followprince〜追いかける王子〜
「錬王子!錬王子!しっかりしてください!」
蛇穏の声が聞こえる。なんでだろう。頭が痛い。ズキズキと痛む頭を気にしながら俺は目を開けた。
「錬王子!目が覚めましたか!」
「蛇穏、ここは…。」
「城の中です。」
「そうだ!香奈は!?香奈はどうなった!」
「花蓮姫はただいまわれわれが捜索しております。」
「そうか。…………香奈、大丈夫だよな?」
「わかりません。相手はこの世界を滅亡させかけた夜闇だからのぅ。」
「なんだ、その夜闇っていうのは。」
「花蓮姫と錬王子を引くさき、この世界を滅亡にみちびいた闇の化身ですよ。」
「そんな奴じゃあ危険じゃないか!俺も探しに行く!」
「お待ち下さい!錬王子は夜闇が放った麻酔針を受け、倒れた時軽い脳震盪を起こしております。ここは、われわれにまかせて…………。」 「なに言ってるんだ!香奈は、香奈は俺が守るって決めたんだ!だから、俺も行く!」 俺はベットから立ち上がりドアへ向かった。少しふらついたが大丈夫そうだ。
(香奈、香奈は俺が必ず助けるからな………!) 俺は外へ向かって走り出した。
はあはあはあ…………………………………………………………………………
俺はさっきからあてもなく走りまわっている。香奈の手がかりがないためいくあてがないのだ。
「くそう!どうしたらいいんだ!」
俺はちかくにあった木に蹴りをいれた。
『痛いなぁ。だれだよっ!僕の足を蹴ったのはぁ!』
どこからともなく小さい少年の声が聞こえた。
「だれだ!だれかいるなら出でこい!」
『出てこいじゃないよ。いるもん。お兄さんが気づいてないだけ!』
俺は急いで周りをみた。しかし、周りにはだれもいない。まさか…
「木か?」
『まあ、当たりにしてあげるよ。僕はやさしいからね。正確に言うと、森の神、名前は碧。よろしくね、お兄さん!』
「んで、あんた俺になんの用だ?」
『うーん。お兄さんが探してる人の居場所を教えてあげようと思って…………』
俺は、木の言うことを信じて聞いて見ることにした。