R-12
ゲートを抜けたっ!
ここはっ、ゴールか?
ケルベロスの爪からぎりぎりの所でゾーンに飛び込んだ俺は今真っ白な空間に立っている。
「隠しイベントクリアーおめでとー」
まるでリリカがそのまま大きくなったような女性が目の前にいて、クリアーした事を祝ってくれる。
「あんたは?」
「はーい、私はBGのGMだよー、ハンドルネームはリリカね」
そういってウインクしてくる。
「リリカってもしかしてさっきの妖精?」
「そうそう、いやーまさかここまで来れる子が居るとは思わなかったよー、一応レア称号とか作ってたから無駄にならなくて良かった」
「もしかしてここまでこれたの俺だけ?」
「そうそう、、他に102人ほど挑戦してくれたけど他は皆リタイアしたよ」
だとしたらレア称号は俺だけか!
「いやったあああああああああああ」
「さあさあ、喜ぶのもいいけど商品の称号を受け取ってねー、ほいっと」
軽いな、もうちょっともったいぶれよ。
「どう?受け取れた?」
おおっステータスに何か来たぞ、どれどれ。
称号【 裸王 】
何も装備していない状態だと全てのステータスが10倍になる。
おおぉ?これはいいのか?なんだか微妙な気もするが・・・
「これって、武器防具装備できないときつくないっすか?」
「まーねー、いや流石に公式のイベントでも無いのにそこまでいいものはあげれなくて」
あーそれもそうだな、でも微妙だなーこれ付けても装備できなきゃパンツ一丁のままじゃん。
「まあ記念称号みたいな物だけど君だけが持ってる唯一の称号だよ、だからそのキャラを大事に育ててね。それではこの先もBGを楽しんでください、リターン!」
俺はリリカの魔法でスタート移転に戻された、これが名前すらつけられなかったBG初日の隠しイベントの最後だった。
それから1年・・・・
三度の大型アップデートを繰り返し Lvキャップが80を超えるようになった。
暫くはアップデートでLvが上がることは無いらしい。
俺はというとTAKAHIroを消す事もなく1年間あのむちゃくちゃ歪なステータスでLvを79にする事が出来た。
ブリーフは魔術師にキャラを作り直し、ボクサーは騎士に作り直していた、ふんどしは名前を武田信玄にしていたので無理やりふんどしに変更させた、職業はもちろん侍だ。
俺はこの4人で作ったギルドマッサーイ族のギルドマスターだ。
毎月十日はパンツ一丁で草原を駆け抜けている。
いつの間にかギルドメンバーも増え、噂を聞きつけた馬鹿どもが参加するようになり、今では総勢500名ものパンツ一丁軍団が草原を走り回っている。
女性メンバー勿論0だ!
そして今日、俺は念願のLv80になる事が出来た。
裸王をつけた時のAGIが2080という数字をたたき出す。
BGはAGIが高ければ高いほどダッシュした時のスピードが上がる仕様になっている。
Lv79までの最高速度が時速約1190キロ
そしてLv80になった今、スキルダッシュLv10を覚える事が出来る、今までより5%ほど早く走れるんだ!
その速度、時速約1250キロ・・・
音速を超えるには時速1245キロを出す必要があるらしい。
俺は草原を走る用意をする・・・
少しづつスピードを上げていく・・・
知覚できないほどのスピードになる!
そして俺は今、最高速度に達した!
そう、俺は今音を越えたのだ!!パンツ一丁で!!!
俺は今日も走る、BGの世界を、パンツ一丁で突っ走れ!!
未熟な筆者の作品に最後までお付き合い有難うございました
これからも精進いたします
またどこかで>w<ノ




