて座ってきた。


 そして、そのまま、僕に自分の背中を預ける。



 「ちょ、ちょっと美咲!」


 「えへへへっ」



 美咲は、振り返ると僕を見て、誤魔化す様な笑いをした。



 「ねえ、優一くんいいでしょ・・・」



 そうして、そう言いながら上目遣いで、甘えた視線で僕を見た。



 「・・・しょうがないなあ」


 「ありがとう♡」



 美咲は、”してやったり”と言った表情で僕にお礼を言う。


 最近、美咲は僕に、こう言った、お茶目な部分を見せる様になった。


 まあ、それだけ、僕の事を信用している証拠なんだろうけど。



 ・・・・・・



 こうして、美咲が僕の中に収まった。


 美咲の体は、まるでジャストフィットするかの如く、僕の腕の中に収まっている。


 ・・・ただ、大きなお尻が少しキツいけど。


 そんな美咲を、背後からハグする。



 「あっ・・・!」



 脇の下に腕を通し美咲の体を抱くと、一瞬、驚いた様に体を強張(こわば)らせるが。

僕の意図が分かると、体の力を抜き、僕に体重を預けた。


 僕に美咲の体重が掛かるけど、驚くほど重くない。

そんな所も、本物の女の子と変わらないのである。


 そうすると次に僕は、美咲を抱く力を少し強めると、美咲の首筋に顔を近づけ匂いを嗅いだ。


 ・・・ああ、いつも嗅ぐ、甘くて僕をいつも魅了する良い匂いだ。



 「ねえ、何しているの?」


 「ん、美咲の匂いを嗅いでいるんだよ。

美咲は良い匂いがして、毎日嗅いでも飽きないから」


 「・・・もお、優一くんは」



 美咲は困惑した様な事を言うが、まんざらでも無い様だ。



 「こんな良い匂いがして、柔らかく抱き心地が良い彼女が出来て、僕は幸せだよ」


 「ありがとう、優一くん・・・♡」



 僕が今の自分の気持ちを伝えると、美咲は嬉しそうに微笑んだ。


 こうして僕達は、昼休み中、屋上でイチャついていたのである。



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