kidnapprincess〜誘拐された姫〜
「ぅん……。」
私は、目を覚ますと改めてまわりを見た。白い壁紙に白いベット。とても殺風景な部屋だった。そして………窓には鉄格子。まるで、少し綺麗な牢屋のようだ。ドアのところまで行ってみたがドアは開きそうにない。ここはいったいどこなのだろうか。考えていると、ドアが開き中に漆黒の少年が入ってきた。勿論、私のしっている人ではない。
「目が覚めたかい、香奈。………いや、花蓮姫と呼んだほうがいいね。」
少年の声は冷たく、低く闇のようだった。
「貴方はだれ?ここはどこ?どうして私がここにいるの?……そうだ!陸は?陸はどうしたの?」
私は、少年に思っていたことを一気に聞いた。
「まあ、順番に説明して行こうじゃないか。僕の名前は夜闇。ここは、僕の基地のひとつさ。僕は、錬王子と花蓮姫を引き離した張本人さ。…まあ、理由は今度説明するとしよう。陸……錬王子には少し眠って貰っただけだから生きてるよ。」
陸が無事だと聞いてなぜか安心したが私を誘拐した理由がわからない。いったいなぜだろう。
「僕は、世界を闇で染めたいのさ。だから、強敵のあの二つの国の結婚を避けたかったんだ。これで、わかったかい?」
「貴方………。読心術でも使えるの?それに、私はここからでなくちゃいけないの!ここから出して!」
私は夜闇に必死に頼んだ。だが、夜闇は
「だめだよ。ここから出ては。」
と言われてしまった。
「出して!お願いだから出して!」
しつこく言っていると、首にチクっとした痛みがはしり急に眠くなってきた。
「うるさいよ。しばらく寝ていな。」
この言葉を聞いた後私の意識は途切れた………。
『錬さ〜ん!すいません。遅くなりました。』
花蓮姫が、桜の木の下で待っている錬王子に話かける。
『大丈夫ですよ。僕もついさっき来たばかりですし。』
『それならよかったわ。うふふふ。』
『そうだ、そうだ。今日聞いたんだが、結婚式のドレスの試作品ができたそうだから、今から見に行かないか?』
『まあ、本当?生きましょう!』
楽しそうに話している。そのうち、馬車が来て二人は馬車にのって町へ行った。
『いらっしゃいませ〜。花蓮姫様の結婚式用のドレスの試作品が3着できております。こちらへどうぞ。』
花蓮姫と錬王子は、ドレスの試作品を見に服屋へきていた。
『これはピンクを貴重としていてフリルが多く豪華な仕上がりとなっております。こちらは、水色を貴重としており質素なつくり、こちらは赤を貴重としており豪華でありながらも質素なつくりになっております。』
服屋の店員は、つぎつぎとドレスをだしていく。
『どれにしようかしら。』
笑いあう二人。とても、和やかな時間がながれていった………………………………………………………………………………………………………………………。