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熱血老人会ローバーズ  作者: 奈瑠 なる
1/1

プロローグ VSバスジャック

※現在この小説は凍結中です。しばらくお待ちください。

「お前ら動くなよっ!動いたらコイツの命はないぞ!?」


 喚く中年の男、騒然とするバスの中。運転手は冷や汗を流しながら山道を走り続ける。

 バズジャックである。


「うわぁぁぁぁーん!」

「泣かないで~…大丈夫よ、きっと誰かが助けに来てくれるはずだから…ね?…大丈夫よ~…」


 なく子供をあやす母親。”誰かが助けに来てくれる”この言葉を聞いた乗客たちは、最近起きた事件のニュースを思い出していた。


『昨日、風間町の川崎組暴力団事務局前で川崎組と鷹石組が乱闘を起こす騒ぎが発生しましたが一人の死傷者もなく事件は収束しました。これは五人の老人の協力により成し遂げられたことです』


 続いて移される超人的な五人の老人にお茶の間は沸いた。”正義のヒーローが現れた”と。


 …しかし現在進行形でバスジャックに遭遇している身としては、関係のない話と思えた。たまたま暴力団の抗争を止めた超人たちが、都合よく今ここに助けに来てくれるわけがないのだ。絶望しかなかった。


 ーーその時。


 唐突に、何の前触れもなく、その絶望は打ち砕かれる。突如バスの周囲にドンッ!という大きな音と共に現れた”手とおぼしき何か”によって。


 あまりの驚きに乗客も犯人の男も皆振り返る。するとそこには目で追えないほどの足の回転でバスに”走り”で追随するおばあちゃんと、そのおばあちゃんに抱えられたまま腕をゴムのように伸ばして”バスを抱きかかえている”おばあちゃんの姿があったのだ。


 どうやら二人の超人的なおばあちゃんが力を合わせてバスを無理矢理止めようとしているらしい。実際速度が徐々に下がっているようだ。

 しかしおばあちゃんの予期せぬ介入により驚いた運転手が、思いっきりハンドルを切ってしまう。


 瞬間、宙に浮く車体。

 バスはそのまま崖下に転落していく。


「~~~~ッッッ!!??」


 乗客たちは声にならない叫びを上げ、犯人の男は腰を抜かして崩れ落ちる。全員が死を覚悟した。

 しかし次の瞬間何かの力によってふわっと車体の落下が止まる。ちらりと見えた崖上には先ほどの二人とは違う”三人のおばあちゃん”がいて、そのうちの一人が何かをしたことにより落下を食い止めたようだ。


 崖下にそっとおろされたバスの中では全員が放心状態。皆一様に現実を受け止めきれない様子だ。


 すると今度は残りの二人のおばあちゃんが飛び降りてきて、一人がドアをこじ開ける。そしてもう一人が犯人の持っている拳銃を握りしめ「こんなことしちゃあだめでしょ?」と困ったような優しい笑顔を向けたのだ。


 場にいる全員が言葉を失う。しかし皮肉にも一番早く正気に戻ったのは犯人の男だった。


「ば…バカにしやがってこのチートババァどもが!!ふざけてんじゃねぇえええ!!!」


 直後響く拳銃の音。乗客たちは目の前で起こったであろうスプラッタを見たくない一心で目を反らす。…そしてそのまま数秒の沈黙。


「な…なんだてめぇ…」


 そんな犯人の男の震え声を聞き視線を戻すと…スプラッタどころか傷一つついてない手で握りしめられている拳銃。”拳銃の玉を素手で受け止めてみせた”のである。


「あれま、あたしらテレビにも出たのに結構知られてないんだねぇ…」

「まぁ…まだ一度しか写ってないし、仕方ないよ~」

「そうじゃなぁ…あたしらは熱血老人会!ローバーズじゃ!!」

「よろしくねぇ~」


 二人のおばあちゃんが楽しそうに、名乗り上げたのだった。

 


 これは伝説のおばあちゃんヒーロー”熱血老人会ローバーズ”の戦いの物語である。




次回はローバーズ誕生を描く!…予定!

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