ゲームスタート!
とりあえず貯めてる分を吐き出してます。
「ちょちょちょ!?」
なにこれぇ…すごい。
「…………を開始…す。…………ますか?」
はい/いいえ の選択肢を迫られる。
「え、え?」
何を選んでいるの?全く話を聞いてなかったのだけれど。
文字でも表示してくれると嬉しいんだけどね。そんな親切なわけなかったね。
おばあちゃんが、迷ったらいいえを選びなさい。現状維持も大切よ。と言っていた…気がする。
今回は心のおばあちゃんを信じよう。
いいえ を選択。
多いのよ、情報量。まだ私は頭ガンで止まってるのよ。割と覚えてるのだけど、不思議と痛みはない。
「感覚をリンクします。ラジオ体操を開始します」
聞き馴染みのある音楽とともに、体を動かす。
この音を聞くと、自然と体が動いてしまうのは私史上七不思議に追加しておく。
「ジョブを選択してください」
ズシャーッという効果音が正しいと言うくらいには大量のジョブとやらが出てくる。
パパっと全体を見た感じ…と言いたいところだけど、多すぎてまだ2割ほどしか見れていない…ジョブとはそのまま職業のことみたい。
沢山ありすぎて迷いそうになるけど。
やっぱり無難な剣士でしょ!物語といえば剣士。剣士といえばRPG。RPGといえば物語。そう、つまり剣士といえば物語。
…などというのは愚民どもの考え方。
私は違う。そんなのは主人公だけ。もしくはイケメン。小学生。私はをそんな枠に当てはまるつもりは無いので、別のを選ばせてもらう。あと剣士は1番人口が多いだろうし。
遊び人、賢者、僧侶、
「きかい少女?」
これは…なんで平仮名なのかな。
…気になる。私、気になります!
「きかい少女にしますか?」
はい/いいえ
ここは迷わず はい を押す。当然。
せめてゲームの中だもん、可愛くなりたいよね!え?それこそ人が多い?お黙りなさい。
ロード中…
文字が目の前でふよふよしている。
「最後に、あなたの名前を教えて下さい」
名前、か。本名は無しとして何にしよう…。
どうやら名前の枠がある。
うーん、何にしようか。
「それではこの世界をお楽しみ下さい」
「うわぁぁぁあ!?」
パズルのピースのように足元が崩れていき、天井も見えなくなるほどに落下していく。
あたりも真っ暗になり、上に昇ってるのか下に落ちてるのかわからなくなった頃。
パリィン!
という音が聞こえ、森が姿を現した。
「ここ、どこ…?」
とりあえず掻き分けて進んでみよう。
理由はないけど、周りを散策しないと進まないからね。
暗闇の時間が長すぎて夢膨らんだVR生活も、程よく冷静に進むのであった。