表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/65

皇帝の勝算

「『梟』も落ちたか」


 ただ、娯楽を愉しむように、届いた報告に耳を傾ける。目の前に磔にされた少女を臨みながら、薄気味悪い笑みを浮かべた。


「飛ぶ()落とす勢いとはこのことか。なあ、『隼』」

「くだらん戯言はよせ。それより、いいのか」

「駒の手数が少ない、と?」

「貴様の思惑などどうでもいい。だが、『烏』も一枚岩ではない」


 罠とわかっていて尚、この場所へと向かっている、それは明白だ。『祈憶姫』を求めて、という点でもそうだが、彼ら『アンタレス』が何を成そうとしているのか、大方想像はつく。


「……警戒をしろ、そう言いたいか?」


 片眉を上げて、訝し気に英雄を見やる皇帝。言外に、みなまで言うなと咎められる。しかしそれを受けても尚、『隼』はため息を吐くばかりだった。


「『祈憶姫』と()。その両方がなければ悲願は果たせまい。『烏』をどうしようとアレスの勝手だ。だが、奴が今どれほどの物か、もはや俺にもわからない」

「――鼠の調整は済んでいる。仮に貴様まで落ちることになろうと、余にはさして問題ではない」

「『鷹」は論外か」

「アレは『烏』以外見ていない。そこそこ使える駒だったが、それも計画が成れば用はない」


 当人が聞いていればさぞ絶望しただろうと鼻を鳴らして、『英雄』はもう一度皇帝に進言する。


「計画はほぼ成っている。アレスは大人しくしていろ、奴は俺が片付ける」

「当然だ、貴様にそれ以上の価値はない。……『祈憶姫』これと同等よ」


 磔にされた囚われの姫。天井から下がるその十字架を、顎で指した彼の皇帝は最後に一つ付け足して言う。


「もっとも、それもすぐ塗り替わる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ