表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強S級冒険者帝国に復讐する  作者: 古詠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

六話 カルヤ国

カルヤ国の門を蹴り破った後、俺は首都を目指してひた走った。

「もうすぐか」

巨大な城壁が見え始めたところで、俺は足を止めた。 身体が重い。国境を越えるまで全開で魔力を行使し続けた反動か、肺を焼くような疲労感がさらに増している。

「ふぅ……」

カルヤ国。大陸で三番目の規模を誇る、エルフや獣人族などが共存する多種族国家だ。

「次の人」

入り口の検問で呼ばれた。 「身分が証明できるものはあるか?」 がっしりとした体格の獣人の警備兵が聞いてくる。

「冒険者証で問題ないか?」

「ええ、大丈夫ですよ」

獣人はにっこりとした顔で受け取った。 だが、その証書に刻印された文字を見た瞬間、彼の顔が固まった。

「えっ! 帝国の……S級冒険者、なのですか!?」

警備兵が大きく目を見開き、驚愕の声を上げた。その声は波紋のように広がり、周囲の視線が針のように俺を刺す。

「……すまない。問題がないのならば、通してもらってもいいか?」

俺はフードを深く被り直し、努めて冷静に言った。

「あ、あぁ、失礼しました。どうぞ、通ってください!」

検問所をくぐった後、俺はどうするかを考えた。 泊まる場所が必要だ。それに、路銀も稼がないといけない。ならば行く場所は決まっている。

「初めての国だからな。どこに何が売っているかも確認しなければ」

まずは冒険者協会だ。冒険者証をこの国のものに更新しなくてはならない。 重厚な木の扉を押し開ける。そこには、武器を持った多種族の冒険者たちが溢れていた。 俺は真っ直ぐに受付嬢へと歩み寄った。

「すまない。冒険者証をこの国のものにしたい」

受付嬢は笑顔で答えた。

「わかりました。では、現在所有されている冒険者証を預かってもよろしいでしょうか?」

ポケットからカードを出す。 それを受け取った瞬間、彼女の瞳が大きく開かれたが、すぐに熟練の笑みへと塗り替えられた。

「……承知いたしました。更新いたしますので、少々お待ちくださいね」

「あぁ、頼んだ」


少し待った後、顔に傷があるゴツいおじさんが顔を出した。

「すまん、ちょっといいか?」

おじさんは、鋭い眼光でこちらを見下ろしながら言った。

「あぁ、問題ない」

ここで断れば、さらに面倒な事態になる。俺はおじさんに促されるまま、カウンターの裏にある「特別室」へと向かった。

協会の裏部屋。

「さて、率直に聞くが、帝国からどうやって来た? そして、本当にS級か?」

やはり、そこを聞いてくるか。

「わかった。まず一つ目からだ。帝国からは走ってきた。二つ目は、本当だ」

おじさんが、不服そうな顔で身を乗り出す。

「しっかり説明しろ。帝国が貴様のような有能な駒を、そう簡単に逃がすと思うか?」

まぁ、そうだろうな。

「道中に追っ手は来たさ。一人を除いて、全員殺したがな」

「……一人を除いて、だと?」

おじさんの表情が、疑問から驚愕へと変わる。

「あぁ。白髪で眼鏡をかけた、頭の良さそうな奴だ」

おじさんは息を呑み、その名を口にした。

「ガジン・ロンデルか!」

うん? 知っているのか。

「なんだ、有名な奴なのか?」

「知らないのか」

おじさんは呆れたようにため息をついた。

「ガジンは『帝国の掃除屋』と呼ばれている。だが、まさかあのガジンを退けるとは……」

「そんなに凄いのか」

「当たり前だ。武力は一流、頭脳もそんじょそこらの軍師を遥かに凌駕する」

なるほどな。強いとは思っていたが、やはり世界的に有名な奴だったか。

「しかし、俺はそんな奴の名は知らないぞ」

「……確かにな。帝国のS級がその存在を知らぬとは、わざと伏せられているのか」

これ以上考えても仕方がない。俺は話題を切り替えた。

「そんなことより、あんた名前は何だ?」

おじさんは、名乗るのを忘れていたという顔をして言った。

「すまん、失礼した。カルヤ国冒険者協会・協会長、ロバーツ・ギルクルドだ」

「ロバーツだな。覚えておこう」 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ