報復
この物語はフィクションです
連続誘拐事件について、これまでに愚連隊の一部が見せしめのような事情聴取を受けていた。
愚連隊の矢吹はヤクザの事務所にいた。
「塗木は誰にやられたんだろうな。警察庁のやつ誘拐して問い詰めるか?」
そんな密談をしていると今夜決行することになった。
夕方本庁付近で待ち伏せる。大半が帰宅したようだがチラホラ出てくる。
女を狙うことにした。
すれ違いさまに後頭部へ一撃。女は意識を失った。
女が気が付くとそこはヤクザの事務所の中だった。手錠を嵌められ身動きが出来ない。
「警察庁の職員だな?連続誘拐事件捜査してるか?塗木知ってるか?」そう矢吹が聞く。
「わかりません。」女は言った。
「わかりませんじゃねんだよ」矢吹は怒りに震えている。
「奥の部屋に連れてけ」
そういわれると部屋にいた2人の男が女を抱えて奥の部屋まで引きずって運んだ。そこは奥に排水用の管があるだけで何もない部屋だった。女は排水用の管に繋がれ、トイレに行きたいと言った。「このバケツにしとけ。」と男がいい、パンツやスカートを脱がした。女はバケツに小便をした。そして数日が過ぎた。
女は死んだ。餓死だ。
「死体はどうしますか?」二人は聞いた。
「焼いてこいよ」矢吹は言った。
そういわれると2人は22時ごろ矢吹の経営している火葬場へ向かった。火葬場の警備員に2時間ほど外で休憩をするように言った。誰も居ないのを確認し、車で出来るだけ奥まで入り、死体を屋内に入れた。そして二人掛かりで焼却炉のなかに死体を押し込めた。
手慣れた様子で焼却ボタンを押した。
60分ほどたち焼却炉は停止した。
もう骨まで焼けて灰しか見えなかった。
緑のボタンを押すと灰も回収され何もなくなった。
警備員が戻ってきた。
「行こう。」一人が言った。
あらゆるニーズにこたえるため、矢吹の火葬場の焼却温度は1200℃以上に設定することができ、骨まで焼く機能の備えた設備にしている。