1/1
プロローグ
疲れた…
雪の降り積もるなか、ただ足を動かし続ける。
どこを見ても木と雪ばかり。
息を吐くと白くなる。
枝に雪を積もらせている木は、ぶつかるたびに雪が落ち歩くのを妨げてくる。
歩くたびに靴に雪が入って、足を上げるのも重くて痛い。
雪も降ってきて服も髪もびしょびしょで、体に寒が染みてきて、もう凍ってしまいそう。
ふらふらと木にもたれると遠くに明るい光が見えた。
------
ルメリアは公爵令嬢だった。
それはもうなんの不自由もなく時に笑って、時に泣いて、いろんなことを教えて貰って楽しく暮らしていた。
でも、一夜で全部無くなった。
父と母がいた。
夕食のときぐらいしか合えなかったけど、たくさんお話を聞いてお休みの挨拶のときは、温かく抱き締めてくれた。
聡明な姉もいた。
仕事ばかりの父と母の代わりに、たくさん話を聞いて遊んでくれた。
産まれていたときからずっと一緒の側仕えもいた。
いつだってルメリアの側にいて、いつも優しい笑顔でルメリアのことを助けてくれた。大好きだった。
でも、あの夜、あの一日でみんないなく無くなった。
それでも、ルメリアは進まなきゃいけない




