R-9
何とか崖を登りきった・・・変態への道も登り始めている気がする・・・
「おーい大丈夫か?トランクス」
指でパンツの位置を直す仕草をするブリーフ・・・
俺は・・・ここで何をしているんだ・・・なぜお前は美少女じゃないんだ。
「あはは~んなかなかいい景色じゃないか~い」
「うむ、そうでござるな!」
馬鹿は悩みがなくていいよな!
糞っ、こんなことで負けられねー。
「おっ復活したな、それじゃあ4人での隊形を作るか」
「隊形でござるか?」
「うむ、いままではボクサーを先頭にして、僕が右トランクスが左の三角形にしてたんだけど、今4人だから前に2人が横に並んで、その後ろを縦に2人で並んでTの字を作ろう」
うがががTはやだーTはくるなーくるなー、がくがくぶるぶる。
「ほんとにどうした?トランクス」
「うるせー、俺はいま一生分のトラウマと戦ってるんだ!」
なんだそれ?と呟きながら隊形をととのえるブリーフ、どうやら前2人にブリーフ>トランクスで行くみたいだ・・・正直後ろは思い出すからいやなんだけどな・・・
崖を登ってから20分、一体のモンスターとも会わなくかなり楽な行程だ。
このまま何事もなくポルトランの港につければいいんだが・・・
まあそういうわけにもいきませんよねーわかります。
地面にいきなり大きな影が!
見上げるとそこには、紫色のネームドモンスターが急降下を仕掛けてくる!!
「ブリーフっ避けろ!!」
俺の声に反応して咄嗟に左へ跳ぶ!
相変わらず凄い反射神経だ。
ギガンテスバードLv???はどうやらブリーフを獲物と定めたらしい。
なぜ真ん中のブリーフが?いや今はこのピンチを乗り越えるのが先だ!
「のわわわ~でござる~~」
「あっはは~ん流石の僕もお手上げさ~」
何でこいつらここまで緊張感がないかな。
「いいから走れ!」
ギガンテスバードは今のところブリーフを狙ってるがいつ馬鹿2人を狙うか判ったもんじゃない。
「ブリーフっいけるか!」
「ちょっときつい・・・このままじゃ無理だ」
ちぃぃぃ・・・前2人を犠牲にするかブリーフを見捨てるか・・・
1万歩譲って助けるか・・・
ん?必死に避けているブリーフを追い回すギガンテスバード・・・
そのお尻?と思われる部分に穴のようなものが。
このゲームのデザイナーどもはどれだけ尻が好きなんだ・・・
しかし尻か・・・ブリーフにぶち込んだ時3秒ほど硬直していたな・・・もし其れが仕様だったら?
俺は覚悟を決める・・・まだ盾の数は減らしたくない、賭け事とはどこかで勝負に出ないといけない時がある・・・byじーちゃん。
じーちゃん、天国で見守っててくれ!
石を拾う、狙いを定める、アウトロー高め!
ふっ!俺の投げた石は狙い違わずギガンテスバードの尻の穴に!
『ギュ------!!」【弱点アタック】4ダメージ
2秒ほど硬直する鳥、そのあいだに俺たちは安全圏に逃げる・・・怒り心頭でおいかける鳥!
崖が終わりなだらかに下り始める道、その先には草原とポルトランの港に入るゲートが。
俺たち4人はギガンテスバードを引き連れたままゲートに飛び込んだ!




