16、報告書『悪玉の鬼退治』
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以上が今回の蜂鬼退治のまとめである。
このあとはただ、淡々と起こった事柄について話していく。
まずは、大量の蜂鬼たちについてだ。
いくら曲弦技が強力な技術だといっても、ざっと三十は超える大群を相手にできるはずがない。ナキリさんのエキスがあっても、危険色状態である蜂鬼たちに通じるのかまではわからないのだ。
さらに良くないニュースが続く。
女王を失った彼らはすぐに暴れ始めた。蜂鬼の巣陥落を知ったのか、それとも本能で気付いたのか、いずれにせよ手が付けられなかった。曲弦駆動技でまた上空へと非難しようかと試案していた。
それでも、問題にならなかった。
いや、正確には彼らが解決してくれたのだ。
大量の蜂鬼たちは、その場で共食いを始めたのである。
目の前の仲間を貪り、喰らい、噛み切り、殺戮の限りを尽くした。
あとで知ったのだが、これは新しい女王を決めるための重要な儀式であったらしい。蜂鬼のなかで一番強い蜂鬼が新しい女王の種子となることができるのだとか。最後の一匹になるまで殺し合いを続け、俺たちはただ見ているだけだった。
先にベッドを押さえておいて本当によかったと思う。
蜂鬼全滅まで、時間は要らなかった。
あっという間に蜂鬼は全滅する。
最後の一匹は、俺が自らの手でトドメを刺した。
もちろんナキリさんに見えないようこっそりとである。幸いにも最後の一匹は共食いの影響で体力を使い果たしていたので殺すのは赤子の手をひねるより容易い。あとで相当怒られたけれど、いつものことだから気にしない。
次に捕虜の件である。
これには少しばかり時間を喰った。
女王の間は小高い山の上にある。隠すところや人間が生活できるスペースなど探しても見当たらなかったのである。しかし冷静に考えれば、すでに見えているという可能性が抜けていた。
隠れているにしては、堂々としすぎた。
小高い山は捕虜の安置所でもあったのだ。
女王ベッドの真下に小さな扉を見つける。そして中へ入ると報告に会った囚われの少女たちと彼女らに介抱を受けているユーマの姿があった。特にひどいことをされたわけでもなく、無傷で確保することができた。
女王は本当に『新しい女王』を作ろうとしていたのだろうか?
実は真剣に友達を作ろうとしていたのかもしれない。
いまとなっては真相は闇の中である。
それから、俺たちの脱出した後に蜂鬼の巣へと殿隊が派遣された。
あの死体の山を掃除するのだろうか。
女王は没し、蜂鬼の巣は陥落した。
先隊壊滅、という大惨事を巻き起こしながらも、結果を残す。
弟の仇を討ち、依頼をこなし、被害を広げずに済んだ。
ひとまず、悪玉の鬼退治に終止符が打たれた。
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