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弟と私と(姉)

と、いうわけで。

今日は休日。

お姉様は絶好調です。

具体的に、朝7時に私をベッドから蹴り落としに来るくらいには。

まだ寝たい身体をなんとか動かしてシャワーを浴びる。


「そういや、なんだけど。この間渡したゲームあるじゃん?」

「無いね」

「あるじゃん?」

「…ありますね」

「我が家の可愛い弟が、月初めくらいから始めたいってかーちゃんから連絡あってさ。おねーちゃんてば優しいから手取り足取り教えちゃうわけよ?」

「へ、へぇ?そそそそうなんだ?ふーん」

軽い反抗期に入ったことを自覚待って今なんて?落ち着け私。落ち着くんだ。

でも弟が…我が家随一の成績優秀者、メーターぶっちぎるレベルのイケメン度を誇り、年齢はそこまで変わらないはずの私と比べると天と地の差ほどの人気者、天使というその言葉が世界一似合う美少年、そしてなにより私が愛してやまない弟が始めたい…と、そうおっしゃいました?

「優しいおねーちゃんが教えちゃった日にゃ、あの天使もイチコロだろうなぁ」

「それはない」

これは…姉である私の威厳を見せるべきだ。このクソ姉に変わり私がやるのはもはや明白。

「その役、私が買ったァ!」

ニヤついてる姉を無視しつつ、さっそく始めよう。

このクソ姉なんかに負けるかい!


ちょっと待ちなはれ、という姉から癪だがレクチャーを受けた。

このゲーム、ゲーム全体を見てもかなりのプレイ人口が居り、人気プレイヤーになれば必然的に仕事になるくらい人気が出る、とのこと。

うちの姉はニートなんかじゃなく、公認プレイヤーとしてこのゲームを世に広める為動画を配信している、とのこと。

収入も人気も、そこらのアイドルよりはある、とのこと。

正直、ただのニートだと思ってた。

半分ニートみたいなものか。


弟のレクチャー係には、あと10日で私が指定する街、第二都市 アスガルドまでいけたら交代してやる、と。

してやるとはなんだ、してやるとは。

あと名前言われても全くピンと来ない!

まあ、いいや。

そんなことよりあの天使と仲良くなるのは、この私だ!


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