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彼女の話。

 リュシー・ヒューレントは、侍女と言う役割で、長い間サンヴィレット国の王宮にいる。

 花嫁修行、行儀作法の見習い、といえば聞こえは良いかもしれないが、それにしても侍女期間が長い。


 彼女は肩より下まである髪の毛に、いつも同じ髪留めを着けて1つに結んでいる。真っ直ぐで癖も無い髪が一つに綺麗に纏め上げられていると、それだけで清潔感が漂う。

 

 顔も、歪みが無く左右対称で整っているように見えるが、目が少し大きい位で、特徴を聞かれるとなんとも言いがたい。綺麗な顔をしているが、言うべき特徴は見当たらないという、名前が覚えられにくいタイプだ。


 だが、そんな綺麗な顔をしている彼女なら、すぐにでもどこか嫁に行きそうなものなのに、そんな雰囲気もなく、いつまで経っても侍女として働いている。


 気がついたら仕事を終えておいてくれるし、何事にもソツが無い。長い間働いていても、誰もなんとなく疑問を持たない。誰からもなんとなく好意的に思われている。それが彼女の特徴だった。



 そんな彼女の特技―――それはお茶を注ぐことだ。


 その特技は侍女長にも認められ、光栄にも現国王直系、しかも正妃との正式な第一子、国王後継継承権第一位、セル・ヴァーグ殿下のお茶汲みを担当していた。






 ただ……本当にそれが光栄だと思っているのか、それは彼女しか知らない。




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