魔王を倒した魔法使いのアリー
私の名前はアリー。
魔女になったわ。
魔女の修業を終えた私は、どうやら合格らしい。
師匠にOKをもらって、はれて本物の魔女になれたみたい。
魔女になったらやりたい事がたくさんあるの。
練習でもたくさんしたけど、まずは箒にのって空を飛ぶでしょ。
あとは、水晶でいろんな人の未来を占う。
食べ物の味をかえて、いつも口にしている残ぱーーではなく、貧乏飯をもっとリッチにしてやるんだから。
私は皆より何杯も小さいから空へのあこがれはたくさんあったし、かよわい種族だからいつも未来の事に想いをはせていて、占いが趣味になった。
目立たないから種族だから、どこかのお店の残飯をおあさったり盗んだりし放題だったけど、小さすぎるのも困りものね。そのせいで街角に自分で作った家とか何度人に踏みつぶされて壊されたか。人が通らない場所を見つけて家を建てるのに苦労したわ。
でもこれからは魔女だから、楽しいことばかりのはずよ。
私は、これからの魔女ライフに浮かれてウキウキしていた。
でも、しばらくしてからとんでもない事がおきた。
世界滅亡の危機だ。
魔王とかいうものがあばれて、世界中大変らしい。
私がいるのは辺境なんだけど、国の中心ではお偉いさんたちが頭を悩ませて最終兵器を作ったり、勇者を育成したりしているらしい。
誰かが何とかしてくれる。
そう思って特に気にも留めないでいたら、辺境までその影響が出てきた。
武器になりそうな素材は没収され、物の流通は滞り。私の貧乏飯はさらに貧乏になった。
魔王の影響で魔物が進化して、今までめったに生まれなかった飛行型が目立つようになって、魔物と勘違いしそうでまぎらわしいからーーという理由で空を飛ぶことができなくなった。
占いをするのが趣味だったのに、人々を不要に惑わすとかうんたらとか言われてそれも禁止になった。
貧乏飯の味は相変わらず替えられたけど、さらに貧乏になって味が落ちたから、元が元。味を変えても誤魔化しようのないレベルになってしまったわね。
このままでは魔女になった意味がない。
でも人々に怒りをぶつけるわけにはいかない。
彼等だって、いっぱいいっぱいで、好きで色々禁止しているわけじゃないのだろうから。
ならば私は諸悪の根源を断つ事にした。
もっと修行して強くなり、勇者パーティーの仲間を募集していると聞いて、それに応募したの。
それで、世界の未来を担う期待のメンバーになっちゃったりして、魔王を倒すために旅立った。
旅は過酷だったけど、なんとか魔王軍幹部を倒す事ができて、魔王も倒した。
世界は平和になったわ。
私はまた空を飛んだり、占いをしたり(ご飯の味ーーはもう世界を救った人間なので、お金たっぷりだし、味を変えなくてよくなったが)できるようになった。
銅像が建てられるとなった時、設計士が困った顔になった。
「箒の方が大きすぎて、箒の銅像だと勘違いされそうです」
「他のパーティーの方たちと並べると、サイズが違い過ぎて気づいてもらえない可能性が」
確かにそうね。
私は、アリ族だもの仕方がないわね。




