バッカスの週末信徒
掲載日:2025/10/24
神道と仏教、八百万の神々と諸々の仏・・・
あいまいでごった煮の日本人らしい宗教観の俺の信仰リストに週末のみ追加される神が一柱いる。
その名は、バッカス・・・
言わずとしれた酒の神、この神の司る奇跡の雫、酒は、古今東西数え切れない人々の心を癒し、快楽を与え、ある時は人生を破滅させてきた。
オリンポスのどの女神よりも人々に愛され、オリンポスのどの荒ぶる神よりも人々を殺してきた神・・・それがバッカスなのだ。
この俺もバッカスに魅了され、酒に魅了された数しれない人間のうちのしがない1人だ。
だが、俺がバッカスに帰依するのは週末だけだ。
健康と翌日の仕事に気をつける不信心者ではあるが、その点だけは人間としてはマシな部類といえばマシな部類だと思う。
今日は土曜日、バッカスと俺の距離が最も近づく日・・・
いや、俺だけではない、バッカスに魅了された人間がどれほどこの日を待ち望んだことか。
ほら、今宵もミサが開催される。
駅前の赤ちょうちんで・・・
気取ったフレンチレストランで・・・
お洒落なバーで・・・
そして俺は、自宅で・・・
氷を目一杯に入れ芋焼酎が8分目までつがれたグラスを手に俺は酒神バッカスに捧げる世界で一番短くお決まりの教義を唱えた。
「乾杯!!」




