連続誘拐事件発生
この物語はフィクションです
誘拐事件が連続発生した。
ことごとく成功してしまっている。警察はまだマスコミには伏せている。手口が簡単で真似されてしまうことを恐れているからだ。
幼児を誘拐し1000万円くらいの即日用意できるような身代金を要求してくる。そして現金が用意できれば目的地まで誘導する。電車に乗っている途中で連絡が入り窓から身代金を投げ捨てるように指示が入る。それで終わりだ。あとは警察に届け出ているか子どもの捜索願を出していれば子供が戻ってくるという誘拐事件が多発しているのだ。連続発生している事件の手口は似通っているので公表でもすれば警戒もできるかもしれないが手口が簡単すぎて模倣犯が発生するのをおそれているのだ。関東で連続発生したこの手口は拡大しつつあり日本全国で発生するのも時間の問題だ。何か手立てを打たなければならない。
関東の愚連隊が主謀者なのではないかという連絡が入った。捜査を公務員ではない別組織に依頼した。
愚連隊の塗木という白タクの運転手をしている男に事情を聴くことになった。
探偵の渡部は白タクの窓を叩いた。窓が開く。渡部は中をのぞく。「おい、塗木だな?ちょっと聞きたいことがあるんだ。」
塗木「なんも教えることなんてねぇよ」窓を閉める。
渡部さらに窓を開けるようにジェスチャーする。窓があいたとたん髪を掴まれる。
「おい出てこいよ」塗木は髪を掴まれた痛さと相まって物凄く迷惑そうな表情をしたがそのまま力づくで窓から引っ張り出された。
「最近、おまえのとこのやつが良くないことしてるって噂を聞いたんだがな―、お前なんか知ってんだろ?」渡部が言う。
髪を掴まれたままの塗木が渡部に唾を吐く。すかさず渡部の後輩の田代が回し蹴りをした。塗木は崩れ落ちた。さらに追い打ちをかけられた塗木は地面でもがいている。
「おい田代いくぞ、ここまでやりゃなんか展開あんだろ」渡部がいう。
そして一週間がたった。塗木は内臓破裂で死んだそうだ。新聞で見た。
さらに誘拐事件は発生し一向に減少する気配もない。
警察は会議を開き、日本全国の電車の窓を固定し開かなくするという対策を打った。
そしてもう事件は発生しなくなった。
女子高生A「なんでこの窓開かないの?」
女子高生B「なんかさー事件の対策らしいよ」
女子高生A「そうなの?全然しらないー」
電車の窓が固定され日本全国がざわついたことをうけて警察は記者会見を開いた。
「先日、巧妙な手口で誘拐事件が発生し、取引の現場に電車が使われたことを受けまして全国の電車の窓を封鎖するという対策をたてることとなりました。警察本部のほうでも捜査を行いましたが、犯人逮捕、事件抑止には至りませんでした。事件の被害総額は20億円で止まっております。詳細については別の機会にて報告させていただきます。」こう警察の担当者は会見した。
愚連隊が会見を見ていた。
「塗木、これで死んじゃったんじゃねーの?」
「いたたまれないね」
「報復したほうがいいよな」
その晩のうちに警察庁本部に銃弾が撃ち込まれた。
某掲示板に記事が載った。愚連隊も警察庁職員もその掲示板を見ていた。
愚連隊の書き込み「誘拐事件が関係してるんじゃねーの?警察も下手な捜査するから報復されるんだよなー」
警察職員の書き込み「くわしく」
翌日さらに銃弾が撃ち込まれた。
警察庁職員に直撃したそうだ。
マスコミに報道されるはずもなく警察庁職員も騒然となった。