女装彼氏と私の諸事情。
学校でなんか思いついた短編恋愛小説です。
「もうすぐかな...」
腕時計を確認してると後ろからぽんっと肩を叩かれる。
振り向けば、そこには白いワンピースにピンクのカーディガン、茶色いショートブーツを身に纏い、肩下まであるくるくるの髪に花の髪飾りをつけて、笑みを浮かべる人物。
私が今まで待っていた、大切な
「お待たせ、変な男に絡まれたりしなかった?」
「大丈夫だよ、晴翔くん。」
彼氏。
なぜ彼氏、つまり男性である彼が女物の服を着ているかというと。
理由は簡単、私が男性が苦手だから。
そして、それを理解してくれてる晴翔くんはデートの時は女の子の格好なのだ。
ほんとはそれでも無理なんだけど、晴翔くんは別。
だって、やっぱり恋してる相手だし、それに…
「どうしたの?」
「ベ、別になんでもないよ!」
私がそうごまかせば、コテンと首を傾げていた彼はそっか!と笑みを浮かべる。
私よりすごく可愛いんだもん。
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「それじゃあ僕、お手洗い行ってくるね。」
とたとたとトイレに向かう彼に笑顔で手を振る。
ちなみに晴翔くんは男子トイレに入るらしい。
周りに驚かれても涼しい顔してるんだろうな...
その様子を考えると面白くて、クスッと笑みが零れてしまう。
___ふと、ベンチに座る私に影が差した。
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あれ、いない。
トイレから出ると、ベンチに彼女の姿が見えなかった。
おかしいな、待っててくれる子なのに。
そう思ったら急に不安になって、公園の中を必死に探し回る。
そして見つけた。
「ねぇねぇ、俺達と遊んでくんない?」
チャラチャラした格好をした3人組の男に絡まれている彼女を。
そいつらが僕の彼女を人気のないところに追い込んで、そして、手を出した。
僕はすぐに彼女のところへ向かった。
「あの、彼女に汚い手で触れないでもらえます?」
由良ちゃんの手首を掴んでいた男をきっと鋭く睨む。
でも、男はニヤニヤと笑ったままで。
「君も可愛いじゃん。一緒に遊…」
瞬間、僕は無意識に男の胸ぐらをガッと掴んでいた。
「いいから失せろよ、早く。」
自分でも思ってた以上の低音に、男達は一瞬怯み、それから逃げ出していった。
逃げるくらいなら最初からすんなよ。
逃げていく男達の後ろ姿にちっと舌打ちを零す。
「晴翔くん...」
彼女の声にしまったと思いながらも振り向けば、
僕の唇に重なる柔らかい感覚。
「助けてくれてありがとう。
やっぱり晴翔くんのこと、大好き!」
僕の愛しい彼女が、天使のような笑顔を僕に向ける。
もしも、こんな作品を読んでくださった方で、連載小説にしてほしい!というリクエストが、もしも!あったら、頑張って書こうと思います。