第3話:夜叉姫
閲覧いただきありがとうございます!興味のある方は是非最後まで読んでみてください!!!
「それでこの手袋って?」
「あぁ、それはお守りみたいなもんだよ、というかもうちょっとお前が霊力のコントロールに慣れたらだな、その時はまた教えてやる」
お守りって....まぁ実際父さんの形見だしこれを使って戦ってたんだよな
「あっ、そうだ北斗さん、霊力を宿したって言ってたけどどういうこと?僕は父さんと母さんの子なら元々宿してたんじゃないの??」
「それはな、確かにお前は霊力を宿してはいたぞ、けどな呪いや祓魔術に触れてこなかっただろ?だから夜叉姫に触れて契約を結ぶことで無理やりその壁をこじ開けたんだ」
要するに蓋の締まったペットボトルを強引に開けて中身を出したってことなのかな?って言うかそれ以外の方法あったのにわざとそうさせたってことかこの人....
「まぁそんな顔するなって上手くいったろ?」
「うん....」
なんだか試された気分だけどいいか。
「それより明日からお前も一年生だぞ?たのしみだろ?はやく立派な祓魔士になるんだぞ?」
「楽しみっていうか、それもあるけど不安なことの方が多いかな、って言うか入学式って何か特別なこととかするの?北斗さん」
学校内での説明くらいなのかな?
「それなら、基本的には普通の学校と変わらない、後は寮をわけるくらいだろうな」
「寮をわける??」
普通に女子寮と男子寮じゃないのかな?
「寮はそれぞれの特性によって分かれるんだそれでおのずと自分に合った祓魔述の使い方や戦い方が分かるって感じだ、同じ特性を持った者どうしが一緒の方が成長もはやいだろう?」
「なるほど具体的にどんなふうに分かれるの?」
僕はどんな特性なんだろう。
「祓魔術の特性ってのは大きく分けて四つある、先ず接近格闘系だな、武器や装備に霊力を込めて戦うんだ、次に結界術だ、これは難易度が高くて3年生でも使えるのは1人くらいだが覚えれば前衛で戦う仲間の強力なサポートになるぞ」
「なるほど」
大体は分かるけどまだ全然理解が追いつかない。
「3つ目が幻術、相手を惑わしたりできる、だが自分より上の霊力を持っている相手には効かないから注意して使わないとやられるな、最後に4つ目は思念系だ、これはとても強力だが使える人間はほとんどいない、心の強さがそのまま技に出るからな、お前の父さんは使ったぞ」
「その思念系って具体的には??」
母さんも父さんも本当に強かったんだな。
「思念系は幻術系に少し似てるが少しちがう、相手を意のままに操れる技だ、怖いだろ?このような祓魔術に呪いを込めることで呪術となる実は祓魔術と呪術は似ているんだ」
「そうなんだ、ありがとう北斗さん」
僕の特性は何なんだろう、やっぱ刀を持ってるから接近格闘系なのかな?
「寮を分けるってのは一概に能力を分けるってわけじゃないんだ、そいつの性格や秘められた力なんかを分析して分けられる、だから俺やお前の両親はみんな能力が違っても一緒の寮だったんだぜ?いいだろ?」
「北斗さん同じ寮だったの?!」
北斗さんの特性や能力は知らないけど要するに気の合う仲間どうしが一緒になるのか
「あっ、そうだ、寮が一緒って言っても女子と男子は別の場所だからな?スケベできんぞ」
「そんなこと考えてないよ!!」
まったく、クールなのにたまに変な冗談言うんだよなこの人は。
「怒るなよ、とりあえず明日は大事な入学式だからな、今日は俺の部屋で休め」
「北斗さんの部屋も学校の中に?」
北斗さん一応学校の卒業生だもんな、けどどういう関係で今も学校にいるんだろ。
「ちょっと住むところを追いやられてな、玲子に頼んで学園の教師用の部屋を借りてるんだ」
追い出されたって何したんだろこの人....
「さっ、ついて来い」
そして僕は明日から自分が想像もしなかったような世界で学校で生きると言うことに胸を踊らせながら眠りについた。
「ってもう、起きたら北斗さん居ないし、制服と置き手紙だけって酷いよ...」
置き手紙には入学式の会場への地図と用があるので俺は出る、入学式頑張れよとだけ書き残されていた、そして手紙の側には牛乳とパンが置かれていた。
「なんかこの素朴な朝食を見るとあの意地悪な叔父さん達の家に居た時を思い出すな」
そして僕は食事と着替えをすぐに済ませて遅れないように早めに部屋を出た。
「えーっと、ここを右に行ってまっすぐで...」
北斗さんって何でも出来るイメージあるけど意外とこういうの苦手なのかな読みづらい。
「あっ!あそこだ!うわー、僕と同じ一年生かな?知らない人がいっぱいで緊張してきた」
少し離れたとこで立ってるあの人も新入生なのかな?表情がやけにこわばってる...緊張してるのかな?
「ねぇね!!君も新入生?」
「うわぁっ!なんだよビックリしたな!」
ビックリしすぎだって....
「僕も新入生なんだ、緊張するよね」
「あぁ、そうなのか俺もだ、けど知り合いとか全然居なくてさ緊張しちまってさ....」
やっぱりか
「それなら同じだね、僕は神宮寺涼って言うんだよろしくね」
「俺は御坂蓮二って言うんだよろしくな涼、お前が話しかけてくれてよかったよありがとうな」
緊張してたけどいい奴そうだな、さっそく友達できるかも
「こちらこそだよ、あの列に僕らも並ぼう」
「あぁ、楽しみだぜ!!」
さっきまであんなにお調子者だったのに、蓮二って意外とお調子者なのか?....
中に入ると大きな体育館のような場所で沢山の生徒が座る椅子が置いてあった。
「結構人数いるんだな?」
「うん、そうみたいだね」
この数を1人1人寮に分けるのって相当時間がかかるんじゃ....
着席のアナウンスがかかり席に着いた僕と蓮二は一通り先生達の話や説明を聞いた、もちろんその中に校長である玲子さんも居る、そしていよいよ寮が分けられる、せっかく仲良くなれたんだから蓮二と同じ寮になりたいけど....
どうなることやら。
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