少し前の出会い その3
あたしはファミレスに車を停めた。
特に変わった事もなく、あたしはミートドリアを詩乃ちゃんはグリルチキンを注文した。食事中は基本的な世間話になる。何しろ、出逢って2回目である。
彼女は市内にある国立大の学生で18歳。授業はオンラインなので本来なら実家でもいいはずだけど、自立性を持ってほしいという両親の考えで大学近くで一人暮らしをスタートさせたばかりらしい。ここまではいわば準備運動である。詩乃ちゃんもだいぶ慣れたと思う。
食後、ドリンクバーであたしはコーヒー、詩乃ちゃんは紅茶を準備して、本題に入る。
「答えにくいかもだけど、あのオムツは誰の?さっき一人暮らしって聞いたけど?」
詩乃ちゃんは答える。顔を真っ赤にして恥ずかしそうに。
「私です」
「そっか、じゃあウチの息子と同じだ!息子も中学受験を意識してから、おねしょするようになっちゃってね、この前なん・・・・・・」
息子のネタを中断した。それは詩乃ちゃんは首を横に振っていたからだ。違うって何がだろうと疑問が浮かぶが直ぐに解消される。詩乃ちゃんがあたしにしか見えないようにスカートの裾を上げ、自分の状態を見せてくれる。今度はこっちが固まった。さっきまで恥ずかしそうにしていた詩乃ちゃんは逆に聞いて来た。
「息子さん、中学受験って事は、まだ小学生ですよね?2・3ヶ月、時間をくだされば、私がおねしょを治せるかもしれません」
あたしはその時、どんな顔をしていただろう?今でも思いだせない。
それから夏休み。息子のおねしょを本当に治した詩乃ちゃんにあたしは今でも感謝している。