第1話:蘇りし刃
閲覧いただきありがとうございます!興味のある方は是非最後までよんでみてください!!
「おい、どけよ邪魔者」
はぁ、毎日思う、僕はこんなこと言われるわけに生まれてきたんじゃないって。
幼い頃両親を失い1人になった僕は叔父さん夫婦に引き取られた、最初は特に何もなかったがこの家での僕の扱いは空気、いやそれ以下だ。
「ツカサちゃんそんな邪魔者に構っちゃダメよ?どうせ後一年したら働けるようになるんだからあいつとはさよならできるんだから」
完全に厄介者だ、だけど言う通り後一年我慢すればこの意地悪な夫婦とその息子から解放される、僕の人生を歩むんだ。
「わかったら部屋に戻ってな邪魔者」
言われなくてもそうしますよ。
「ドンッッッ!!!」
言われた通り自分の部屋に戻った僕が退屈しのぎに絵を描いているととても鈍い、何かを思いきり殴打したような音がした、それとともに叔父さんと叔母さん、そして息子が騒いでいるのに気がついた。
「涼!!降りて来なさい!」
なんだよもう、せっかくあんたたちと顔を合わせなくて済むのに。
「なに、おばさ・・・って誰この人!」
「おう、お前が涼か、健二と靖子の息子だな、大きくなった》」
目の前にいたのは30歳くらいのおじさんと呼んでいいか迷うほどの端正な顔立ちの男の人で叔父さん夫婦はその人に何故か怯えていた。
「じゃあこいつ今日から俺が預かるから」
「そ、そいつは俺たちの甥だぞ?!」
今更なにを言うんだよ。
「あ?じゃあお前らは叔父と叔母としてこいつをしっかり面倒見てきたのか?それにこれは涼の両親2人の遺書に書いてある事だ。」
「クッ....」
全く知らない人の訪問と把握できない状況に少し戸惑いながらも僕は今まで見たこともない叔父さん達の悔しそうな顔を見て笑ってしまいそうになった。
「涼、お前はこの家から抜け出したいか?」
「は、はいっ!!」
知らない人だが悪い人ではないと思いこの家を一年待たないで出られるならと僕は即答した。
「じゃあついてこい俺はお前の母さんと父さんの友達で御神北斗だ」
「北斗さんて言うんですね、改めて神宮寺涼です!今日からよろしくお願いします!」
そして僕は北斗さんの車に乗ってどこに行くかも変わらないまま流れに身を任せた。
「なぁ、涼、その敬語で話すのやめてくれないか?一応俺はお前の両親にお前を託されてるからな、息子同然と思ってるんだ」
「あ、はい!じゃなかった、うん!それで、今からどこに行くんですか??」
やっぱ北斗さんて良い人なんだな、生まれてから初めて人の暖かさを感じた気がする。
「あぁ、それなんだが、これから俺が説明することをちゃんと信じて聞いてくれるか?」
「え?あっ、うん」
これからの生活についてかな?流れで付いてきちゃったけど確かにそう言う話もしないとか。
「人を呪う悪い奴がいるって言ったら信じるか??」
「え?」
今北斗さん人を呪うとか言った?これからの生活とかじゃなくて?
「というと??」
「言ったそのままの意味なんだが・・・・」
流れとあの家から抜け出せるって事だけで飛び出してきちゃったけど僕は騙されてるのか?
「あのな、お前の父さんと母さんはその鬼とか呪や呪術士って言う悪い奴らを祓う祓魔士ってのだったんだ」
「ふ、祓魔士??」
やばい、頭の回転が追いつかない。
「お前は生まれたばかりで両親が亡くなってしまってその辺のことしらないだろ??だからどう説明してやっていいか....」
北斗さんの表情を見る限り本当なんだろうな、人を陥れたり騙そうとしたりする顔はあの家で散々みてきたから分かる。
「信じますよ、北斗さん」
「本当か?!」
すごい喜んでる、北斗さんってすごいクールそうだけど実は単純なのかな?
「僕の父さんと母さんがそんな事をしてたなんて驚いているけど北斗さんは悪い人じゃない」
「良かったよ信じてもらえて」
まさか自分の両親がそんな事をしていたとは、まだ半信半疑だけど実際信じるしかないしな。
「それが僕となにか関係が??」
「実はだな、お前の両親の遺書にはあの叔父と叔母の家から連れ出すこ事ともう一つ頼み事をされているんだよ」
なんだろう?僕を立派に育てて欲しいとかかな?
「実はな、お前をその祓魔士になるための学校に通わせてくれって頼みなんだ....」
え?!この僕が?!得意な事のないこの僕が?
「あの、気持ちは嬉しいんですけど僕は何もできませんよ?」
「いや、そのな、お前の両親て実は祓魔士の中でも最強の一角だったんだよ、だからその血を色濃くお前は継いでるって訳だな。」
それなら尚更なんで僕なんだ?!本当に何もできないぞ?
「涼はまだ目覚める前なんだ、先ずはお前の祓魔士としての能力を目覚めさせる所からだ」
「そ、そんなあ!僕何もできないですって!」
戦うとか怖いしそれに幾ら父さんと母さんが強かったからって僕がそうなる可能性はあるのか?!
「一つ聞きいていいですか?」
「お、おう、なんでも聞いてくれ」
北斗さんも戸惑ってるな。
「その学校は楽しいですか?」
「俺もお前の両親もみんな笑って卒業した最高の場所さ?まぁ、例えるならあんな人でなしの住む家よりはずっと楽しいぞ」
それなら迷う必要はないな、僕はまだ祓魔士とか呪術士とかはわからないけどもう支配されるだけの人生は終わったんだ。
「北斗さん僕をそこへ連れて行ってください!僕に新しい、楽しい世界を見せてください!」
「当たり前だ!涼!!!」
この時僕はすごい気分が良かった、これから起こる危険や災難、そして因縁へと徐々に近づいている事を、そしてそれを仲間と共に打ち祓う事もまだ何も知らない。
最後まで読んで頂きありがとうございます!!
この作品を少しでも気に入っていただけましたら
ブックマークと評価をお願いいたします!!
評価はこの画面下の【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。